アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄 (祥伝社新書)

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  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396114817

感想・レビュー・書評

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  • ヴェノナ文書、聞きなれない言葉である。
    正確に言うと、1940年から1944年にかけて、アメリカにいるソ連のスパイとソ連本国との暗号電文をアメリア陸軍が密かに傍受し、1943年から1980年までの長期にわたって、アメリカ国家安全保障局がイギリス情報部と連携して解読した「ヴェノナ作戦」に関する文書のことである。
    そして、このヴェノナ文書を、1995年7月11日、アメリカ政府の国家安全保障局とFBI、そしてCIAが情報公開法に基づいて一斉に公開したのである。
    このヴェノナ文書の情報公開によって、ルーズヴェルト大統領の側近であったアルジャー・ヒスらがソ連のスパイであることが立証され、マッカーシー上院議員の告発がある程度正しかったこととが明らかになりつつるのです。
    ということは、日本人も一般的なアメリカ人が信じ込まされた東京裁判史観を根本から見直さなければならないという歴史的転換期がまさしく到来しているということです。
    しかしながら、残念なことに、いまだに社会主義勢力に洗脳されたままの政界・マスゴミ・学会などは、見直し作業を拒み続けているのです。
    この本でも指摘されているように、共産勢力のプロパガンダは巧妙であります。
    幸いなことに、インターネット空間において、真の保守、草の根保守が少なからず情報発信し始めています。
    近代西欧社会が推し進めたユダヤ・キリスト教を基礎とする近代合理主義、そして、植民地主義というような負の部分はしっかりと反省はさせながら、日清・日露と西欧近代主義と毅然と戦った日本が、間違った東京裁判史観を払しょくしながら、真の保守国家と進んでいってほしいものであります。

  • 本書で克明に描かれているソ連のスパイ、社会主義者による影響力工作の有り様は『部屋に飾られている星条旗をめくると、その裏には”red Flag”(ソ連国旗)が貼られていた』という光景が目に浮かぶようでした
     
    ■あらすじ
    様々なコラムや講演会などで精力的に活動され、最近では憲政史家の倉山満先生が主催する話題のネットチャンネル「チャンネルくらら」にもレギュラー出演されている、現在の保守系言論界を牽引する評論家、江崎道朗先生による待望の新著。
     
    第二次世界大戦前後の時期に米国内のソ連のスパイたちがソ連本国とやり取りした秘密通信を米陸軍情報部が秘密裡に傍受し解読した記録文書「ヴェノナ文書」。
     
    その「ヴェノナ文書」が1995年、アメリカ国家安全保障局(NSA)により公開されたことによって、まことしやかに囁かれていた“疑惑”が“事実”であったことが次々と明らかになり、アメリカ国内では、共和党支持層に代表される“草の根保守”を中心に、「第二次世界大戦の責任はルーズヴェルト民主党政権とその背後で日米戦争を仕掛けようとしていた共産主義組織(コミンテルン)にあるのではないか」という問題意識が浮上しており、その中には「日本の軍国主義者が世界征服を目論み、大東亜戦争を引き起こした」とする東京裁判史観の見直しも含まれているそうです。
     
    ですが、果たして、そういった“アメリカ国内の潮流”は、日本のメディアで報じられているでしょうか。
    そういった日本のメディアが報じようとしない「アメリカの実情」を明らかにすることで、いまなお続く「共産主義との戦い」に「日本はどう立ち向かうべきか」を問いかける一冊となっています。
     
    ■“赤”に侵蝕される星条旗
    本書によって明らかにされている事実は、時のフランクリン・ルーズヴェルト民主党政権のみならず、アメリカ国内のマスコミ、アカデミズム、労働組合、キリスト教団体、ありとあらゆる団体に共産主義組織“コミンテルン”が浸透し、“影響力”を行使することで、当時のアメリカ国内世論にすら反し、アメリカを「対日圧迫外交」に舵を切らせていたということです。
     
    何故か。
    それは「日本がソ連に対して軍事的圧力を加えることができないようにするため」であり、「コミンテルンに浸食されたルーズヴェルト政権中枢が“アメリカの国益”よりも“ソ連の国益”を優先させたからに他ならない」からであるというのです。
     
    当時のルーズヴェルト政権の中枢を担っていた「ニューディーラー」達は、一体どの国に忠誠を誓っていたというのでしょうか?
     
