宇宙エレベーター その実現性を探る(祥伝社新書) (祥伝社新書 475)

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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396114756

感想・レビュー・書評

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  • 「人類が順番に宇宙空間に出て、青くて丸い地球を見たら、この地球上で起きている内戦や紛争の大半はなくなるのではないか。」こんな持論を持っているワタシがこの本を手に取らない理由はなかった。
    実現までの課題が奥が深く、多岐に渡っているのは明らかだが、その一方、実現に向けてあらゆる分野で努力が始まっているのも事実。単なる夢で終わらせるつもりはない、という人たちがいるのだ。本書で紹介されている大林組は、宇宙エレベーター構想を立ち上げ、実現目標を2050年とした。もちろん現実的には相当ハードルが高いことはやっている本人も承知している。それでも、敢えて目標を掲げ、モチベーションに火をつける。その心意気がなんとも頼もしい。
    残念ながら、どう転んでもワタシが生きているうちに宇宙エレベーターに乗ることはできなさそうだ。少し乱暴な考えだが、もしこれが実現した暁には、破壊行為を繰り返すような人たちを先に乗せて、この母なる星の美しさと大きさを見せてやろう。きっと破壊行為はなくなるにちがいない。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/691639

  • おもしろかった。
    ロケット以外に宇宙へ行く手段が必要。
    実現のためには課題が多いけれど、実現に向けて考えている人がいる。実現できる目処が見えてからではなく、その前から考えることが大切なんだろう。

  • かなり前から夢として語られていた、宇宙エレベーターを真面目に考えている本。
    それだけで特徴的な一冊ですが、中身はリアルに検討されている内容が盛り沢山。確かにいくつかの技術革新は必要ですが、実現できそうな予感がする内容でした。
    宇宙特徴的な繋がった場合に地上と宇宙どちらが上、下かは素朴な疑問ではある

  • 宇宙エレベーターの現在地は、理論的には建設可能だが、主要な要素技術の幾つかで大きな技術革新や進歩が必要、細かい点でも幾つも解決すべき問題があるとなる。それでも、実現を目指すことで、技術の進歩や問題解決のための新しいアイディアが生まれるなどし、数十年後には実現される可能性は十分あるのかも。
    単なる宇宙空間との往復だけてなく、静止軌道より遠い部分からカタパルトを切り離すことで、理論上は遠くの天体まで主動力なしで到達できる。

    本論からは少し外れるが、第5章「宇宙開発の歴史」が興味深い。初めて宇宙空間に達した物体は、ドイツが1942年に打ち上げたA-4ロケットで、工学者ウェルナー・フォン・ブラウンが開発にかかわった。それからまだ70年ほどしか経っていないとは驚き。第二次世界大戦後の宇宙開発でソ連に遅れをとったアメリカが国家の威信をかけて取り組んだ月面着陸、全20次まであったアポロ計画の11号が月面着陸したのは1969年。地球以外の天体に立った人類はアポロ計画の12名(着陸6回)のみ。スペースシャトルに代表される再使用型有翼往還機は、映画やアニメではお馴染みだが、現実的にはまだまだ難しい。

    全体として主題が不明確、時々不思議なトピックが差し込まれていたり、話の流れが前後したり、一冊の本としての出来に疑問あり。。

  • 宇宙エレベーターの実現に必要なのは、技術より法整備?

  • 星空を見上げ、遠く彼方にある宇宙へ行ってみたいと思ったことはありませんか?宇宙への旅は費用が高く、超大金持ちでないととても無理な話です。でも、手軽に宇宙旅行を実現する手段として、宇宙エレベーターが検討されています。10万メートルもの長いケーブルを地上と宇宙の間に渡し、乗り物で簡単に宇宙へ行くことができるというものです。こんなSFのような話が2050年頃の実現を目指して進められています。実現に向けた課題や宇宙開発の歴史などが平易に解説してあります。実際にこの構想に携わる人たちの話も興味深いです。
    (教員推薦)

    ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00540057

  • サクッと読めて、よかった。その分、物足りなさも少々あるが、全く何も知らない状態だったので。特に宇宙開発の歴史部分は門外漢にはありがたい。アメリカとソ連がほぼ独占してきたんだなぁと。法整備の部分も楽しく読めた。

    カーボンナノチューブ、他分野でも大いに期待されてるようだが、こんなところでも期待大とは。日本が作ったからというのもあるんでしょうかね。

  • SF的発想以外の何物でも無いと思っていた宇宙エレベーターを至極真面目に解説したもの。
    技術的限界が有って当分難しそうだけど、これを読んでると生きているうちに見れそうな気がしてくる。

  • 非常に面白かった。夢のようでありながら、しっかり今時点のテクノロジーや法整備に基づいた現実の話が書かれているので、何をクリアすれば実現できるかが明確でした。
    でも、テクノロジー観点、法整備の観点両方からもかなり現実には難しいなという印象を持ちました。
    そして何より、セキュリティですよ。テロに乗っ取られたり破壊された際の被害が甚大すぎるので、そこが解けないと、サービスとしては怖くて仕方ない。守るにしても軍隊使うなら国の管理下になるし、どの国?
    国連が守る?とはいえ各国の寄せ集めだったり、大国のエゴ丸出しの今の国連が管理できるとも思えない?
    すごーく、夢のある事だけど、人類のエゴから解かないといかんね。

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著者プロフィール

1953年神奈川県生まれ。横浜市立大学卒。美術雑誌の編集、翻訳会社などをへて、現在予備校非常勤講師のかたわら、美術・音楽の英語翻訳・執筆にたずさわる。訳書に『ロック・ミュージックの歴史』(上下巻、音楽之友社)、『世界の3次元グラフィクス』(グラフィック社)ほか美術展のカタログなどの英訳・和訳など。著書に『アートが話せる英会話』『アートの英語』(ともにギャラリーステーション刊)がある。美術情報誌に「新・アートの英語」を連載中。
http://artwords.info

「2009年 『サイモン&ガーファンクル全曲解説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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