まほろ市の殺人 春: 幻想都市の四季 (祥伝社文庫 く 13-1)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396330460

感想・レビュー・書評

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  • 軽い読み物としてはなかなか楽しかった。
    大学生ののんびりとした雰囲気が良かったし(あんなに毎日喫茶店に行ける財力が凄い)、登場人物にも好感が持てた。
    当時のネット環境も懐かしかった(笑)。

    最後の推理は、一応全ての伏線を拾えてるから多分正しいんだろうけど、ちょっと苦しい。顔と片手がバルーンにくくられてる絵が想像できなかった。それでベランダにしがみついてるように見えるかなぁ…

    このあとに極めつけの真相があったら、さらに面白かったかも。

    まぁ企画モノだし、深く考えずに楽しむのが正解かもしれない。

  • 「幻想都市の四季」と題して4人の作家が同じ舞台で中編を一編ずつという企画のようです。倉知さんらしい軽さでサクサクっと読み進められます。ただ、ページ数の関係で余計なものはないだろうという構えからか伏線をたくさん拾ってしまい、おそらくトンデモに近い部類の真相なのにかなり近くまで予測できてしまいました。でも、それでいいのか!的なところが逆に好きです。楽しみました。

  • 真幌市の大学生が突き落としたはずの人間が消えた謎を追う。

    青春小説のような軽いタッチだが倉知さんのならでは推理が楽しめる。
    ただとにかく短くて物足りなく終わってしまうのが残念。

  • 四人の作家による共作の「幻想都市 まほろ市の殺人」の「倉知淳」さん編。

    こいう企画物もなかなか面白いし、中編小説なので読み易いが・・・ちょっとストーリーに無理があると思う。ただ、そういう縛りを超える面白さがあるのも否めない。

    倉知さんと言えば、「星降り山荘の殺人」が有名だが、軽いタッチで読み易い文章を書く。この中編もなかなか読みやすく主人公が大学生だから気軽に読める。ただ、犯人が誰なのか明かしてないのは???な気もするが・・・・。あと、あまりにも偶然が重なりすぎるのもちょっと気になる。ただ、先ほどの縛りがあるから仕方ないかなとも思う。

    次は「我孫子武丸」さんの「まほろ市の殺人 夏-夏に散る花」に期待したい。

  • 2015年9月9日読了。
    2015年128冊目。

  • 短くてあっけない。伏線かと思ってたものがヒント(?)で消化不良感あります。ぶっ飛び系日常の謎…???

  • 摩耶さんのに続けてこちらもあっという間に読了。軽くて読みやすくて、そこそこゾッとさせていただいて、倉知さんならでは!といった感は特になかったけれど楽しめました。

  • 架空都市 真幌市。
    この都市で起きた事件を四季毎で四人の作家が描く。
    まずは<春>。
    軽くサクサクと読めますが…

  • 架空の都市・真幌市を舞台にしての4作の競作の内のひとつ、春編です。(ちなみに他は、夏:我孫子武丸、秋:麻耶雄喬、冬:有栖川有栖が書いてます)
    Dramatic Noveletteという「長すぎず短すぎない中篇小説」をモットーにした文庫のようで、軽く読めるサイズが魅力v 夏~冬も読んでみる予定でいます。

    春の真幌市名物・浦戸颪(いわゆる大風)が吹き荒れた翌日の朝。大学生・湯浅はちょっと気の強い彼女・美波から珍妙な愚痴を聞かされた。
    「痴漢に遭っちゃったよ、しかも幽霊。」
    憤慨しきりの彼女の元に、今度は彼女の友人から「人を殺したかもしれない」と電話がくるのだが、7階のベランダから侵入者を突き落としたはずなのに死体がナイというこちらも妙な話。だが後日、その侵入者はベランダ出現前に殺害されていたという更に妙な話に発展していく…。

    軽い。文体もさわやか青春風、といいましょうか。(殺人事件で「さわやか」ってのも変ですね)
    事件解決の仕方は少々うやむやの感がありますが、これは仕方がないことかもしれません。一介の暇を持て余した学生の情報収集なんてたかがしれてますし、目的は犯人探しではなくて、疑いを掛けられそうな友人が心配でなんとかしなくちゃ!というところにありますからね。収集した情報がすべて真実で嘘がないという前提での納得がいく解決、にすぎないので、私はまったく気になりませんでした。
    ただ、万人がそうとは限らないのもまた事実…。それもまた、仕方がないこと…。
    でも、これは万人に共通かと思うのです。
    すべてに帳尻があった解決にて出来上がった「光景」。その幻想、幻影的な光景。妖しさ。
    読んで、その光景を是非想像してみてください。

  •  インターネットが導入されたてなど時代を感じる描写があるが、大学生は今も昔もちっとも変わってないね。
     
     トリックは多少詰めが甘いとは思うが、発想としては楽しめる。悪いとは思わなかった。

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著者プロフィール

一九六二年静岡県生まれ。日本大学藝術学部卒。九三年「競作 五十円玉二十枚の謎」に応募し、若竹賞を受賞、九四年『日曜の夜は出たくない』で本格的に作家デビュー。二〇〇一年『壺中の天国』で第一回本格ミステリ大賞を受賞。著書に『星降り山荘の殺人』『片桐大三郎とXYZの悲劇』『皇帝と拳銃と』『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』『月下美人を待つ庭で猫丸先輩の妄言』などがある。

「2021年 『作家の人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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