• Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396326418

作品紹介・あらすじ

ベストセラー作家が待ち望んだ最高の聖夜がとんでもない惨劇に。人喰い給水塔を見学した元判事の脳裡に去来した恐るべき真相。夫と親友の浮気を知った妻がとった意外な行動。顔さえ知らない父の突然の訃報に直面した母娘の胸中。七年ぶりに再会した憧れの女性と奇妙な殺人事件…。十人の人気作家が不可思議、不条理な事件を描く珠玉のミステリー・アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • ・山口雅也/モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イヴ
    モルグ氏にとってこの日は、付き合っている女性へのプロポーズを兼ねた、素晴らしいイヴになるはずだった。
    しかしそこへ昔の仕事仲間の男が訪ねてきたところから、破たんが始まる。
    一度の殺人を隠そうとしてドミノ倒しのような展開に。
    本のタイトルに相応しい一作。

    ・有栖川有栖/暗号を撒く男
    殺された男の家が奇妙な状態になっていた。
    これは何を意味するのか。
    星座の順番を覚えようとして、そのモチーフを家の中に順に置いたというオチ。

    ・加納朋子/ダックスフントの憂鬱
    中学生の高志は、幼馴染みの美弥が気になるが、彼女よりせがひくいのが悩み。
    その美弥の飼い猫が大けがをして、高志にヘルプがくる。その猫は昔、高志と美弥が拾った猫だった。
    獣医に駆け込むと、そこで同様の事件が多発していることを聞く。
    高志はそこに何者かの策略があると推理し、悪意が仕掛けられている場所が公園の砂場だと突き止める。

    ・西澤保彦/見知らぬ督促状の問題
    同じ大学の女子学生が4人住むマンション。その女性たちに次々と家賃の督促状が届く。しかしみんな延滞してはおらず、そのうちの一人が主人公たちに相談しに来る。
    マンションはある議員の妻の所有。議員には女子学生との噂があり、妻が浮気相手を特定するためにやったのではないかと予想する。
    それで一件落着かと思いきや、マンションに住んでいた女子学生が一人、何者かに殺されてしまう。

    ・恩田陸/給水塔
    『人を喰う』と噂される給水塔。
    散歩仲間の老人二人がそれを見に行く。給水塔のまわりでは確かに奇妙な事件が起きていた。
    主人公は、その給水塔の根元に死体が埋まっているのではないかと推理する。

    ・倉知淳/眠り猫、眠れ
    離婚して離れて暮らす父親が死んだという知らせが、主人公の女性の元へ届く。飼い猫が死にそうで、女性はそれどころじゃなかったが、話を聞くと、父親は神社でしめ縄を体に巻き付けるという奇妙な状態で死んでいた。
    やがて飼い猫が失踪。猫を探す過程で、女性は父親も同じことをしようとしたのだと気がつく。

    ・若竹七海/泥棒稼業
    女泥棒二人組。ある屋敷に盗みに入るが、飼い犬に追いかけられて失敗。
    しかし、どうやら自分たちは「偽物の美術品を売るための道具」としてハメられたらしいと気がつく。
    策を練って屋敷の主に仕返しをするが、最後はやっぱり犬に追われる。

    ・近藤史恵/かぐわしい殺人
    今泉探偵のもとへ、夫の浮気調査の依頼に現れた女性。女性は、自分の親友と夫が浮気しているのではないかと言う。
    調べていくと、依頼主は浮気相手の女性に昔からべったりとくっついていたと分かる。
    浮気相手の女性は調香師。今泉は依頼主の過去の流産が、この浮気相手がプレゼントした堕胎性のあるアロマキャンドルにあると指摘。
    同時に、彼女たちはある種の依存関係にあることが窺えた。

    ・柴田よしき/切り取られた笑顔
    専業主婦をのぞむ男性と結婚し、その通り優雅な主婦をしていた主人公だが、どこか物足りない。
    そんな時友人の勧めでインターネットを知り、彼女はブログにはまりはじめる。
    だんだん有名ブロガーとなり、読者とメールでやり取りするようになった主人公。
    そこへ、不倫から抜け出せない女性から悩みのメールが届く。親身になって相談に乗っていた主人公だが、その不倫女性から送られてきた写真には、不倫相手として自分の夫が写っていた。
    主人公は夫と離婚し、離婚アドバイザーとして自立する。
    そして不倫のメールを送ってきた女性が、ある有名な作家と言うことに気がつく。この女のせいで離婚になってしまった。主人公はその女性作家の元を訪れる。
    そんな折、インターネットを勧めてくれた友人が、自分の元夫と結婚すると連絡が入った。
    そして友人は、あの不倫相談のメールが自分の仕込みだったことを告白する。
    女性作家は無関係と判明した。しかし、もう遅い。
    主人公は「不倫なんて知らない」と言う女性作家を、手に掛けてしまっていた。

