お寺の収支報告書(祥伝社新書)

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著者 : 橋本英樹
  • 祥伝社 (2014年8月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396113766

お寺の収支報告書(祥伝社新書)の感想・レビュー・書評

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  • 曹洞宗住職が仏教界を堕落させているお金や制度の問題について、内側を知る立場から隠すことなく述べている。ここまで書くか?!という内容で仏教界の呆れた内情がよくわかった。また周囲からの批判を恐れることのない筆者の誠実な語りには賞賛の拍手を送りたいと思った。
    P13
    全国には、七万五〇〇〇もの仏教寺院があるといわれています。これはコンビニエンス・ストアより多い数です。
    P26
    それから頻発しているのが、住職家と檀家の争いです。住職たちが、檀家を邪険し、ひどい場合は無視したり、罵倒したりするといいますから、まったく穏やかではありません。こういった問題に、ちゃんと専門用語があるから驚きです。「寺檀紛議」といいます。専門用語があるということは、それだけ一般的だということなのでしょう。
    P38
    高級車に乗って、ギャンブルやゴルフに没頭している住職は、特権意識にまみれた強欲な人か、よほどオツムのよくない人のどちらかであって、およそまともな人ではないということなのです。跡を継ぐしか、生きていく道がないから、いままでどおり、やっているのです。
    P44
    そもそも学校の勉強が苦手な子供が大きくなって、これからの時代、小さなお寺を守っていくことなどできるのでしょうか。というわけで、修行にも学問にも興味がなく、檀家を低く見て、世のなかのしくみにもまるで疎遠な、「ダメ住職」が増殖するのは仕方のないことかもしれません。
    P52
    鎌倉初期も、仏教がすたれたことで、法力のある僧侶が多く出て、新宗教がつぎつぎと起こったのです。廃仏毀釈のあった明治時代もそうです。救世主は、危機のときにあらわれるのです。
    P93
    派遣僧侶は、芸者と同じで、お座敷がかかれば喜んで駆けつけ、いかなる待遇であろうとも、不平を述べてはなりません。つまり、「葬式芸者」です。
    P131
    見性院でも、以前に石材業者の斡旋をしていたことがありました。このとき、この業者が、墓地の契約もあわせてとってくるとのことでした。「墓地と墓石こみで、二〇〇万円くらいでいかがでしょう」といわれるので、「少し高いんじゃないですか」と、正直に答えました。すると、業者の方は、「大丈夫、大丈夫、私たちに任せてください」といって、まもなく二〇件も成約をとってきました。
    P215
    住職のガレージに高級車が止まっているようなお寺の檀家は、いますぐお布施をやめてください。「何度も同じ話はいいよ」といわれるそうですが、これほど的確に「悪徳僧侶」を見分ける方法はありません。

  • 読了。

  • 葬式仏教ほど、両親や祖父母が当たり前の事と考えていながら、実は根拠が乏しい慣習も中々無いと思う。寺檀制度を廃止した著者による本書は、その辺の基本的な疑問に応えてくれる。無論、旧来に対するカウンターパートの位置付けな点は考慮しながら読まなければならない。

    江戸幕府の統治に由来する、寺院への国民総サポーター制も、少子化が進む現在から未来にかけて確実に支持を失っていくはず。それは同時にお寺が果たすべき本分とは何かが一層問われる事態でもある。それにはまず、安易な徴収システムから離れる事、という著者の行動には筋が通っているし、具体的事業として、生涯教育の場(道場)や飲食の場を作っていく等も、公共に益するという観点から、布施の活きた使い方という感想を持った。

    お寺の経営の内実、墓地墓石の販売事情、葬儀屋との折衝といったお金の流れの話や、各宗門分布や本末制度、戒名のランク付け(!)など、幅広いトピックからも一読の価値あり。

  • 檀家制度をやめたお寺さんの住職のかたる現代寺制度の不満。
    興味はあるんだけど、自分以外はみんなバカだと思って怒ってる子供みたいな書き方に読む気が失せてしまった。

    中身はちゃんとしてそうな気がするんだけど、怒りや正義が先に立っちゃってるような文章。
    そういうのは、怒りを共有するかスルーするかできないとむだにエネルギーを吸い取られてしまう。
    自分もよくこういう書き方しちゃうから反省した。

  • 良書。
    お寺の知られざる世界。
    妻帯が許されなかったので、世襲はここ100年のこと。考えてみれば、当たり前。常識だと思ってた事がそうではないという事。
    お寺も時代を反映している。
    これからお寺も変わらざるを得ない。
    仏教が、民衆のためという時代は長くない。戦国時代の本願寺など。

  • 実際の収支報告書が記載されている。給与の額を見る限り、個人の所得はさして多くないように感じる。しかし支出の内訳(特に法要費が多い)がわからない限り、適切な計上なのか判断できない。なんにしろ、日本という国で活動するのなら、納税するのも佛の教えのひとつだと思うのだが。201410

  • 今後の宗教の経営のあり方としてひとつの指針になると思うる。

  • お寺の住職たちが、「坊主丸もうけ」と揶揄されるようになって久しい。住職といえば、かつては地域の尊敬を一身に集めていたのに、何が変わってしまったのか。「葬式仏教」や住職の世襲がダメなのか。お布施が非課税だからいけないのか。本書の著者は、現役の住職である。現職でないと見えない視点から、そのお金と制度の問題が、数字を交えながら包み隠さず書かれている。この一冊を読めば、日本の仏教の実体が何なのか、理解できるのではないだろうか。
      
    予想外に面白い一冊でした。仏教だけでなく宗教全般に縁もなければ興味もない生活をしているわけですが、この本を読んで生々しい実態に触れ、驚いてしまいました。著者の橋本住職は仏教が現代においてあるべき姿を模索し、その実現のために仏教界に風穴を開けるような斬新な活動を始めています。お寺と檀家、お布施、墓地経営などお金にまつわるお話が具体的な金額を明示して語られるので、実に説得力がありますね。よくこれだけの事実を公表したなあと感心しつつ、決してよくある暴露本的な内容になっておらず、明快な論理と真摯な姿勢で語られているので、読後感もよく、何より今まで全然知らなかった「お寺の経営」についていい勉強になったのでした。

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