禅が教える「大人」になるための8つの修行(祥伝社新書315)

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  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396113155

感想・レビュー・書評

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  • 大人になるための8つの修行とあるものの、そもそも大人(だいにん)とはどういう考えの持ち主なのかを示し、そうある為の在り方を示した本。

    周囲の欲に流されることなく、かと言ってメタ認知するような思考のループにハマることもなく。
    物ごとをフラットに捉えて否定せず、ありのままを受け入れることの重要性を説いてくれていると感じました。

    最後に大どんでん返しがあり、言葉に囚われないようにと出てくるのには虚を突かれる想いがしました。結局の所、知っただけの知識は知らないことと同じということでしょうか。

    とはいえ、全体的にかなり踏み込んだ内容の本となっており、『遺教経』という釈尊最後の説話を基にして道元禅師が書かれた『正法眼蔵』の最終巻である「八大人覚」についての本であるという本書の特性からか仏教関連用語が頻繁に使われている。
    私のような仏教に関する知識に疎いものからすると、言葉の意味を1つずつ確かめると時間が掛かりすぎると感じ、斜め読みに近くなってしまったことが少し悔しい。

    仏教や曹洞宗、関連して禅宗などに関してある程度知識を有しているとより有意義な内容に感じるのだろうなと感じられた一冊だった。

  • 曹洞宗に親しむために読んでみた。記されている知識を会得することより、行いを実践することが重要なのだが、未だその段階に至っていない。タイミングと自らの成長の度合いをみて少しでも行動に移していければと思う。

    http://antaiji.org/archives/jap/index.shtml
    http://jomanji.web.fc2.com/nirvana/astabuddhi.pdf

  • 自由意志がないなら何をしてもいい、いやそれは違う、と言う部分など、しっくりこないところもあるけど、悩み多き修行僧と仏の生き方に、勇気と道標を与えられた。

    不戯論の「本代と時間を返せ」は笑った。

  • (「大人」とは?)……「自立する」ことよりも、「共生できる」ことが日本における「大人」の条件ではないでしょうか、「大人」というからには、少なくとも両親を含む他人から独立した人です、そういった「自主性」を備えて、はじめて人間になったともいえます、自分の頭で考え、自分の意思で行動することが大切です。
    (無分別な大人とは?)……「分別のあるオトナ」とは差別に執着する人でもあります、正しい見極めをするためには、まず自分の中のフィルター(分別)をはずさなくてはなりません、フィルターのない状態が無分別です、「平等の中の差別、差別の中の平等」をあるがままに受けいれることです、「差別」によって、自分は独立し、また自立することができます、他人も同様です。

  • 一回読んだだけでは全然理解できないのですが、ためになる本でした。時間を置いてもう一度読むと、また違った観点から読めるような気がします。

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著者プロフィール

1968年、旧西ドイツ・ベルリン生まれ。7歳で母と死別し、人生に悩む。16歳で坐禅と出合い、禅僧になる夢を抱く。1990年、京都大学の留学生として来日。その秋から初めて曹洞宗・安泰寺に上山し、半年間の禅修行に参加する。1993年に安泰寺で出家得度。8年間の雲水生活を経て嗣法。2001年から大阪城公園で「ホームレス雲水」として毎朝の坐禅会を開く。2002年に師匠の訃報に接し、安泰寺第9世の堂頭(住職)となる。国内外からの参禅者・雲水の指導にあたって坐禅三昧の生活を送っている。著書に『迷える者の禅修行――ドイツ人住職が見た日本仏教(新潮新書)、『裸の坊様』(サンガ新書)、『禅が教える「大人」になるための8つの修行』(祥伝社新書)、『ドイツ人住職が伝える 禅の教え 生きるヒント33』(朝日新書)、『迷いながら生きる』(大和書房)、『日本人に「宗教」は要らない』(ベスト新書)、『読むだけ禅修行』(朝日新聞出版)、『迷いは悟りの第一歩』(新潮新書)、『ありのままでいい、ありのままでなくてもいい』(KKベストセラーズ)、『ドイツ人禅僧の心に響く仏教の金言100』(宝島社)がある。

「2015年 『安泰寺禅僧対談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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