石原莞爾の世界戦略構想(祥伝社新書460)

著者 :
  • 祥伝社
4.07
  • (6)
  • (4)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 101
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396114602

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 陸軍における石原莞爾にフォーカスしており、最終戦争論にも触れているが、主な流れは、満州事変から日中戦争までの、陸軍が国を誤った経緯となっている。国家的リーダーの不在、軍の暴走、すなわち下克上の端緒となったのが、満州事変の際の石原達の独断専行だったが、結局、自らの軍規違反が後年、部下の「規範」になってしまい、戦争を止められなくなる。しかも国家総動員とか総力戦が唱えられた時代だったが、陸軍一つとっても派閥争いに明け暮れ、石原もやがて部内闘争に敗れ、満州国以後に責任を果たさないまま、表舞台から去っていく。最終戦争論の価値は変わらなくとも、より学ぶべきは、1930年代、各組織が好き勝手した挙句、国家が体を成さなくなった病根についてだろうと感じた。

著者プロフィール

1947年生まれ。名古屋大学大学院法学研究科博士課程単位取得。現在、日本福祉大学教授、名古屋大学名誉教授。法学博士。専門は政治外交史、政治思想史。『原敬 転換期の構造』(未来社)、『浜口雄幸』(ミネルヴァ書房)、『浜口雄幸と永田鉄山』、『満州事変と政党政治』(ともに講談社選書メチエ)、『昭和陸軍全史1~3』(講談社現代新書)、『石原莞爾の世界戦略構想』(祥伝社新書)など著書多数。

「2017年 『永田鉄山軍事戦略論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川田稔の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×