うめぼし博士の逆・日本史 昭和・大正・明治 (ノン・ポシェット ひ 1-5)
- 祥伝社 (1994年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396310585
感想・レビュー・書評
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本書の書かれた昭和50年代には、まだ江戸時代の記憶を持つ人、また維新に活躍した人に直接接した人が多くいた。著者の祖父は薩長軍の一員として鳥羽伏見の戦いに参加し…明治5年に尋常中学の教頭となった。校長が生徒の抗議運動に接し、なんと切腹したとき介錯で見事に首を切り落としたという。
自力救済が戦国時代の常識であった/それを秩序維持のため「長子優先」に変えた徳川秀忠の有能/警察官たる泰平の世の旗本は貧乏で、多くは←職人←商人の下の内職で生計を立てていた。
1902年日英同盟がアメリカと戦争になった遠因。ロシアを恐れ、欧米に対抗する道を模索した。
「とうてい勝てない」ロシアと開戦したのは「朝鮮半島が取られれば次は日本本土が狙われる」との防衛本能詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第二次世界大戦へ到った日本の状況を知りたくて、もう一度読み始めてみた。20年前に読んだ当時に歴史が非常に身近に感じられ新鮮だった記憶がある。国際化といった言葉が頻繁に語られた背景があってか、今ある日本人らしい特徴を食文化から、気候から、農業などから解説している。
知りたかった戦争への道は食料危機が引き金となっていたのと、政治力。こう考えると現実的に北朝鮮の動きが心配。さらに日本の現代の区切りを日英同盟を締結した1902年としている点が独創的。
幕末の戊辰の役で受けた会津藩の悲惨な戦いを読み、これからテレビ「八重の桜」でどう描かれていくのかが、楽しみになるなど、
本の内容も感想も総花的とになってしまう。
この本が書かれた当初から考えると、樋口氏はこれほどまで個を重視する欧米化へと移行し、老人が一人で暮らし、優れた木造建築が減少するとは創造出来なかったのだと思う。また保守的な時代がくるのか?? -
現代から古代へ遡ることで、「逆さ日本史」と銘打ってる本。と言っても厳密なものではなく、トピック毎に行ったり来たりするので、単純に歴史読み物として楽しめる。
1巻でもある本書では、「食べ物で歴史が動いた」「江戸時代に既にあった登校拒否」といったトピックが興味深い。
後半でタイトルに従った近代の日本戦争史を振り返る。日露戦争が境目だったと言う論調も面白い。