- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396113612
感想・レビュー・書評
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核エネルギー、原子力発電の擁護、石油、天然ガス輸入のための国家予算無駄遣い、現状では原子力に頼らざるを得ないことを主張。なるほどと思う部分も多い。
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エネルギーというのは国家の繁栄に必要不可欠であることが歴史を学んでみると良く分かります。この100年間で国家のエネルギーは長年続いてきた、木(木炭)から石炭、石油・天然ガス、さらには原子力へと多様化してきた様ですが、日本の場合は東北大震災(2011.3)以降は、逆戻りしている感もあるようですね。
森林、石炭とエネルギーに恵まれてきた日本は、石油という新しいエネルギーを前にして、初めてその必要性を認識するようになったのが、第二次世界大戦前の状況のようです。それでも初期には、秋田で産出された原油の使い道にも困っていたようなのを知って驚きました。
この本が私が読んだ数々の本の中には明確に触れられなかった点として、福島原発の被害を、原爆で被災した広島や長崎の例と比較して論じている点でした。この内容は長い間、関係者間で封印されていたようですが、最近になって開示されるようになってきたのでしょうか。
以下は気になったポイントです。
・産業革命とは、イギリス人が石炭の新しい利用法を発見し、それに蒸気機関などの発明が結びついたことから始まった人類の生産革命であった(P15)
・石炭の新しい使い方が発明されて熱量の高いコークスができると大量の鉄をつくることができて、鉄製の船もできるようになる、そして石炭をエネルギー源とする近代工業の発明が続く。(P16)
・イランでは、オイルと呼ばないでナフサと言っていた、ナフサとはイラン語で「土から出る燃える液体」というような意味(P31)
・陸軍は昭和16年の太平洋開戦まで、アメリカを敵国として考えたことはなかった(P45)
・アメリカの軍艦は全部西海岸で造っていたので、アメリカの軍艦が動けなかったら日本の連合艦隊は西海岸まで行って艦砲射撃をやっただろう(P75)
・日本の潜水艦は軍艦に的を絞ったおかげで、航空母艦を2隻、三番目の原子爆弾をもった軍艦も沈めている(P79)
・石油から精製してTNT火薬(トリニトロトルエン)ができたので、チリ硝石で火薬を作っていた時代は終わった(p81)
・第9条反対という人達は多いが、前文反対という人はあまりいない(p95)
・沿岸工業地帯とは、日本が偶然発見した一大発明である、沿岸コンビナートの開発で日本は一時、本当に最強の工業国になった(p101)
・広島、長崎において多数の人が放射線が死んだと思っているが、死んだ人のほとんどは熱線によるもので、いわば焼け死にである(p110)
・長崎の爆心地において、3週間目にはアリ、3ヶ月経過したらミミズ、なので人間も大丈夫であろうと確信された(p112)
・ウサギに卵を食べさせたらコレステロールが上昇したというのが卵の悪玉説の原因(p113)
・被爆者と非被爆者を調べると、被爆者のほうが癌発生率が低い、奇形児発生率も低い、そういう研究成果は社会にでてこない(p116)
・ショウジョウバエのオスには先天的に修復酵素がないことが、放射線を浴びせて奇形が生まれる原因であった(p117)
・ビキニ環礁で第五福竜丸の久保無線長が亡くなったが、その原因は売血の輸血による急性肝炎であり放射線は関係ないということであった(p118)
・福島事故で亡くなったり病気になったのは、すべて政府の強制退避命令によるもの、放射線量率は、広島の1800万分の1、広島も長崎も除染もせずに住み続けたほうが、むしろ健康(p120)
・1兆キロワットの電力を得るのに犠牲になった人の数は、原子力:90人、風力:150、天然ガス:4000、石油:3.6万人、石炭:17万人である(p128)
・硫黄分が少ないインドネシア産、ナイジェリア産は精製できる部分が少ないので、相対的に高くつく(p149)
2014年3月15日作成