ナイフが町に降ってくる (ノン・ノベル 643)

著者 :
  • 祥伝社
3.08
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本棚登録 : 97
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396206437

感想・レビュー・書評

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  • なじ■

    『瞬間移動死体』の後に読んだもので
    また協力者の女が犯人かい!という気になってしまったんですが、
    次から次へとナイフに刺された人間を発見していくさまは
    どういうことなんだと先が気になって止まらなかったです。
    登場人物がたった二人しかいないにもかかわらず、
    真奈と末さんのキャラ造形が良くて退屈しませんでした。
    挿絵の末さんもかっこよかった!

    あと作中では一度もそんな表現は出てきませんでしたが
    「ナイフが町に降ってくる」というタイトルは
    この不可思議な状況を実に見事に表していて凄いなあと思いました。

  • 読了、60点。

    **
    真奈はある瞬間から完全に時が止まった空間にいることに気付いた。人はもちろん車や水滴までその状態のまま一切動きを止めていた。
    しばらく周囲を観察した真奈はその中で唯一動くことの出来る末統一郎に出会う。
    彼はこの時間停止は自分が引き起こしたもので時間を戻すには自分が直面した謎を解決する必要があると言う。
    **

    西澤保彦初期のSF設定系本格推理小説です。
    設定で非常にユニークなのは、統一郎が抱いた疑問を彼自身が納得することである、という点。
    安易にこの言葉を使うのもあれですが非常に後期クイーン問題的であると。

    作品は時間の停止した中を、謎を解決する為にひたすら真奈と統一郎が手掛かりを探し推理する、と想像してしまいますが、これが一味違って、
    中盤真奈がとある事情から完全に暴走してしまう読者の想像の斜め上を行く展開が非常に楽しい小説。
    ただしミステリ的には非常にがっかりな内容。終盤直前のロジックの展開はなかなか上手いところではありますが、真相が完全にがっかりなものでした。

  • 不思議な設定のミステリ。
    頭をよぎった予測に、まさかなぁと読み進めてみたら…。
    ヒロインにくそくてかわいい。ちょっとほのぼのしました。

  • 主人公がナイフを抜いた時点で、犯人はともかく犯行方法は気づいても良かったんじゃないのか。せめて二人目のナイフを抜いた時には気付かないと、逆に不自然でした。まぁ思い込んじゃったらしょうがないという見方もできますが。

  • 小説を読んで読者がまず考える展開を探偵役が見逃し、そしてそれが正解というミステリー

    こんな簡単な推理ではないだろうと最後まで展開を期待していただけに残念

    途中に劇的な展開があるわけでもなく退屈

  • 主人公の女子高生・真奈の周りで時間は動くことをやめた。目の前にはナイフを腹に刺した男と、それを見ながら考え込んでいる青年・末統一郎だけ。
    彼は何かに疑問を抱くたびに、誰か一人を巻き添えに食って時間を止めてしまうというおかしな癖を持っていた。謎を解かなければ、永遠に時間はとまったまま・・・・・。
    二人は静止した世界で、男が何故腹にナイフを刺していたのかを探り始めるが・・・・・。
    出歩く先で見つけるのは男と同じく、ナイフを腹に刺した人・人・人!町にはナイフの雨が降ったのか?はたまた二人以外の第三者がこの静止した世界で活動している?仮説に次ぐ仮説。そして二人が辿り着く真相とは。

    疑問を感じると時間を止めてしまう癖のある青年。静止した世界とミステリ。「チョーモンインシリーズ」にも繋がる、超能力的世界観は西澤さんの持ち味の一つですね。次々に遭遇する不可解な事件と、奇想天外な仮説。これも好きです、が・・・・、ごめんなさい。主人公の性格だけはどうしても受け入れられなかった・・・・。★が三つなのはそのせいです。

  •  女子高生が、自らの意思に寄らず自分以外の時間を止めてしまう特異体質の男と動く時間の中に閉じ込められた。停止した街にはなぜかナイフで刺されたての男女がゴロゴロ。この謎が解けないと二人はこのストップした世界から逃れられない・・・。 ホワイダニット&フーダニットをSF世界の中で楽しめます。 全く関係ないですが、この人の本って社会派だと思ってたのはなぜでしょう?

  • 今作は時間が止まっている中での殺人(?)事件。なんせ時間が止まっているのだから実況検分もしたい放題、のはずなのに解けない謎。それどころか次々に新たな謎が。うーん、読ませます。しかしまぁ、よくもこれだけの仮説が次から次へと立てられるもんだと感心。これも西澤作品の醍醐味ですね。

    最後に真奈が立てた仮説は何だか押しが足りないぁとは思ったものの、当の統一郎が納得しちゃったし…と若干、引っかかっていたのですが、やっぱり最後の最後でやってくれました。見事にスッキリです。

  • ちょっとネタバレになるので反転→<font color="white">血痕がナイフに付着していないという時点で止まっている状態で刺されたていうのはすぐわかったんだけど、第三者がまだ出てくると思ってた(汗)そっちのが突飛でルール違反だな、うん。というか傷害は立派に犯罪ですよー。軽い怪我程度でも、無抵抗な人を刺して回るってどうなんだ。</font>←話としては面白かったです。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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