まほろ市の殺人 夏―夏に散る花 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
3.12
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  • (4)
本棚登録 : 248
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (122ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396330477

感想・レビュー・書評

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  • 「まほろ市」という架空の市が舞台。同じ舞台設定で、違う作家さんが春・秋・冬の話を書いているようですが、とりあえずはこれを読んでみました。

    主人公はあまり売れてない新人作家の君村義一。
    彼のもとに女性のファン・みずきから手紙が届き、それをきっかけに君村は彼女と交流を深めることになる。
    最初に会った時、みずきは妹を一緒に連れてきた。
    それから何度か二人で会い、やがて互いに惹かれあう。しかしそこでなぜか、みずきからの連絡が途絶えてしまう。
    君村は友人の小山田と一緒に瑞樹のことを調べ始めるが、「本当は双子だった」「妹は家からろくに出ていない」など、みずきや彼女の妹に関して、不審な点が見えてくる。
    その調査のさなか、小山田は誰かに殺されてしまう。犯人はもしかしてみずきなのだろうか……。

    初めの段階で、実は君村に手紙を送っていたのは姉の方じゃなくて「妹」だと言われた子の方だろうな……というのは予想が付く。
    しかし結末はそんなに単純じゃなかった!
    どう見ても姉妹の妹にしか見えない方が、実は特殊な病気で年を取らない設定。姉に見える方とは双子の姉妹。手紙を浮くっていたのは成長しない娘、本当の名前は「みずき」。みずきは君村に会いたかったが、子供にしか見えないため双子の妹のさつきを代打にしていた。
    本物のみずきは君村に秘密を知られたくなかった。しかし小山田に身辺を探られて、彼を殺害。
    そしてみずきは、成長しない自分の身代わり状態になっていた妹のつばきをも殺してしまう。

    成長しない身体を持つみずきが、双子の姉妹のさつきを身代わりにして自分が惚れこんだ相手に会わせた理由はわかる。
    知られたくなくて小山田を殺害したという理由もまあ……。
    だけどこのみずきにはどこか自己中心的な部分がある。妹に成長を抜かれたくないから殺してしまうなど、同情100%になれなかった。
    「成長しない身体」というのに気が付くまでは、主人公の君村と同じく、「どうなってんの?!」となりますw

  • 架空の都市”まほろ市”で起こる殺人
    「春」とはまた違う空気感のある話。 何となく予想がつくのですが、それでも面白く一気に読めます。 彼女の想いが、怖くて哀しい。

  • 四人の作家による共作の「幻想都市 まほろ市の殺人」の「我孫子武丸」さん編。うーんなんか読み終えてすごく切ない感じがしました。ただ、その過程でちょっと不思議な家族だなあという気はうすうす感じてはいましたが・・・・。

    内容的にはあまりありえない設定なので詳しくは書きませんが、思惑が思惑を呼んで、結局は誰も幸せにならなかったお話です。特に双子で片方が成長が止まる病気とは実際にあるのでしょうか?そもそも、その設定自体がこの作品の急所なのですから、それが否定されると作品自体がなりたたないので、それは敢えて否定しませんが・・・。

    それにしても、話の筋としてはよくできてると思います。それほどページもないのによくあれだけの話が作れるものだと関心します。我孫子さんの「殺戮にいたる病」も読んでみたいですね。
    次は「麻耶雄嵩」さんの作品です。楽しみです。

  • さらっと読める。推理よりドラマ性重視。個人的には面白かった。

  • ★3.5かな。
    前半でトリック(?)はほぼ分かったが、結末は意外な展開。なるほどね。

  • ミステリとしては荒いけど好きな本です!あっという間に読み終わってしまう短さですが、おおおそうくるか~!と楽しめます。
    私は読み違えましたが、中編の割に伏線が張ってあるので展開を読めるひとは多いはず。ただ少し無理のあるところもあります。
    我孫子武丸は『さよならのためだけに』から入ってしまって興味が一切湧かなかったのですが、この感じなら長編も読みたいです。シリーズは蝦蟇倉市みたいな感じで関連性はなさそうだけれど秋と冬も読もうと思います。

  • 短い小説ながらよく練られたミステリー。
    「まほろ市の殺人」三冊目。
    ここはやはり、残り一冊も読まねば。

  • 本氏は某ゲームソフトのシナリオでファンになったことからいくつか作品を読んだことはあった。ミステリーが本職ではあるが、今作のような恋愛模様を交えた作品は絶品であると感じた。一気に読み上げてしまった。

  • 約120ページとかなり薄い。長編と呼ぶには少なく、中編よりは長いという印象の珍しい長さの作品。

    ファンレターから始まる、顔の見えない相手との淡い恋の物語と、それと全く関係の無さそうなところで起きる殺人事件。両者が複雑に絡み合って一気に謎が氷解するのが面白い。引きこまれ、一気読みしてしまう力のある文章はさすが我孫子さん。

    ハッピーエンドではないが、完全なるバッドエンドとも言いがたい、救いと余韻の残る終わり方が切ない。

  • 架空都市 真幌市。
    この都市で起きた事件を四季毎に四人の作家が描く。
    我孫子 武丸氏 <夏>
    軽くサクサク読めます。
    結末が重い。

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著者プロフィール

1962年、兵庫県生まれ。京都大学文学部中退。在学中は推理小説研究会に所属する。89年、『8の殺人』で作家デビュー。主な作品に『人形はこたつで推理する』に始まる「人形」シリーズほか、『殺戮にいたる病』『ディプロトドンティア・マクロプス』『弥勒の掌』『眠り姫とバンパイア』『警視庁特捜班ドットジェイピー』『さよならのためだけに』『狼と兎のゲーム』などがある。ゲームソフト「かまいたちの夜」シリーズの制作、ヘロヘロQカムパニーの舞台脚本を手がけたことでも知られる。

「2020年 『怪盗不思議紳士』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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