世界が認めた「普通でない国」日本(祥伝社新書) (祥伝社新書 492)

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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396114923

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  • アメリカの大手新聞社「ニューヨーク・タイムズ」の東京支局長を2005年から6年間に渡って務めたマーティン・ファクラー氏。2011年の東日本大震災と原発事故を経て「権力者の代弁」をたれ流す日本のマスコミを問題視し、『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』という著書を発表したが、それでも日本人の素晴らしさに魅かれ、これからの日本の繁栄を強く望んでいる。終戦から70年以上経ったにも関わらず、「普通でない国」として発展を続けた日本がこれまで世界で行ってきた数々の善行を振り返り、素晴らしい文化を持ち世界から評価される日本の強さに期待する。これからの世界における日本の役割を説いた、日本人への啓蒙書。

  • ●韓国最大の製鉄会社であるポスコは、朴大統領時代に日本の経済援助によって作られた会社である。当時の八幡製鉄と富士製鉄、それに日本鋼管の3社から技術提供を受け、日本の製鉄会社をモデルにできた会社と言っても良い。北京空港や北京の地下鉄は日本のODAで作られている。
    ●日本軍は慰安婦の問題についても、証拠はないと主張しているが、その理屈はなかなか世界では通じない。日本軍はGHQがやってくるまでの間に、組織的に資料を燃やしてしまっていることが広く知られているからだ。
    ●もはや共産主義のない今の時代に、中国の共産党がどうやって自分たちの支配を正当化するかと言うと日本の帝国主義と戦って中国の独立を勝ち取ったと、自国の国民に伝え続けているのだ。
    ●日本は自らの過ちを認めて、すでに謝罪しているんだから、韓国から謝れと要求されるたびに毎回謝る必要はないが、少なくとも悪いことをした事実を否定しないほうがいい。そして挑発をしてきても、喧嘩を買わない方が賢い対応である。
    ●ハーフの日本人を大事にせよ。宮本の場合、違う民族の血が入っているが、日本で生まれ育った生粋の日本人である。だから宮本がミス・ユニバースに選ばれたことをきっかけに、日本人の定義を考え直す必要がある。人種や民族だけでなく、生き方や文化、言語など見えないことを含めて定義し直すべきだ。

  • 政治家の劣化とか、国民に主体性が乏しいとか、そういうところはまあそうなんだろうと思うが、別に今更言われなくてもその通りくらい。
    何だ、朝日新聞系か。
    先の戦争をまず悪である、日本は軍国主義で、北朝鮮のような全体主義であった。南京大逆虐殺も従軍慰安婦も某国の言うとおりのことが実際に起こったのであり、占領後にゲリラ戦が起きなかったのは日本国民がこの戦争が悪だと思っていたからだ。

    いやー。
    アジアの国々に信用されないって言ったり信用されてると言ったり、アジアって某国以外のどこだよと思わせる。

    普通の国というのは軍を持つということを指すらしいが、普通でなくていいというのが日本の文化だったりして、何で軍を持ったら文化迄変わるのか全く判らない。

    変な本。

  • 天皇陛下の重要性についてはかなり書いてあるのに、昭和天皇を戦犯にしなかったのが間違いだという論点だが、戦犯にしてたらパクスアメリカーナはありえないと思う。
    そもそもパクスアメリカーナ自体が?な感じがするけれど。
    陛下が道徳的リーダーってのは納得する。
    汚れ仕事は政治家がやります的な意味で陛下には理想でいてもらいたい。

    ODAは技術供与とインフラ整備。
    これもわりとこのまんま続けられるならいいんじゃないかな。

    マスコミに関しては報道しない自由を行使しすぎているとか最近言われてるからどうなることやら。

    ブルーカラーのプライド。
    ってかそもそも職人さんはプロだし特殊技術がある人は敬意払われるし、アメリカだとそんなに地位が低いのかと思ってしまう。

    憲法9条に関しては変えなくていいなら変えたくはない。
    日本人だって戦争したいわけじゃなくて、喧嘩をふっかけてくる隣人から身を守らなくてはいけないから困っているんだよ。
    核ミサイルの標的だとはっきり言われてるのに国民守れないとか他国ならクーデター起こされてるわ。
    隣にあれらの国がなければ憲法改正論議すら起きてないと思う。

    などなど考えさせられる話が多くて面白かった。

  • 天皇は日本の良心。
     政治的なリーダーではなく、道徳的なリーダー。

    インフラとノウハウのODA。

    ブルーカラーの仕事へのプライド。

    デザインと食べ物。
     エンプティネスデザイン=ユーザーの自由度が高い
     B級グルメの質

    シリコンバレー的よりも、長期的で地味な想像力を活かせ。
    新たなアントレプレナーを生み出すには、
    失敗を許す文化と野心が必要。

    1945年以来唯一、一度も戦争をしていない大国。
    そこにチャンスがある。
    今から「普通の国」を目指してもアメリカ、ロシア、中国にはかなわない。ある意味、時代遅れ。
    脱「普通の国」のオンリーワンを選択した方が良い。
    ただし、それを決めるのは政府ではなく、国民。

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著者プロフィール

ジャーナリスト。1966年アメリカ・アイオワ州生まれ。大学生のときに台湾の東海大学に留学。慶應大学をへて、東京大学で経済学修士取得。イリノイ大学でジャーナリズムの修士号を、カリフォルニア大学バークレー校で歴史学の修士号(現代東アジア史専攻)を取得した後、96年よりブルームバーグ、ウォール・ストリート・ジャーナルなどで記者として活躍。2009~15年からニューヨークタイムズ東京支局長。著書に『同調圧力』(角川新書、共著)、『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』(双葉社)など多数。

「2021年 『日本人の愛国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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