わたしたちが少女と呼ばれていた頃 (碓氷優佳シリーズ)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 310
感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396210052

感想・レビュー・書評

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  • +++
    新学期、横浜にある女子高の特進クラスで上杉小春は碓氷優佳という美少女に出会う。おしゃべりな小春とクールな優佳はやがて親友に―。二学期の中間試験で、東海林奈美絵が成績を急上昇させた。どうやら、夏休み中にできた彼氏に理由があるらしい。だが校則では男女交際は停学処分だ。気をもむ小春をよそに平然とする優佳。奈美絵のひと夏の恋の結末を優佳は見切ったようで…(「夏休み」)。教室のどこかで、生まれ続ける秘密。少女と大人の間を揺れ動きながら成長していくきらめきに満ちた3年間を描く青春ミステリー。
    +++

    碓氷優佳の高校生時代の物語がいま読めるなんて、思ってもいなかった。そして高校生と言えどもやはり、優佳は優佳で、ちょっと鳥肌が立ってしまった。もちろん女子高生なので、女子高生らしい友だちづきあいもしているし、たわいのないおしゃべりもしているのだが、そんな日常生活の中でさえ、友人たちの誰も気づかないような些細な違和感を見つけてしまうのである。ラストの小春の慄きがとてもよくわかって、そんな風に産まれついてしまった優佳が可哀想になる。それはそれとして、ちょっぴり得したような一冊である。

    • あまぐもさん
      chiakirestart62さん
      コメントありがとうございます。

      作家自身が作品に投影されることは多いと思いはし、作品から作家さんのこ...
      chiakirestart62さん
      コメントありがとうございます。

      作家自身が作品に投影されることは多いと思いはし、作品から作家さんのことを想像することはありますけれど、それ以上のことを深く知りたいとはあまり思わないので、載せてくださったサイトの内容も、そういう見方もできるのですね、という程度の感想しか持ちませんでした。
      でも、石持作品が好きなことには変わりはありません。
      あまりお役にたてなくて申し訳ありません。m(_ _;)m
      2013/08/13
  • この本を読んだら人生をリセットしたくなった(^_^;

  • お嬢様学校として知られる女子校の特進理系クラス。そこでの3年間に起きた小さな事件を、語り手:上杉小春の親友:碓氷優佳が、冷静な観察力と推察力で看破していく。
    ラストでえぇっと思ったけれど、そこがまた面白いとも言えるのかな。
    読み終わった後で、カバー見返しの「著者のことば」を読み、また愕然。「扉は閉ざされたまま」は読んで面白かったと思ったはずなのに(7年前に読んでいた)、すっかり内容を忘れてしまっている。碓氷優佳の存在も含めて。そしてシリーズの他の2冊は読んでいない。

  • 【収録作品】赤信号/夏休み/彼女の朝/握られた手/夢に向かって/災い転じて/優佳と、わたしの未来

  • 石持浅海さんはやはりとても変わった感性の持ち主なんだなあと改めて思う。
    一見、さわやかな青春モノのように見せかけて、やはり最後は石持浅海テイスト。非常に特異なロジックを持った人物が当たり前のように出てくる。

    しかし、どの作品を読んでも、プラスチックの膜を触るような違和感を持ちつつも納得させられてしまう。あまつさえ共感すらしてしまうときもある。
    ラストの「優佳と、わたしの未来」で小春が見抜いた優佳の本質が、なぜそんなに非難されなくちゃいけないんだ?と一瞬思ってしまったのだ。
    私には優佳の行動はなんら問題があるとは思えない。たぶん私も優佳と同じような行動になってしまうんじゃないかと思うから。
    ということは、私もまた「言われなければ、自分が他人に何の関心も持っていないことにすら気づかない」「イノセントに残酷な人間」なのだろうか。
    そうかもしれない、と思ったら、背筋にぞくりとするものが走った。

  • 碓氷優佳の少女時代。
    日常の謎連作短編集。

    優佳はやっぱり優佳だよね。

    相変わらず渾名が恥ずかしい感じだった…!うすうす!

    長編の新作待ってます。

  • 碓氷優佳シリーズ。
    優佳も高校時代は冷静で客観的だけど普通の高校生じゃんと思ったのに!
    ラストでちょっと背筋が寒くなった。
    扉は閉ざされたままを再読したくなる

  • 石持浅海のシリーズとなっている探偵碓氷優佳ものの、碓氷優佳の少女時代の話。
    短編集は好まないのですが、これは彼女の高校入学から卒業までを連作で綴る物。だらだらと短編集を続けない潔い感じが気に入りました。
    友人の上杉小春の一人称で語られるのですが、これがいつもどおり優佳を客観から見る感じでかなり効果的。
    読直後の今、もう一度、「扉は閉ざされたまま」を読み返したくてたまらなくなっています。

  • シリーズとして読むと最後の展開に痺れます。
    勿論通常の日常の謎ミステリとしても面白いのは言うまでもなく。

  • 2013/05/18読了

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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