「医療否定」は患者にとって幸せか(祥伝社新書)

著者 :
  • 祥伝社
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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396113049

感想・レビュー・書評

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  • 文字通り、現役の医師が説いたちまたの「医療否定」論を批判するもの。

    とかく批判されがちな延命治療などの医療行為は、人の死を扱う内容なので、具体的な解決策が難しい。
    故に医者も患者もその親族も悩みは尽きないところだが、医者の立場からの見解が知れて良かった。

  • 現役の医師が現在の医療否定の風潮に一石を投じている。
    やみくもに医療否定をする人に対する書だが、こういう本を読む人はやみくもに医療否定はしない気がする。

  • 昔と比べて患者の方が立場が強くなってきているから、こういうことが起こるのでしょうか?お医者さんも色々な人がいるのでしょうが、まじめにがんばっている人が気の毒にも思います。これから先、高齢化がますます進んで患者がますます多くなり、逆にお医者さんの数が少なくなれば、病院にもかかれない人が増えてきそうな気がします。怖い世の中になりそうです。そのためにも病院にかからず、健康であることが一番だと思います。この本を読む限り、医療を否定するかどうかは、個人の自由だとは思いますが、最後まで責任を持つべきなのでしょうね。生死に関わることなので難しくもあるのでしょうが。結局はその人個人個人の道徳の問題だとも思うのです。

  • 「尊厳死」「平穏死」ブームに対する反論。語り口は軽妙だけど,かなり厳しい指摘もあり。

  • チェック項目16箇所。もう一度冷静に、「高齢者が治療を受ける意味」「長生きする意味」「人間の長い人生の意味」についてゆっくり考えていきたい。幸せになるための3つの方法……一つ目は、何かつらいことがあっても、いつまでもくよくよしない、これをばねにして頑張ろうというプラス思考、二つ目は感情の気持ちを持つこと、三つ目は人との縁、かかわり合いを大事にすること。人間は悲しい出来事、苦しい出来事が起こることは想定できても、その時に直面するつらさまでは想定できるわけではないのだ。家族は、親の最期に際して、「最後にかかわった」もの、場所、人に腹を立てるのだ。北欧では寝たきり老人が少ないという、天敵や胃ろうをしないから、施設ですぐに亡くなってしまう、だから寝たきりにならないのだという、だが実際にそうした施設に見学に行くと、職員も少なく、床ずれは放置、薬は卓上に置くだけで自力で飲めなければ回収、食事も置くだけで、食べても食べていなくても一定時間が来れば回収(介助などない!)入居者は寝て、死をまっているだけの状態だという。実はみなさんの思っている以上に、食事療法と「健康効果」の因果関係を証明するのは、困難なのである。「患者さんやその家族は、倒れてしまえば、”もっと早く倒れるところを予防処置によって引き延ばすことができた”と聞いても、全然喜べない。むしろ”今までずっと病院に通って治療してきたのに、意味がなかったのではないか”と思う。第二に、薬を飲んでいるお父さんと飲んでいないお父さんの比較ができないから、証明できない」。「自然の動物を見習え、病院に行くな」というが、自然の動物が健康のために青汁やきのこの抽出物を飲んだり、ジョギングをしたり足裏のマッサージをしているだろうか?医者の立場からすれば、単なる老衰ではなく、病気で、しかも入院してくるような状態であれば、いつ何が起こっても不思議はないと思っているし、事実そうである。介護にはゴールが見えない、いつ終わるのかがわからない、もちろん、終わりを望んでもいけない、そればかりか病状や老化が進むにつれ、家族の負担は、逆に増えていくのだ。「延命治療とは思っておりません。(中略)もうしばらく元気な時間をすごすための治療です」。日本人は奥ゆかしく、自分の意見をあまり強く主張しないが、西洋人ははっきりと自分の意見を主張する、と思っていたら、やっぱり自己主張する人間、はっきり言う人間はイギリスでも嫌われていた。なぜ治らないのか、なんて誰も説明できない、人間の身体、病気とはそういうもの、それは言わないお約束、人間はいつか必ず死ぬ、「医療の不確実性をちゃんと口に出して言え」というのは、いわば「今まで人間が言葉では説明できないと思っていたものを、言葉で説明しろ」と言うのに近いわけで、呆然としてしまうのである。医者は「何もしない」を家族が選択した時「そうか、がんに対してはもう何もしないと決めたのだな」と思う、ところが、えてして家族はそうでない、あくまで「抗がん剤はもう使わないでほしい」は、「現在のがんに対して、もうこちらから攻撃をしかけないでほしい」という意味であって「がんが進行してくれば、防御はしてほしい」と思っている。「がんで死ぬのって負けなのだろうか?」……五十六歳でこの世を去ったスティーブ・ジョブスの伝記本はミリオンセラーだ、誰も彼のことを「彼の人生はがんに負けた」などと思っていないだろう。「わたしらはね~、若い頃は戦争でお国のために死ね、と言われたのよ。今は平和になったけど、今度は老人はお国のために治療をせずどんどん死ね、と言うのかねえ……」

  • 神様のカルテとがんと闘わないの狭間で揺れていたから、少しすっきりしました

    • kuma*さん
      私も読んでみようかな
      私も読んでみようかな
      2012/12/25
  • 「神様のカルテ」を読んだ時の違和感の理由がこの本を読んだら解明した。
    まっとうな医師が書いた医師の本音を知ってほしい。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。神戸大学医学部卒。医学博士。同大学医学部付属病院入局後、兵庫県立加古川病院勤務を経て神戸大学医学部で脂質代謝・インスリン抵抗性、動脈硬化を研究。神鋼病院(現神鋼記念病院)糖尿病・代謝内科部長、臨床研修指導部長を経て、現在は同病院健診センターに勤務。2012年から兵庫大学で健康科学部講師を兼任(16年まで)するほか、神戸マリナーズ厚生会病院・糖尿病専門外来も担当。著書に『近藤理論に嵌った日本人へ 医者の言い分』(祥伝社新書)、『「医療否定」は患者にとって幸せか』(同)、『なぜ、患者と医者が対立しなければならないのか? 医療の不確実性の認識をめぐって』(ヘるす出版新書)、『「スーパー名医」が医療を壊す』(祥伝社新書)ほか。

「2017年 『あなたが名医と出会うための5つのヒント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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