幸福感に関する生物学的随想 (祥伝社新書)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396116002

作品紹介・あらすじ

ノーベル賞受賞者が、幸福を感じる仕組みから、がん免疫療法までを語る
2018年10月、「免疫抑制の阻害によるがん治療法の発見」により、ノーベル生理学・医学賞を受賞した、本庶佑京都大学高等研究院副院長・特別教授。がん治療を画期的に変えた発見とはどのようなものか。半生を綴った「ひょうたんから駒を生んだ、私の幸せな人生」、発見過程と内容を記した「獲得免疫の思いがけない幸運」、皇居で行われた講書始の儀におけるご進講「免疫の力でがんを治せる時代」から、わかりやすく説明する。表題作「幸福感に関する生物学的随想」は、人間が幸福を感じる生物学的仕組みを科学的に迫ったものだ。科学のおもしろさ、研究の魅力を伝える本書の読者から、未来のノーベル賞受賞者が誕生するかもしれない。

(本書の構成)
●幸福感に関する生物学的随想
……国際高等研究所報告書『比較幸福学』より
●ひょうたんから駒を生んだ、私の幸せな人生
……2018年ノーベル生理学・医学賞受賞記念講演「Biography」 ※竹内 薫・訳
●獲得免疫の思いがけない幸運
……同講演「Serendipities of Acquired Immunity」※竹内 薫・訳
●免疫の力でがんを治せる時代
……講書始の儀におけるご進講(2019年1月11日)
●Biography
……2018年ノーベル生理学・医学賞受賞記念講演・英文
●Serendipities of Acquired Immunity
……同・英文

(著者について)
本庶 佑
京都大学高等研究院副院長・特別教授、医学博士。1942年、京都市生まれ。京都大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。カーネギー研究所招聘研究員、アメリカ国立衛生研究所客員研究員、東京大学医学部助手、大阪大学医学部教授、京都大学医学部教授、同医学部長などを経て現職。専門は分子免疫学。恩賜賞・日本学士院賞、ロベルト・コッホ賞、文化勲章、京都賞など受賞・受章多数。2018年、ノーベル生理学・医学賞を受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 2018年のノーベル生理学・医学賞受賞者、本庶佑(ほんじょ・たすく)京大特別教授の論考集。

    ノーベル財団に提出された2つの文章――半生を綴った「ひょうたんから駒を生んだ、私の幸せな人生」と、受賞理由となった発見の過程と内容を記した「獲得免疫の思いがけない幸運」――が中心となっている。
    前者は、ノーベル賞授賞式で受賞者が行う記念講演の原稿だ。

    2編とも元は英文で書かれており、サイエンス作家・竹内薫(理学博士でもある)によって翻訳されている。元の英文も本書に全文掲載。

    ほかに、皇居で行われた「講書始の儀」における著者の「ご進講」(天皇などに行う講義)「免疫の力でがんを治せる時代」と、表題作「幸福感に関する生物学的随想」を収録。

    私は、表題作が読みたくて手を伸ばした。
    これは、本庶博士が国際高等研究所の「比較幸福学」研究班に所属していたころに書かれたもの。同研究所の報告書『比較幸福学』(中川久定編・1999年)に収録された文章の再録である。

    「比較幸福学」でググると大川隆法の著作がいくつもヒットしてしまうが、それはさておき、私は〝まっとうな科学としての比較幸福学〟には大いに興味がある。

    元の報告書はすでに入手困難であるようだし、本庶博士の論考だけでも復刊されることには意義があるだろう。

    タイトルに「随想」とあるように、学術論文というほどカチッとしたものではなく、論文寄りのエッセイという趣。
    ただ、生物学的見地から人間の幸福感のメカニズムを考えた内容は示唆に富み、これだけのために本書を買う価値がある。

