「国家」の逆襲 グローバリズム終焉に向かう世界(祥伝社新書) (祥伝社新書 474)
- 祥伝社 (2016年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396114749
感想・レビュー・書評
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読みやすくて、世界の動きがよくわかる内容でした。世界の動きは、国ごとに全く違うようで、繋がっている。イギリスのEU離脱、トランプ現象、EU崩壊危機、中国の膨張等をわかりやすく解説してあった。
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グローバリズムへの反動からナショナリズムへというのは判りやすかったが、後半は別の本のよう…。
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欧米の総覧まではまだ良かったのに中国批判が酷
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題名に惹かれて購入。
読みやすさ&世界の流れがわかる本。
世界情勢を理解するのが苦手だった私でさえ一気に読破できました。
おすすめです。
以下、本カバーより
イギリスのEU離脱、パナマ文書公開によるタックスヘイブンの崩壊、アメリカ大統領選挙における「トランプ」現象、中国の軍事侵略ーーー一見、脈絡がないように見えるこれらの事象は、大きな水脈で、一つに繋がっている。
それはグローバリズムの崩壊と、「国家(ナショナリズム)」の台頭である。ナショナリズムとは、国民国家を基盤とした国家主義、国民主義のことだ。かつて世界が目指した「国境なき世界」は壁に突き当たり、時代の流れは、明らかに変わってきている。 -
パナマ文書-アメリカが仕掛けた?
タックスヘブン潰し-金融グローバリズムを監督下に置く
★2014/7~ FATCAファトカ 外国口座税務規律順守法
外国金融機関に対して米企業、個人が外国に持ってるる口座を国税当局に知らせることを義務づけた法律
世界の巨大銀行の中で、金融システムへの潜在的リスクが最も大きいのはドイツ銀行である。-2016/6 IMFレポート
グローバリズムに対するナショナリズムの逆襲、エリーテェズムに対するポピュリズムの台頭、
トランプ現象、パナマ文書、イギリスのEU離脱とEU共同幻想の崩壊、チャイナの軍事膨張主義(ナショナリズムの暴走)
著者による紹介↓
https://youtu.be/r29ljwzt928 -
序章 「国家」の逆襲
第一章 トランプ現象とは何か
第二章 パナマ文書が暴いた世界
第三章 イギリスEU離脱の意味するもの
第四章 EU共同体幻想の崩壊
第五章 難民流入問題の行方
第六章 ドイツ発ヨーロッパ金融危機
第七章 チャイナ経済バブルの崩壊
第八章 チャイナの軍事膨張主義 -
昨年の大掃除をしたときに本棚の奥にあったのを見つけました。昨年(2016)9月頃に読んだ本で、米国大統領の共和党の指名候補として、当初の予想に反してトランプ氏が選ばれた後に書かれた本で、アメリカでは何が起きているか、について解説してあります。
結果を知っている我々から見れば、この本の著者の藤井氏は、トランプ氏の当選もあり得ることを、現在のアメリカを観察することで予想できていたのかもしれません。
この本では、米国だけではなく、英国がEU離脱を国民投票で決めた経緯、中国の行く末などについても解説されています。本が書かれてから半年経過した今、この間の動きを思い出しながら、レビューを書きたいと思います。
以下は気になったポイントです。
・グローバリズムから、新ナショナリズムへの大きな意識の転換は、アメリカのトランプ現象においても同様。欧州においては、いくつかの国がイギリスを追って、EUからの離脱への準備を進めている。イタリア、スウェーデン、オランダ、ハンガリー、フィンランド、オーストリア、フランスなど(p18)
・英国では、保守党・労働党ともに、国会議員だけを見れば、EU残留派が圧倒的多数を占めているという事実がある(p19)
・ヒラリーとトランプの大統領選挙は、民主党と共和党の戦いではなく、既成の政治エリートと、ポピュラリズムの代表との戦いでもある(p21)
・トランプとサンダースの共通点は3つある、1)アンチ・エスタブリッシュメント、2)アンチ・グローバリズム、3)アンチ・マスメディア(p48)