    本書によって克明に描かれている「影響力工作」の有り様は、『ニューディーラーの部屋に飾られている星条旗をめくると、その裏には”red Flag”(ソ連国旗)が貼られていた。』というような光景が目に浮かぶようでした。
     
    ■果てなき共産主義との闘い
    それにしてもソ連が滅んだ今もなお、アメリカの保守が「ルーズヴェルトの戦争責任」を追及するのはなぜなのでしょうか。
    それは、共産党とそのシンパの生き残りは、いまなおアメリカ国内で隠然たる影響力をもち、マスコミ、アカデミズムを牛耳っているからだと江崎先生は指摘します。
     
    コミンテルン・アメリカ共産党による内部穿孔工作はけっして過去の話などではない、世界中に張り巡らされた共産主義のネットワークがいまもなお、暗躍しているのだと。
     
    全世界が注目する米大統領選挙「ヒラリーVSトランプ」も「米国を三等国に転落させたいリベラル・社会主義勢力」対「アメリカを再び偉大な国にしようとする保守・自由主義勢力」との戦いという側面を持ち合わせているというのです。
     
    正直、大統領選挙の行方は知る由もありませんが、結果がどうであれ、日本が手を取り合い、連帯すべき「アメリカ」は“どちらであるか”というのは自明であるのではないでしょうか。
     
    ■「大東亜戦争は継続中だ」byサンバス将軍(インドネシア。復員軍人省元長官、東欧大使)
    最後に本書ではありませんが、江崎先生の前著「コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾」に掲載されていた、“エピソードのひとつ”をあえて紹介させて頂きたいと思います。
      
    ASEAN結成の”影の立役者“ともいえる、”熱血民間外交官“中島慎三郎先生に関するエピソードを綴った中に出てくる一節です。
     
    平成三年当時、時の内閣総理大臣であった海部俊樹総理がASEAN諸国を歴訪し、先の大戦について“謝罪”したことを受けて、中島慎三郎先生のところにサンバス将軍から“激怒”の電話があったそうです。
     
    では、サンバス将軍は何に激怒したのか。
    「日本の戦争目的は、植民地主義の打倒であった。その目的の大半は達成したが、植民地主義国はまだ残っているではないか。ソ連(ロシア)は最後の植民地主義国だ。中国もチベットやウイグルを併呑した植民地主義国だ。これから我々が取り組まねばならない植民地一掃の大事業は、中ソが相手となる。
    そんなときに行った海部演説は、植民地主義打倒の悲願を放棄したことになる。海部さんは日本の果たしてきた歴史を踏まえ、アジア・アフリカの悲願を代表して、まだ残っている植民地主義を攻撃すべきだった。
     
    大東亜戦争は継続中だ。
    たった一度の敗戦で大切な目的を忘れてしまったのは遺憾だ。」

    「要するに、戦争に負けたからと言って、その戦争で自ら掲げていた理想まで否定するのは”無責任”ではないかと、サンバス将軍は言っているのだよ。その無責任さが結局、現在の日本の東南アジア政策のお粗末さになって現れているのだ」

    と、中島先生は述べられたといいます。
     
    昨今の東アジアの安全保障環境を見るにつけ、四半世紀の時を経た今を以てしても真摯に受け止めなければならない言葉ではないでしょうか。
     
    東京裁判史観にこだわり続ける中国、ロシア、韓国、北朝鮮、アメリカのリベラル勢力と、それに対抗し、東京裁判史観に対して批判の目を向けるアメリカの保守派、そしてアジアの指導者たち。
    「連帯すべき相手を決して見誤らないようにしなければならないのではないか」と考えさせられました。 
     
    本書を読まれた方にはぜひ、
    「コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾」(江崎道朗著 2012年)
    「現代アメリカ保守主義運動小史」(リーエドワーズ著、 渡邉 稔翻訳 2008年)
    も読まれることをおススメしたいです。

  • これより後に出た本をたくさん読んでいるのでおさらい的な要素が強かった。IPR(太平洋問題調査会)が共産党シンパに乗っ取られていく過程や、共産党のメディアへの工作など。改めて、アメリカという国は一枚岩ではなく、ルーズヴェルト政権やヤルタ会談、東京裁判に否定的な保守側の人間もたくさんいることを頭に入れて国際情勢を見ていきたいと思う。

  • アメリカの強さに守られていると無邪気に思い込みながら、それなのに、アメリカの実情を顧みたりすることなんかなく、日本はいまを生きている。なんて人任せで無責任。アメリカが転ければ、日本なんて存在ごとままならなくなるというのに。

    アメリカと戦争し、負け、占領をされて、国というものを捻じ曲げられた。と思っている日本人が、アメリカを嫌いで、アメリカと手をつなぐ日本が嫌いでいる。それも一つの歴史だ。戦争に負けたことで、日本がいまのような形になってしまったことも確かで、それは変えることができない。一方で、相手となるアメリカも、裏返しのように、戦争に至るところから、いままでを表してきたことがこの本の中で分かる。まるで相似形のように、日本とアメリカは過ごし、繋がってきたのだ。どちらが勝ったのかという視点ではなく、どちらもが負けたのだと捉えることで、何が現実として起きていたのかが見えてくる。大恐慌のときから、むしろそこに辿り着いたときまでを含めて、自由な経済主義が敗北し、社会主義という全体主義が世界を乗っ取り、それに乗じて、同じく共産主義が世界を染めていった。ここでひとつはっきりさせなければならないのは、共産主義が圧倒的だったのではなく、それに立ち向かう世界が圧倒的に幼かったということ。ごく僅かな共産主義者に対して、「同伴者FellowTravelers」「機会主義者Opportunists」「デュープスDupes」が取り込まれ利用されていったことで、世界は共産主義にいいように染められてしまった。いまの世界を壊してしまいたい彼らの望むがままに世界は負けていった。第二次世界大戦から続く現代世界史はそのほとんどが共産社会主義という全体主義の失敗というテストケースで埋め尽くされてしまった。

