いつか海に行ったね (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
2.61
  • (1)
  • (19)
  • (45)
  • (37)
  • (15)
本棚登録 : 325
感想 : 40
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396328962

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【書店の「どんでん返しフェア」的なポップにつられて買った直後に夏風邪で倒れ、寝込んでいる間に読んで若干後悔した3冊の本その③】

     実はこの小説には後悔させられていない。他の人のレビューを読むと、後悔させられた人は少なからぬようだが。
     パンデミック系の小説の何が好きって、個々の罹患から発病そして大流行に至る科学的な機序についての詳細でマニアックな描写ほど面白いものはない! 私はそういう読み方をする読者なので、この小説がパンデミック系にしては淡々としすぎているとか、結末が簡単に予測できてしまうとか、涙なんか全然出てこないという点は全く気にならない。むしろ大げさなパニック展開よりも、淡々とした描写のほうがひしひしとリアルで怖い感じがして悪くない。
     コバルト時代の『おかみき』以来、この人の作品はほとんど読んでいないが、バリバリ少女小説の『おかみき』でもけっこうこってりとウンチク描写をしていたっけ。あの小説に出てくる「ねこり」こと「稲子さま」こと「菅原稲子」ってのが筆者の本名だと知った時は、その歪んだ自己愛に大爆笑したもんだなぁ。

  • 喫茶店で表紙と帯を見て貰った。
    最初は千博君の物語と思ってたけど・・・・・千博君が産まれる前の話だったんだ。
    本当は、最初読んでみて「面白いかな・・・?」とか思ってたけど、最後まで読んでみた。
    千博君がクラスメイトの子と喧嘩してたからその後の2人も見てみたかったかな。

  • 帯の言葉通りにはならず、涙はしない。けれど、昔のサイコホラー映画みたいに作り上げられた文章でした。鳥という着眼点もかなり良くて、昔の映画「鳥」を彷彿とさせる作品です。生物パニックものはあまり読みませんが、「いつか海に行ったね」は読みやすく、文系の自分でも理解しやすいように理系のことは描かれます。期待していた涙ではなく、どこかぞっとするようなところがかえってよかったと思います。この容量で終わってしまうのは勿体無いくらいの題材でした。

  • 「いつか海に行ったね」読み終えて始めてわかるこのタイトルの本当の意味に、あなたは必ず涙する!!!!


    帯にそう書いてたから気になって読んだけど…一切ウルッとこなかった。最初から最後まで(笑)新種のカビが人類滅亡させる?!っていう物語。でも結局、どうなったのかいまいちわからない結末だった。読みやすいけどなんかモヤっとした。

  • 終末的? 美しい余韻のバッドエンド。

    小説として、キレイに終わってはいます。
    でも個人的には、これは序章で、ここからヒトの殻を脱ぎ捨てでも生き延びようとする人類のえげつない戦いが始まっていくとこじゃね? と思いました。
    出版順と逆ですけど、上田早夕里「華竜の宮」読んじゃうと。

  • タイトルをみて、というより帯を見て買ってみたんですが、なんだろう、ホラー?サスペンス?序盤からあれあれ?と言う感じで話が進んでいき、あっという間にラスト。。。
    たしかに最後まで読んで初めてタイトルの意味はわかるのですが、いや、途中からわかってしまったんですが、帯に書いてあったほど泣けるものではなかった。。。
    話のネタとしては非常にいいものだと思う。先が知りたいという気にさせてくれます。でも、いかんせん文章量が少なくて、足早に展開せざるを得ない感じが残念。もっと重厚な話だったらとても面白いと思っただけに、帯のうたい文句とのギャップもあったので星二つです。書き直して、バイオサスペンス物でやったら面白そうなんだけどなぁ。。。

  • この話はなんと言っていいか難しいが SFホラーかな。
    本のタイトルと帯の煽りからは切ない系の話だと思ったが、まあたしかにそうとも言える部分はあるけど…
    電子書籍版の最初の頁には「ホラー小説」といきなり書いてあり混乱したが、今この時期に書店で平積みになっているのは、世相的流行に乗れるという判断があったのだろうか

  • 読みながら『なんで1997年とかなんやろ』と思ったら、平成13年に初版のちょっと前の本やった。

    内容も怖いけど、この本が約10年経った今の書店に平積みポップ付きで置かれている事が怖い。

  • 帯にひかれて買って一気に読んだ。
    おそろしいわ。ほんと、ぞくぞくする。
    帯のことばにはだまされたけど(感動とか涙とかの話じゃないよこれ)

    内容はよかった。どういうことになるか気になってどんどん読めて。
    私には、とにかくこわいという感想しか出てこない。

    これ、最近発行の作品じゃないんだね。
    なぜまたこの時期に平積みされてるのかと思ったら、それ考えたら、
    それがまたおそろしいわ。

  • 久美沙織さんといえば「丘の家のミッキー」しか知らなかったので、こういう作品があったことにびっくりした。

    日本のいくつかの場所で起きる、いくつかのちょっとおかしなこと。徐々にそれらの意味が繋がっていく。

    身近に起こり得る恐怖。コロナ禍を経験している今だからこそ、余計によくわかる。何かよくわからない恐ろしいことが、ひたひたと近付いてくるこの感じ。こわい!

    真紀子の話がつらかったな。こういう境遇になったらこんな心情になるよねと、すんなり納得できてしまった。かわいそうすぎる。

    ひとつひとつのエピソードは長くなく、深追いせずに次へ行く。それでもエピソード同士の繋がりから、登場人物たちの辿った経過が想像できたり末路がわかったりする。そして大体、向かう先は絶望。
    全部で159ページと短い作品だけれど、余韻が濃く残った。


    □私が読んだのは帯なしの本だったけれど、ブクログの画像で見ると帯がついている。「必ず涙する」って書いてあってびっくり。涙腺はまったく刺激されなかったけどなあ。
    帯に節操ない口説き文句つけて手に取らせようとするの、ホントやめて欲しい……

全40件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年、岩手県盛岡市生まれ。上智大学在学中に作家デビュー。フィクション、ノンフィクションを問わずさまざまなジャンルの作品を手がけ、ゲームやコミックのノベライズなどもおこなう。おもな著作に「プリンセス・ストーリーズ」シリーズ(角川つばさ文庫)、『丘の家のミッキー』(集英社)など多数。公式サイト「久美蔵」http://kumikura.jp/

「2019年 『プリンセス・ストーリーズ 赤ずきんと狼王』 で使われていた紹介文から引用しています。」

久美沙織の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×