トップ・レフト: 都銀vs.米国投資銀行 (祥伝社文庫 く 14-1)
- 祥伝社 (2002年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396330590
感想・レビュー・書評
-
金融のお仕事がよく分かる。昔はこういう国際線金融に憧れがあったけど、令和の時代には働き方とか変わってるんだろうなーと。
今、通用するのは、今西さんぐらいだろうか。
龍花さんのような人は現在いるのだろうか。
リーマンショックといい、金融は、同じような危機が何度も繰り返すんだなー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ルールに縛られず、臆面もなく戦う。
その姿勢を参考にしよう。 -
メガバンクと投資銀行の対決
バンカーがカッコよく描かれてる。
-
1
-
働き方を考えさせられた。
社会に貢献できているのか。 -
黒木亮さんの本は巨大投資銀行に続いて2冊目(上下巻は1冊として)。
趣味で投資をやっている身として黒木亮さんの本は勉強になるし、経済小説として非常に面白い。
本書は都銀VS米国投資銀行というサブタイトル通り、金融という舞台での戦と言っていいかもしれない。
駆け引きであったり、交渉であったりプロとしての仕事のあり方も考えさせられる。
黒木さんの他の本も読んでみたい。 -
これは国際金融分野で活躍する2人の日本人を中心としたビジネス小説であるが、ロンドン・ニューヨーク・イスタンブール・アンカラ・ミラノ・テヘランなどを舞台とした国際的なスケールを持ちつつ、かつ対照的な2人の日本人主人公の葛藤を通じて、ビジネスとは何か、人生とは何かを考えさせてくれる秀作である。
トップレフトとは国際協調融資の締結を記念してつくられるツームストーンと呼ばれる置物の左上に書かれる、融資団の主幹事行のことを指す。国際バンカーはこの地位を射止めようと、長くてタフな交渉を続ける。それを手がけているのが主人公の一人、富国銀行ロンドン支店次長(国際金融担当)今西哲夫である。彼はミスをおかしたくないだけの上司や、本店の評価だけを気にする支店長などの冷たい態度に憤りつつも、トルコ・トミタ自動車のイラン工場建設資金の国際協調融資組成のために粉骨砕身の努力をする。
もう一人の主人公・龍花丈は富国銀行を辞め、今はアメリカの投資銀行でマネジングディレクターをしている。とにかく金儲けのためにはどんなことでもする冷徹な投資銀行マンである。この龍花が今西の協調融資をブロックしようと、あの手この手で障害を作り出す。息を呑むような攻防が続く。そして彼を待つ意外な結末…
著者は三和銀行勤務中にカイロ・アメリカン大学に留学し、その後、ロンドンの証券会社に勤務、さらに三菱商事にも勤務したことがある経験があるので、それらの経験をベースに、日本やアメリカ、イギリス、欧州の銀行の歴史と内情や、トルコ・イランなどの中東事情などの描写は迫力があり、単にビジネスだけでなく、欧州や中東での生活の一端を垣間見るようで、乾いたビジネスの世界に潤いを与えていると言える。
本書は国際銀行マンの仕事の現場や、国際金融の実態を知る上で貴重な仮想体験をさせてくれるだけでなく、日本的な組織運営とアメリカ的な利益至上主義のビジネス運営との対比を通じて、またあるべきビジネスマンの姿について二人の対照的な主人公を描くことによって読者に考える材料を与えてくれる点で優れた作品と言える。 -
メガバンクに勤務する海外赴任中の先輩が、「金融を志したのはこの本を読んだから」と言っていたため、読んでみた。
たしかに、学生がこの本を読むと、バンカー・国際金融マンって何てかっこいいのかと思うだろう。しかし、この本に出てくるようなディールを、邦銀バンカーの内、一体何人が行うことができるのだろう。。
黒木亮は、自身が邦銀→投資銀行→総合商社というキャリアを歩んでいるため、仕事内容にリアリティがあってとても楽しめた。私のような業界外の者でも、分かりやすく読めるのは小説ならではだと思う。
最後は総合商社を褒め称えて終わるのは、褒めすぎかなとは思うが、確かに日本の総合商社は、本当に特殊な形態の会社だなぁ。
私も、ここまで向き合えるような仕事をしてみたい。こんな充実した仕事がしたい。社会人にとって、仕事は本当に大切だ。生き生きと信念を持って働けたら、こんなに幸せなことはないと思う。黒木亮の他の作品も読んでみたい。 -
ハゲタカを読んでから一気に金融小説にはまり、
ある外資系就活ブログで紹介されていたのをきっかけに購入。
ハゲタカに比べてより設定や描写が細かく、より専門的である。
重厚な内容になっているが展開が非常に早く軽快に読み進めることができる。