・サンダースはヒラリー肉迫したが民主党候補になれなかった、予備選挙で選ばれる代議員とは別に、スペシャルデリゲート(特別代議員)がいて、この票をヒラリーが抑えていたから(p50)
・トランプのエネルギー政策は単純明快、規制緩和して、シェールオイル・シェールガスを掘ろうという考え、地球温暖化説を全く認めていないし、原子力の話もなし(p69)
・クレディスイスは2014年に脱税ほう助を認めて、26億ドルの罰金支払いに応じた、中小銀行85行も、合計13億ドルの罰金を支払う代わりに、起訴を免れることを2016年1月に最終合意した。これによりスイスというタックスヘイブンは消えた(p81)
・アメリカトップ500社のうち、66%がデラウェア州で法人登記を行っている、これら企業が訴訟で訴えられても、適用されるのがデラウェア州法であり、企業に有利な判決が出る(p88)
・イギリスは世界でもっとも複雑なタックスヘイブンの仕組みを構築した国家、ロンドン市の中心部にある、通称シティと呼ばれる金融街は、ロンドン市からも、イギリス政府からも独立した自治体で、独自の法体系を持っている。この外側に第二のグループとして、ジャージー島・マン島・ガーンジー島という、3つのクラウン・ディペンデンシー(王室属領)、第三グループとして、ヴァージン諸島・ケイマン諸島など、14の海外領土がイギリス本土とは違った法体系があり、タックスヘイブンである、第四グループとして、シンガポール、バハマなどがある、詳細は「アングラマネー」に記述(p91)
・日本財政が破たんから最も遠いことを、世界の投資家は知っている、日本円と日本国債は世界市場で最も信用されている(p103)
・リーマンショックの際に、サブプライムローンが引き金になったといわれたが、アメリカ国内で率先して売りまくっていたのがドイツ銀行であった、ドイツ銀行のレバレッジは47倍(p179、181)
・欧州で排ガス検査をする自動車の車体は、エアコン、カーステレオなどの搭載部分を取り除いて重量を限界まで減らした「ゴールデンサンプル」で良いことになっている(p185)
・2016年6月27日、VWは、150億ドルの制裁金を米国当局等に払うこととなった。トヨタは2014年に12億ドル払ったことがある(p186)
・チャイナから国外への資金の純流出額は、6760億ドルだが、そのうち2160億ドル(27兆円)が不明資金(p212)
・天津で爆発事故が起きた8月12日は、北戴河会議が開かれた日であった。中国共産党幹部の秘密会合、この日を狙って行われたのかもしれない(p238)
・ヒラリーが大統領になれば、南シナ海は事実上、チャイナの領海化してしまい、これを覆すことは極めてむつかしい(p246)
2017年1月1日作成 -
「国境なき世界」という幻想の崩壊ということで、イギリスのEU離脱、パナマ文書公開によるタックスヘイブンの崩壊、アメリカ大統領選挙における「トランプ」現象、中国の軍事侵略――一見、脈絡がないように見えるこれらの事象は、大きな水脈で、一つにつながっている。
それはグローバリズムの崩壊と、「国家(ナショナリズム)」の台頭である。
ナショナリズムとは、国民国家を基盤とした国家主義、国民主義のことだ。
かつて世界が目指した「国境なき世界」は壁に突き当たり、時代の流れは、明らかに変わってきている。
ということで、
序章「国家」の逆襲
第1章 トランプ現象とは何か
―大衆に支持される理由
第2章 パナマ文書が暴いた世界
―税金逃れを許さないという国家の決意
第3章 イギリスEU離脱の意味するもの
―日米は勝ち組、中独は負け組
第4章 EU共同体幻想の崩壊
―ドイツの横暴が招いた自業自得
第5章 難民流入問題の行方
―偽善と本音の狭間で
第6章 ドイツ発ヨーロッパ金融危機
―ドイツ銀行という時限爆弾
第7章 チャイナ経済バブルの崩壊
―ミンスキー・モーメントへまっしぐら
第8章 チャイナの軍事膨張主義
―着々と進む南シナ海、東シナ海への侵略
という内容となっていた。
マスコミの表層的な報道では知らなかった事実、そして、著者の考え方、方向性が述べられており、今後ますます不透明な国際情勢を考えるうえで、参考になる本でありました。 -
今起こっている様々な事象に対して、その背景から説明してくれます。ドイツのトラウマなど、知っている人は知っているのかもしれませんが、恥ずかしながら国際投資を仕事にしている僕も知らないことが満載でした。おすすめです。