    その失敗の後片付けはいまも全然続いている。日本もアメリカも、自由や平和、開かれた社会を建前にしながら、実は全体主義に傾斜しているメディアや教育、その他至るところに染み付いている存在が、日本を嫌いだ、アメリカが嫌いだと騒ぎながら、わざわざ自分の生きている社会を惑わし、狂わし、可笑しくさせるような行動をして憚らない。彼らは本当に主義の上に声を上げているのかもしれないが、いまの自分がどうしていまのように生きていられるのか、自分の足元を確かめることができない、ただの「デュープス(まぬけ)」にしか見えない。

    間違ってしまった自分たちの姿に、アメリカはようやく目を向け、自分たちを変えていくことを始めている。それが、トランプの登場につながり、その後いままで、闘いがはげしく続いている。アメリカは日本よりもはるかにひどい状況だ。愚かな圧倒的な存在が遥かに幅を効かせている社会となっているけれど、でもその一つ一つに確固たる存在と理由を基にして闘い、打ち負かしているのがいまのアメリカの政治だ。アメリカは、やるときにはやるのだ。自分たちの間違いを認め、それを変えようと、自分たちを振り向けることができる。そのことが、いまの日本にはとてもできることではない。


    既製のバカでしかないメディアというフィルターを通して、アメリカを捉えていては、可笑しな世界を見るだけで、何も現実に繋がってはいかない。アメリカは戦っている。いまの日本はアメリカに寄っているし、寄らなければならない。日本がアメリカを必要としているように、アメリカも日本を必要としているのだから。世界を可笑しくしてきたとんでもないイデオロギーとそれが撒き散らしたものに、あらためて断固として拒否し、取り除き、自分たちの国が当たり前に好きだと言える、その普通さをほんとうの普通さにするために、アメリカと日本はそれだけで、同じところに立っているはずだから。

  • 第一級の書だ!
    コミンテルン・アメリカ共産党とルーズベルトにより、日本が太平洋戦争に追い込まれたことを無駄なくかつ、詳細に記述されている!

    江崎道朗氏の他の書籍も読みたくなった。

  • 『#アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』

    ほぼ日書評 Day302

    『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』他の江崎道朗氏による、トランプ政権前夜の時期の一冊。この時点でアメリカメディアの左偏向を言い切っていた。
    先の米大統領選におけるトランプ「敗北」の裏事情についての解釈を待ちたい。

    https://www.amazon.co.jp/gp/product/4396114818/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=nobu2kun-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4396114818&linkId=cfd4be621dc996a40ad37a93388afaac

  • コミンテルンの暗躍を許したルーズベルトと、その罪を追求する保守層の話。
    この本書かれたのトランプが大統領になる前だったんだ…。

  • 先の大戦と、ソ連との関わり。

    極めて尤もらしく、さもありなんと思うのだが、問題はアメリカでこういう研究が進んでいるにも関わらず、日本が全く取り上げないことだ。
    東京裁判史観はあくまで史観だし、ぶっちゃけ戦勝国にとっては都合がいいからに過ぎない筈なんだけど、ちょっ違う意見には歴史修正主義と批判、研究すら許さない。

    ただ、もうそのやり方自体が左巻き特有?のレッテル貼りと考えれば、何が起きているか自明とも言えるんだが。

    もっと広く議論されて然るべし。

  • 大東亜戦争がいわゆるインテリジェンス、諜報による影響が非常に大きいという内容の本。

  • コミンテルンに実力以上の影響力があったことは認めるが、本書に記述されるまでの力があったのだろうか、という疑問は常に残る。

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著者プロフィール

監修 江崎道朗(えざき・みちお)
評論家。1962年(昭和37年)東京都生まれ。
九州大学文学部哲学科卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフなどを経て2016年夏から本格的に評論活動を開始。主な研究テーマは近現代史、外交・安全保障、インテリジェンスなど。社団法人日本戦略研究フォーラム政策提言委員。産経新聞「正論」執筆メンバー。2020年フジサンケイグループ第20回正論新風賞受賞。同年、倉山満氏らとともに「一般社団法人 救国シンクタンク」を設立、理事に就任。
主な著書に『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』(祥伝社新書)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(第27回山本七平賞最終候補作、PHP新書)、『日本占領と「敗戦革命」の危機』(PHP新書)、『日本は誰と戦ったのか』(第1回アパ日本再興大賞受賞作、ワニブックス)など多数。

ツイッター @ezakimichio

「2022年 『インテリジェンスで読む日中戦争 - The Second Sino-Japanese War from the Perspective of Intelligence -』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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