- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396315139
感想・レビュー・書評
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数学的な観点から、様々なものを見て考えることによって、新しい見え方を知ることができた。
理系の方が数字を通して別分野への興味を持つには最適な本であると思う。私はどちらかと言えば文系で学んでいた者なので、次々と出てくる数字や法則に若干の戸惑いを覚えてしまった。内容自体は大変面白かったのだが、数学が苦手な人、忘れてしまっている人にとっては読みづらさを感じるかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冒頭で『数学者は詩人である』とあった。新たな問題を類推し、新しい言葉を与える。この繰り返しによって、数学という世界、空間にグリッドを定義しながら発展していく様を指しているのだろう。
日本由来の白銀比の本質は「相似形」であり、西洋由来の黄金比の本質は「螺旋」であるという。これは、ある形の中に相似系を見出す構造と、ある形の外に相似形を見出す構造の違いではないかと感じた。著者は白銀比を静的なもの、黄金比を動的なものと解釈していたが、フラクタルと言う自然界に良く見られる構造がどちらを意味するのだろうと探究してみたくなった。
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西洋の黄金比と日本の白銀比の対比が面白かった。
一瞬を切り取るというのは美しい考え方だな。
数学は今となっては難しいけど、考えてみれば面白い。
数学だけは世界共通なんだから、宇宙の真理なんだろうな。 -
図書館から借りてきました。
クフ王のピラミッド、パルテノン神殿,ミロのヴィーナス、
レオナルド.ダ.ビンチの「ウィトルウゥス的人体図」、etc。。。
とくれば、連想するのは黄金律!
日本で言う鎌倉時代にレオナルド.フィボナッチ数列ができた。
彼は黄金律を表そうとした訳ではなく、
小屋の中のウサギのつがいの問題として作ったのだが、
後で,友人のルカの論文『神聖比例(黄金比)』によってフィボナッチ数列は
完成を見るのだが、
これは小説「ダビンチコード」にも出ている。
西欧ではこの黄金比が自然界を始め、人の手を介してないものにまで
すべてに含まれると,人々を夢中にしてきた。
さて,日本では,どうだろうか?
日本での『美』の様式の中枢に脈々と流れてきたものは
西洋のそれとはいささか違ったものだったらしい。
それが1:√2の白銀比
白銀比のそれは,浮世絵の中にもあり,建築のなかにもあり、
詩歌の中にもある。
元々は木を無駄無く美しく木材とするためには,どのように切ったら良いか?
丸太の直径を√2とすると,幅が1になるということが,昔から
智慧として使われていて,曲尺(かねじゃく)という大工道具にも
はっきり現れている。
木材を無駄にしないための形と数字が
日本人の生活に深く根付いていることがわかる。
また,和紙の大きさにも如実に現れていて,
美濃紙大八ツ判を32分割すると書籍用紙の代表的寸法四六判になる。
これはB6にきわめて近い数字で,1926年にB判という新しい規格を
定めるにあたって日本的な伝統的寸法も取り入れられたのだろう。
美濃紙という江戸時代の公用紙に使われたものがB判の源流と言われるゆえん。
黄金比は装飾、華美、動、生を表すのに対して
白銀比は実用、簡素、静、死を表すが、
どちらも,求めるところは美の根源,神秘なる生命や宇宙の心理
なのだが,西洋と日本の精神性の違いによって,このような対称を見せている。 -
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白銀比、黄金比。
人類の思考の元は
深い。