昭和の教科書とこんなに違う 驚きの日本史講座 (祥伝社黄金文庫 か 16-1)
- 祥伝社 (2009年8月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396314927
感想・レビュー・書評
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「大正デモクラシーなんて、実はなかった」このフレーズが気になった人は読んでみるといいだろう。「歴史とはなにか」を考えるいいキッカケになるかもしれない。もはや「鎖国」は教科書から消えつつあるらしいが、「大正デモクラシー」も教科書から消える日はいつか来るのだろうか?
その他、聖徳太子・源頼朝・足利尊氏の肖像画問題や鎌倉幕府の成立年、日本最初の貨幣は和同開珎ではない等々はかなり定番になりつつネタではあるとは思うが、もしこの程度の事も知らない人がいるなら是非読んでみるといい。(検索すればいくらでも出てくるが・・・)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーん。微妙
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「富本銭」って何?、数年前の娘たちの受験期に初めて目に入ったのですが・・・、私が中高生のころ、日本最古の貨幣といえば疑いもなく「和同開珎」でした。
本書では、近年の日本史研究によって明らかにされた過去の教科書の記述を覆す数々の史実が紹介されています。
とはいえ、私が勝手に期待していた内容とはかなり隔たりがあったというのが正直な感想ですね。
たとえば、聖徳太子や足利尊氏を描いたとされる絵は実際は別人物だという話はよく聞きますが、それがどういう契機・経緯で判明したのか、それでは描かれた人物は本当は誰なのか、何故その絵が間違った解釈をされたのか・・・。そういった研究プロセスや成果を知りたかったのですが、そのあたりはほとんど説明されていません。
本書と同じような切り口での史実の検証本は他にもいくつも出版されているので、また別の本を読んでみることにしましょう。 -
古代史はずいぶん書き換わっているのですね。
縄文時代は狩猟、弥生時代は農耕と理解していたのですが、縄文時代もいのししを飼っていたとか弥生時代も鯉を養殖していたとか。「へえ」×5くらい。
土偶というのは女性をかたどったものが多く、祭祀につかわれたと習ってきたが、最近は男性をかたどったものもでてきているそうです。
教科書に紹介されない(土偶の用途の)説として、疾病治療説(いわゆる身代わり人形)とか安産のお守りだとか縄文人のおもちゃ(バービー人形かい。)だとかいうのが紹介されていました。
また、最近の教科書では大和朝廷ということばがでてこなくなっているそうです。全国統一の王朝ではなく、地方政権的扱いをされているようですね。
聖徳太子も、そんなに政治力があったのが疑問符がついて、扱いが地味になってきているそうです。厩戸皇子って紹介されているみたい。
何人もいっぺんに同時に話してもそれぞれが何を言っているのか理解できた、という伝承も、肝心の聖徳太子が教科書で地味な扱いをうけていると、ネタとしては使いにくくなってきますね。
木簡や竹簡も、行政記録などを残すための貴重なものというイメージでしたが、現代のノートの代わりみたいに、九九が書き散らしてあったり(しかも間違っていて三九二十四!)、万葉集の古い歌が書き散らしてあったりするものもたくさん出てきたとか。
おもしろいなあ。
近代史では、西軍のその後がおもしろいかったですね。
西軍は改易やおとりつぶしなどひどいことになったみたいですが、そこからまた大名になった人の話とか、上杉は4分の1に領地が減らされたんだけど家老の直江さんが子分をだれもリストラすることなく新しい領地につれていって産業を振興し上杉家を立て直したはなしとか。 兼続さん、跡取がいないのに養子も採らず、自分が死んだあとは自分の俸禄を殿様に返上したので、なんといっていいやら。
2009/09/30 -
2010年1月9日(土)に読んだ。
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おおむねいつも通りの河合敦の本だった。逆に安心。
89ページにある「九九が書かれた木簡」の話が興味深く感じた。その木簡は七世紀後半のもので、中には「六九七十四」や「三九二十四」といった書き手が間違って覚えていたものもあったそうだ。実物を見てみたいなぁ。