世界史のミカタ (祥伝社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396115883

作品紹介・あらすじ

まったく新しいミカタで、世界史を斬る
これまでにない世界史――。その突破口は、中央アジアに蟠踞した遊牧民への視座である。いわく「西のローマ帝国、東の漢帝国を崩壊させる決定的な原動力になったのは、遊牧民たちの動き」であり、「中世には、どちらでも擬似古代国家が再建された」。この見方は、教科書はもちろん、大きな地域史とも言える東洋史、西洋史にはできない。以下、古代から現代までを通観。立ち現われたのは、まったく新しい「世界史のミカタ」である。これこそ、複雑な現代世界を読み解く武器となる。碩学で知られる、両著者自身が知的興奮を味わった、白熱対談へようこそ!


第1章 神話の共通性
第2章 世界史を変えた遊牧民
第3章 宗教誕生と、イスラム世界の増殖
第4章 中華帝国の本質
第5章 ヨーロッパの二段階拡大
第6章 明治維新とフランス革命の類似性
第7章 システムとしての帝国主義
第8章 第一次世界大戦のインパクト
第9章 今も残るファシズムの亡霊
第10章 社会主義は敗北したか
第11章 国民国家の次に来るもの

感想・レビュー・書評

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  • この本読んでると、何かにたどり着いた気がした。すごいなぁ、これ。世界史好きな人は読まないと損するレベルだぞ…。スゴイ…。(;´Д`A

  • 世界史の「ミカタ」という表現がタイトルだけじゃなくて「ここが肝!」的なところに頻出するのだが、某関西の情報番組を連想してしまい、どうにも気になった。
    定住する統治文化を持たないユーラシア中央の遊牧民の活動が東西の歴史に大きく影響したのはその通りだろう。ただアメリカ大陸やアフリカの話はほとんど出てこないし、語りはじめもアレクサンダー大王からで、かなりざっくりした内用になっています。

  •  西洋を舞台にする小説を著する佐藤賢一と、国際日本文化研究センター教授の井上章一による対談方式の本。
     まだまだ個人的には世界史的視点は、乏しいところであるが、二人の軽妙な語り口に、面白味と首肯けるところが多々あった。
     話は神話から現代までと守備範囲は広く、特に第二章の、遊牧民という世界史に与えた影響、インパクトについては、今日の研究で少しずつ浮き出されつつあるも、一般的にはまだまだ西洋史と東洋史が主流なため、そういった異なった俯瞰はとても興味深かった。
     果たして現代について、過去から学んでどのようにそれを活かせられるのか。結局は過去を学ぶことでしかそこに解決策を見出せないのか。それは一朝一夕には難しい。

  • シリーズの「歴史のミカタ」に続いて読んでみました。世界史のミカタと言ってもユーラシア史で、両端の日本、ヨーロッパと、真ん中の遊牧民族の対比を軸に思索を進めます。
    その施策の幅が読んでいて楽しいのですが、最初に軸を決めてなかったらもっと幅が広がったのではないかとも思うのです(発散しすぎて何もまとまらない可能性もありますけど)

  • ●なぜ世界の神話は似ているのか。古事記の中にある話と、ギリシア神話にある話。アダムとイブの物語とイザナギとイザナミの話、など。
    ●ギリシア人とマケドニア人は同じ民族。当時何を持ってギリシア人としたかと言えば、1つはオリンポスの神殿を拝むこと、もう一つはオリンピックに出ること。ですからギリシア人になりたいとマケドニア人は必死でオリンピックに参加しようとしました。これがまた嘲笑のタネになる。

  • 教科書レベルの話がわかっていれば、ちょっと難しいけど面白く読める。中央アジアに着眼したミカタは新鮮で(もとは梅棹忠夫氏『文明の生態史観』)、歴史が残っていないだけでアレクサンドロス大王を始め、中央アジアには巨大な何かがあったのだろう。産業革命によって、古代文明の覇者は近代技術の覇者に敗れたということ。■歴史については対談者2人は「そうそう!」と調子良く話を進めていくけど、現在・これからについてになると意見が相違していてあまり嚙み合わない。「歴史から学ぶ」って難しいことなんだなぁ。

  • 話が飛躍するなど放談具合に面白さがある対談。世界史と言いつつ、中国史と西洋史(または近代史)がメインになるが、範囲が広い分トピックも恣意的で、新書一冊では物足りない気分。なので続編は手に取るだろうし、すなわち出版社にとっては美味しい企画なのかもしれない。

  • 期待したほどには面白くなかった…

  • 歴史は考え方だ。事実(らしいもの)をただ並べているものは歴史ではない。おもしろかった。

  • 世界史の知識に一本背骨を通してくれる一冊。入門2~3冊目くらいに丁度いいのではないか。知識や流れをつかむことよりも、歴史への「ミカタ(見方)」を広げて、世界史が自分の「ミカタ(味方)」になってくれることを重視している。
    「神話」「遊牧民」「宗教」「革命」など世界史を見ていく上で、様々な知識をつなぎあわせる視点がコンパクトにわかる。

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著者プロフィール

建築史家、風俗史研究者。国際日本文化研究センター所長。1955年、京都市生まれ。京都大学工学部建築学科卒業、同大学院修士課程修了。『つくられた桂離宮神話』でサントリー学芸賞、『南蛮幻想』で芸術選奨文部大臣賞、『京都ぎらい』で新書大賞2016を受賞。著書に『霊柩車の誕生』『美人論』『日本人とキリスト教』『阪神タイガースの正体』『パンツが見える。』『日本の醜さについて』『大阪的』『プロレスまみれ』『ふんどしニッポン』など多数。

「2023年 『海の向こうでニッポンは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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