    ・法月綸太郎/トゥ・オブ・アス
    法月さんが京大ミス研時代に発表した作品とのこと。長編の原型にもなっているらしい。
    真宮涼一はある日街で木下悠子という女性に声を掛けられる。悠子は高校の時の同級生。やがて二人は恋人同士になる。
    しかしある日、悠子が殺されたというニュースが流れる。そのニュースには確かに悠子の顔写真が出ていた。しかし、被害者の名前は北沢靖子となっていた。
    これは一体どういうことなのか。呆然としている涼一の元へ女性から電話がかかる。彼女は電話口で「木下悠子です」と名乗った。
    調べを始めた警察。被害者の家で卒業アルバムを見つける。しかし被害者である靖子顔写真のところに書かれていたのは「木下悠子」という名前だった。
    すわ被害者の取り違えか、と思われたが、アルバムを印刷した会社のミスで、被害者は本当に靖子の方だったと分かる。
    しかしそれでは、彼女たちと同級生であるはずの涼一の誤認の理由が分からない……。
    実は涼一自身も別人(本当の涼一の弟)で、死んだ兄になり替わろうと手紙やアルバムをみていた。
    卒業アルバムの印刷ミスには気付かず、靖子を悠子と誤認したままだったという真相。

  • 恩田陸「給水塔」の不穏な空気感が独特で印象的。
    後半の近藤史恵、柴田よしき、法月綸太郎著の三編が女同士のあれやこれやが絡み合っていて おもしろかった。
    柴田よしき「切り取られた笑顔」に関しては、「ネットサーフィン」についての説明があったりして ここで初めてこれいつの作品??と思ったら20年も前の作品だったのですね。この時代のネット事情を思い出して懐かしい気持ちになった。今時のコにはわからない設定かもしれない、けどネットの海は昔よりいまのほうが広い。

  • 法月綸太郎と有栖川有栖目当てで購入。

  • 復刊。それぞれに面白かった!
    恩田陸さんの世界観、やっぱり好きだ~。

  • 最初のと恩田陸が好み

  • なかなか面白かったですねぇ…様々な作家の短編が読めて…アンソロジーとかいうのもたまには良いかもしれません。社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    女の人の書いた短編はどうにも登場人物の内部と言いますか…人間関係と言いますか…トリックなんかよりもそちらを書くことを重視しているように思えますねぇ…つまりは一般小説に近いかと。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    それがいいのか悪いのかはさておき、女同士の確執というか、嫉妬と言うか…こういうのは男性作家じゃ書けないでしょうね!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    法月綸太郎氏の短編は読んだことのあるものでした…。この短編を元に一本、長編を書いたそうですけれども、そちらも読んでみますか…短編でまとまっているものを長編化! というのはなかなか難しいだろうなぁ…と思われるのですけれども、やっぱし、氏のファンの間でも長編化したものよりもこちらに収録されている、短編のが好き! という方が多いそうな…あとがきに書いてありましたねぇ…。

    まあ、そんなわけで「不条理」かどうかは分かりませんが、なかなか楽しめる短編集でした…おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • アンソロジーを読む楽しみは今まで知らなかった作家と出会うこと。ただし時には「なんじゃこりゃ?」っていう作品にも遭遇する。
    以前別のアンソロジーでここに掲載されている西澤保彦って人の短編を読んだ時は、なんじゃこりゃ?と思ったけれど、ここに出てきた話は割と面白く読めた。
    今回ヒットしたのは柴田よしきさん。男性みたいな蒔苗だけど女性らしい。というか作風はとっても女性的、別の作品も読んでみたいと思う。

  • 帯につられて購入したが期待ほどではなかった。ただ、通勤電車のお供には最適。不条理な殺人と銘打ってあるが、本当に不条理さを感じさせる作品は少なく、山口雅也の作品のみがとんでもなくブッとんでる感じを受けた。

    不条理な殺人は起きないのだが加納朋子の作品が個人的には良かった。

  •  一作一作の完成度が高く、何より、通勤電車の片道でちょうど一話が読み切れる、この絶妙な長さがとても良かったです(笑) アンソロジーとしてのテーマが「不条理な殺人」ということで、どうとでもこじつけられるというか、統一感はあまりなかったかも。
     気に入ったのは「モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イヴ」と「給水塔」。前者はこのアンソロ内でもダントツの不条理っぷりがなんとも(笑) 後者は一般的な推理小説とは一味違った構成と、穏やかな文章に漂う怪談めいた不気味さが良かったです。

  • 不条理アンソロジーと申せど、クオリティからジャンルまで様々で、最後の法月綸太郎のはそんな落とし方でええのかいなとおもいつつもやっぱりハードボイルド風味で。

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プロフィール

1988年10月、『密閉教室』でデビュー。

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