    なお、著者の研究について解説した文章も一応読んでみたが、ド素人の私には半分も理解できなかった。

  • まず、著者がノーベル賞の賞金(約1億円)を使った基金で「本庶佑有志基金」を創設したとありましたが、私財を投じて後輩の育成に尽力する姿には頭が下がります。本来国がバックアップすべきものが、こうした民間人の善意だけに支えられている現状はやはり問題です。一方、「中国千人計画」の研究費につられて研究成果を切り売りする学術者たちも日々の生活のためであるなら一方的な批判は出来ません。そもそも何も生み出さない日本の多すぎる議員たちに年間一人2億円使うのなら、将来の殖産産業の種(基礎研究)への投資の方がよほど生産的です。また、山中教授による画期的なiPS細胞の発見は国がもっと積極的にかかわることで日本を支える基幹産業となりえたのに、個人的業績の範疇を越えなかった点は改善の余地ありだと思います。こうした日本人による世界的発見の場合、資源のない日本であるがゆえに、まずは発見者とともに国民全体が恩恵を受けられる仕組みを構築する必要性があるのでは。そうした仕組みは、発見者への今以上の尊敬と感謝の念が日本人に醸成されると思うし、またされるべきでしょう。
    さて、本書の「幸福感」の正体ですが、「不快感のない安らかな状態で、時折の軽い不快感によりその有難味をかみしめ、時折の快感刺激によって人生の楽しみを実感できる」のが「最高の幸福」ではないかと述べられています。(P46)
    また、彼が受賞した研究内容は「免疫の力でがんを治せる時代」という短いご進講で簡潔に書かれていますのでご一読を。

    ーーー2018年10月、「免疫抑制の阻害によるがん治療法の発見」により、ノーベル生理学・医学賞を受賞した、本庶佑京都大学高等研究院副院長・特別教授。がん治療を画期的に変えた発見とはどのようなものか。半生を綴った「ひょうたんから駒を生んだ、私の幸せな人生」、発見過程と内容を記した「獲得免疫の思いがけない幸運」、皇居で行われた講書始の儀におけるご進講「免疫の力でがんを治せる時代」から、わかりやすく説明する。表題作「幸福感に関する生物学的随想」は、人間が幸福を感じる生物学的仕組みを科学的に迫ったものだ。科学のおもしろさ、研究の魅力を伝える本書の読者から、未来のノーベル賞受賞者が誕生するかもしれない。

    (本書の構成)
    ●幸福感に関する生物学的随想
    ……国際高等研究所報告書『比較幸福学』より
    ●ひょうたんから駒を生んだ、私の幸せな人生
    ……2018年ノーベル生理学・医学賞受賞記念講演「Biography」 ※竹内 薫・訳
    ●獲得免疫の思いがけない幸運
    ……同講演「Serendipities of Acquired Immunity」※竹内 薫・訳
    ●免疫の力でがんを治せる時代
    ……講書始の儀におけるご進講(2019年1月11日)
    ●Biography
    ……2018年ノーベル生理学・医学賞受賞記念講演・英文
    ●Serendipities of Acquired Immunity
    ……同・英文

    (著者について)
    本庶 佑
    京都大学高等研究院副院長・特別教授、医学博士。1942年、京都市生まれ。京都大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。カーネギー研究所招聘研究員、アメリカ国立衛生研究所客員研究員、東京大学医学部助手、大阪大学医学部教授、京都大学医学部教授、同医学部長などを経て現職。専門は分子免疫学。恩賜賞・日本学士院賞、ロベルト・コッホ賞、文化勲章、京都賞など受賞・受章多数。2018年、ノーベル生理学・医学賞を受賞。

  • 本庶佑氏によるノーベル賞の時に使用した英語の論文と、竹内薫氏による日本語の訳があったので、先に英語論文を読んで、次に日本語訳を読んだ。自伝は大体わかったが、研究成果はよくわからない単語もあったので、誤読してしまったところもあった。でも、およそ理解できたと思う。皆さんも先に英語で読むことをオススメする。

    幸福とは、快感なのか、それとも、不快の不在なのかというところが、研究対象の免疫系によるアクセルとブレーキに結びついているところがよかった。快感はさらに多く欲求し、しかも馴れてしまう。不快の不在は、馴れない。だから、後者の方がより幸福と言えよう。これはいいことを知ったと思った。不快の不在、なかなかのものである。

  • 少し難しいけれどタイトルの「幸福感に...」は興味深かった。脳はまだわからないことがたくさん。

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著者プロフィール

本庶佑(ほんじょ たすく)
1942年、京都市生まれの医師、医学者。専攻は分子免疫学で、日本を代表する分子生物学者。2018年、ノーベル医学生理学賞を「免疫制御の分子の発見とがん治療への応用」によってジェームズ・P・アリソンと連名で受賞。
京都大学名誉教授・高等研究院特別教授、公益財団法人先端医療振興財団理事長、ふじのくに地域医療支援センター理事長、静岡県公立大学法人顧問、日本学士院会員、文化功労者。
免疫細胞の働きを抑えるブレーキの役割をもつ分子、「PD-1」を発見しその仕組みを解明。PD-1にブレーキをきかせ、免疫細胞にがんを攻撃させる治療薬を共同研究で生む。ロベルト・コホ賞、日本学士院賞、恩賜賞など国内外で数多くの賞を受賞。2013年文化勲章を受章。

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