宮大工と歩く千年の古寺: ここだけは見ておきたい古建築の美と技 (祥伝社黄金文庫 ま 4-3)
- 祥伝社 (2007年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396314392
作品紹介・あらすじ
宮大工にとっては、多くの古建築を見て学ぶのも大切な仕事のひとつなのです。今まで歩いてきた社寺は数え切れないのですが、その中でも、ぜひ皆様に1度は見ていただきたい社寺を厳選して、紹介させていただきました(「まえがき」より)。
感想・レビュー・書評
-
大工、というなら「小工」があってもよさそうな、と長らく思っていたのだが、この本でその疑問が氷解した。
古代には<blockquote>設計家という職業はなくて、大工が設計の仕事をしていた。大工に指示されて実際の仕事をする人間が「小工」と呼ばれていた</blockquote>のだそうな。[more]
京都も奈良も結構歩き回ってきたのだが、この著者の視点で建築物を見たことはついぞなかった。
勿論、屋根の反りとか柱を美しいと鑑賞してはいたのだが、斗や肘木の凄さにまでは思いが及ばなかった。
便利な大工道具ができるに従って建物がどんどん悪くなっていったという指摘は、単なる懐古趣味ではない。便利になるほどに建築は金儲けの手段となっていき、「美」を追求する心が失せていったのだと著者は嘆く。
昨今の建て売り住宅では金具で角々をしっかり留める工法が主流なのだが、それは本質的には危ういのだよという指摘に賛同するべきか否か。
それにしても、「先達はあらま欲しきもの」ではある。宮大工とは言わぬ、建築に優れた眼識を持った知人が一緒にいれば、古代建築周遊はどれほど楽しいものであろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者の人の良さが、滲み出てる。
とてもわかりやすく。
全部行ってみたいと思える本
そこらのガイドブックより、いい情報。 -
新書文庫
-
イラストが分かりやすいので、著者の語り口にひかれてぐいぐい読めてしまいます。宮大工から軒の見方を教わった気分。これから行く先々が楽しみだなあ。
-
2010年11月6日購入。
2011年1月21日読了。 -
2008.3.17読了