- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396115456
作品紹介・あらすじ
日本史のカタチ
感想・レビュー・書評
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対談を通して日本史学者の名前が沢山出てくるのでその学者がどんな事を言っているのかが分かるのが良かった。
正直なところ、よくわからない点もあったが、官職一覧や家格表など補足してくれているのはありがたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私は日本史で受験したし、好きだから日本史に関する本をけっこう読んできました。
でも、いまいちわかっていないなぁ…とずっと思っていたんです。
それは私の頭が良くないせいもあるけど、
インテリの皆さんの考えが統一していない
歴史にはまだ決定していない曖昧なことがたくさんある
ということがよくわかりました。
たとえば
〈歴史学の学会にいる人たちから「自分はこう思っているけど論文ではそう書けない」という不満も聞かされます。
中国の古代史を、東大では十世紀まで、京大では三世紀までととらえてきました。
「どちらの系統の大学に就職するかわからない以上、若いうちは隋や唐の時代が官僚制、言外に言えば古代か、それとも貴族制、言葉を換えれば中世かといったテーマには触れない方がいい」と先輩に言われた人もいたそうです。せつないなあ。〉
を見ると、歴史は数学みたいには答えがはっきりしていないといえますよね。
また、歴史はどんどん変わっていて、〈いわゆる「鎖国はなかった」。教科書から鎖国という言葉が消えるという動きがある〉なんて、つまりブレがあるから、私のような低偏差値のものは「振り回され」「でも頭が悪い自分が悪いのだ」ということに落ち着いてしまうのではないか。それは違うよ、自分。
この本は関西の井上章一さん(私は彼の『京都ぎらい』読みました)と、東大なんだけど、どうも常識からはずれることがある本郷和人さんの対談。
歴史を別の角度から見ていてとても面白いです。 -
神話と伝統、日本国意識など論題はいくつかありますが、天皇家と武士を中心に扱っているイメージです。東京出身と京都出身の教授が論じ合う。
明治維新の成功は商人たちによる力添えがあったからこそだったと言う論や、豊臣秀吉や徳川家康を対比して家康は秀吉時代より大きな大阪城を建てたけど、大きいだけで派手さがないと評する。
武力を持たない天皇家が常に生き残る術を探してきたという話は面白かったです。 -
読まずに見て、気になったところだけを読みました。全部読むには自分の歴史観が追いついていないので。
面白いと思ったのは、テレビドラマで武士が方言を喋らせるのはいかがか?というところ。方言を使うのは大概が荒くれものの武士で、その方言を使うことはその地方は荒くれものがいるというイメージにならないか、という視点は自分にはなかった。住んでいる場所が違うのだなと説明なしに理解できるから方言を使うのは手法としてありだと思ってたけど、たしかにその方言にマイナスイメージを植えつけてしまうか。 -
面白かった。日本史も知らないが、世界史も面白そうだ。
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世界史よりは面白かった。
京大vs東大という「体制論」がフックになるんですかね。
さて、「現代史のミカタ」は登場するかな? -
伊勢神宮 応仁の乱以後、荘園、天皇家からの補助がなくなる。神官は収入が途絶えた。民衆の巡礼によってお金を稼ごうとした。神官は全国をまわって、伊勢神宮が尊いこと、天皇家とのゆかりや神話を説いて回った。説いて回った御師に鈴木姓が多かった
東京の神田明神や築土神社の祭神は将門
p89
摂関家 近衛、九条、鷹司、二条、一条
清華家 久我、三条、西園寺、徳大寺、花山院、大炊御門、今出川、広幡、醍醐
大臣家 中院、正親町三条(嵯峨)、三条西
羽林家 橋本、阿野、花園、山本、小倉、高松、藪(高倉)、中園、中山、難波、園、高野、石山、石野、六角、四条、鷲尾、山科、八条、藤谷、入江、七条、桜井、山井、樋口、六条、久世、岩倉、東久世、植松、大原など
名家 日野、広橋、烏丸、裏松、外山、芝山、池尻、岡崎、穂波、堤、平松、長谷
半家 高倉、竹内、白川、石井、五条、桑原、舟橋、澤、倉橋、藤浪、吉田、萩原、錦織、藤井など
1100年以上続いている京都の祇園祭は怨霊を鎮める祭りで、山鉾と呼ばれる山車は悪霊を呼び寄せる依り代なのです
戊辰戦争の官軍の資金は大阪の商人に上納させた。その資金集めを引き受けたのは三井
三井が幕府を見限ったからこそあの変革は成就された
明治維新がなると明治政府は三井組小野組なおdに銀行を作るように要請した。
三井小野銀行後の第一国立銀行
三菱は西南戦争で物資の運搬を手掛けて設けた
羊羹で知られる京都の老舗虎屋も明治天皇の東京行幸のとき東京に移っている
高杉晋作の騎兵隊も、下関の豪商 白石正一郎がスポンサー
2004年尾張藩の御付家老成瀬氏が犬山城を手放した
日本では旧領主の城が市民の共有財産となり、イギリスでは貴族らの個人所有がすくなからず残っている
p69 官位相当制 の表あり -
斜め読みなのだが、バカみたいなやり取りもあり、抱腹絶倒とまではいかないが面白かった。宮廷の女官の「竹内まりや説」なんて、井上センセーと言うか関西(あえて京都とは言わない)の学者らしい発想。
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絶対に教科書には載らない(載せられない),本来の史実の原因とその因果関係を妄想的想像で読み解く井上章一先生は相変わらず飛ばしている.いつの時代も男の本質というモノは変わらないと笑うには,ちょっと毒がきつい.