屋上物語 (祥伝社文庫)

著者 : 北森鴻
  • 祥伝社 (2003年6月1日発売)
3.29
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  • (6)
  • (3)
  • 本棚登録 :263
  • レビュー :40
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396331061

屋上物語 (祥伝社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 北森さんの作品の中では軽めですが、キャラと背景がよいです。時代に取り残されたような屋上と、他の人だったら描かないようなうどんスタンドにいる過去にわけありの頭のきれるおばさんが主人公。杜田とタク、その他の登場人物も世の中の主流から外れた感じで全体的にたそがれた感じがよかったです。

  • 北森作品コンプのラスト1冊!ということで力んで臨んだところ「んむむ?読んだことあるぞこれ?」と焦るw
    きっと最初の1篇だけ、なにかのアンソロジーに収録されてたのね~。ふぅ、冷や汗モンだわよww

    さて、本書はとあるデパートの屋上が舞台。
    探偵役はさくら婆ァw うどんスタンドの主である。
    助手は常連客で興行師の杜田と高校生のタク。
    それにしても、人が死ぬ事件多すぎw
    このデパートに人が寄り付かなくなりそうだよ、と余計な心配をしたくなるww

    まぁ、それはおいといて・・・そうやって次々と発生する事件を,屋上に鎮座まします稲荷社の使い狐,観覧車,ベンチなどのモノたちが1話ごとに語り手となり、それぞれの視点をまじえての連作短篇集。

    ラスト1篇は番外編。
    盛岡のデパートの屋上で事件に遭遇したタクが主人公に。

    どれもなんだかやるせないお話。
    でも美味しいうどんを食べに、池袋に行ってみよう!w

  • 短編連作
    デパートの屋上のスタンドで働く名物オバサンと、そこに集まる人たちの事件の話
    あんまり後味良く終わらない

  • デパートの屋上で発生する数々の事件を,稲荷社の使い狐,観覧車,ベンチなど無生物の視点から描いた連作短篇集。救いのない話ぞろいで,後味の悪さは一流。なかなか忘れられないインパクトがある。ある短篇の脇役が次の短篇で重要な役割を果たすという構成は見事なのだが,全体の構成がイマイチ。個々の短篇のできもそれなりに面白いのだが,香菜里屋シリーズには及ばない。裏京都シリーズよりは上という印象。短篇の名手,北森鴻作品としては及第点ギリギリか。★3で。

    ○ 始まりの物語
    稲荷社の使い狐が語り手。デパートの女性店長の自殺,店長の子どもの万引き,いじめといったネガティブ要素が満載な作品。いじめられていた西尾隆一という少年の飼っていた子猫の命が助かることだけが救いだが…この少年の存在は,あとの話の伏線になっている。

    ○ 波紋のあとさき
    観覧車が語り手。「始まりの物語」で黒幕だった警備員の中岡という男が殺害される。中岡と仲がよかったペットショップのるみちゃんという少女が宗教にはまってしまうなど,この話もブラック要素満載。事件の真相は,中岡が自身の悪巧みを原因とする事故で死んでしまったというもの。

    ○ SOS・SOS・PHS
    波紋のあとさきで宗教にはまってしまったるみちゃんからPHSを使ったSOSがあったが,宗教団体に殺害されてしまう。るみちゃんの活躍で,集団自殺を防ぐことはできたのだが…。るみちゃんの死が,この話のやるせなさを引き立てる。

    ○ 挑戦者の憂鬱
    SOS・SOS・PHSで,るみちゃんの行方を探すために働いた佐古下という男が犯人である事件。語り手はピンボール。ピンボールにハマるタクという少年が,命を狙われる。ロクさんという男も登場する。ピンボールのハイスコアを出した佐古下が,ハイスコアがある事実を隠すためにピンボール台を破壊しようとするが,動機がばれないように,タクを狙ったと見せかけたというのが真相

    ○ 帰れない場所
    バグパイプという楽器が語り手。挑戦者の憂鬱で怪我をしたロクさんという男が失踪したという事件。真相は,ロクさんは過去に人を殺害してしまったことがあり,バグパイプを演奏している姿をみて,そのことを思い出し,失踪してしまったというもの

    ○ その一日
    帰れない場所で語り手だったバグパイプをめぐる話。語り手は地蔵。バグパイプを演奏していた男が楽器を忘れてしまう。バグパイプを演奏したのは地蔵に聴かせるためであったが,バグパイプの持ち主は,妻に殺害されており,妻は愛人と愛人の子をはめて,アリバイを作ろうとしたという話。こちらもかなりダークな話。楽器をロッカーに入れなかったのは,バーゲンの日だったというもの

    ○ 楽園の終わり
    さくら婆さんのうどんの売店のスタンドが閉鎖されるという話。はじまりの物語でいじめられていた西尾隆一という少年が体を鍛え強くなったが,少女を殺害してしまったという話。これも相当やるせない話である。最後に杜田がかつて,さくら婆さんの子どもが事故で死んだ原因を作ったことを伝える。

    ○ タクのいる風景
    さくら婆さんも登場しない。盛岡のデパートの屋上に出かけたタクの話。デパートの売却のために工作をするタカさんという人が出てくる。タカさんの娘の大野昌子がひき逃げされてしまったことから,タクはタカさんが犯人と推理するが真相は,大野昌子の自殺騒ぎは,爆弾の被害者を出さないための狂言であり,ひき逃げは全くの偶然だったというオチ。これもやるせなーい話である。

  • 美味しいうどんを食べに、池袋へ!

  • そのデパートの屋上では、いつも不思議な事件が起こる。飛降り自殺、殺人、失踪―。そしてここに、何があっても動じない傑物がいた。人呼んでさくら婆ァ、うどん店の主である。今日もPHSの忘れ物がひとつ。奇妙なことにそれが毎日、同時刻に呼出音だけ鳴るのだ。彼女の手が空いた時間帯に、まるで何かを伝えたいかのように…。屋上の名探偵・さくら婆ァの奮闘ミステリー。

    ノンノベル(1999.04)
    祥伝社文庫(2003.06)

  • 再読四回目。
    面白いなー。この人の作品には、なぜだかいつも美味しそうな物が出てくる。本筋には関係ないのだけど、それがあることで物語の統一感が出てくるというか。食べてみたい、さくらスペシャル。

  • 設定面での面白さは評価すべきだが、連作集としてのまとめに失敗しているような感じを受けた。ここの短編はそれなりに面白いが、全体を読み終えて、後味の悪い作品。

  • 北森さん好きの人から評価が高い作品、というイメージがあったので購入してみた。だってわたしも北森ファンだもん。でも北森さんの個人認定割こう傑作はやっぱり「孔雀狂想曲」か「狐闇」だなあ。

    たしかに屋上に置かれた物たちが語り手となったり、さくら婆ァの過去や興行師杜田、やんちゃな高校生タクなどの人間味あふれるユーモラスな描写や、容赦がない言葉達、もの悲しい過去などは北森鴻らしい。それをうまくまとめるのなんて、まさに北森鴻なのだ。
    でも、なんか物足りない。もっともっと踏み込んで欲しかった。それはきっと物を語り手にしてしまったせいなのかもしれないが、もっと…!と求めるそれ以上の物をいくつも書いている作家さんだから。
    ただ、解説はもの凄くいい!ああ、池袋ね。今度行こう、と思ってちょっと得した気分になったものだ。

  • デパートの屋上のモノ達目線で語られていく、短編連作。
    さくら婆ァ、杜田のキャラは強烈のようでいて、思ったほどでもない。
    後半に行くにつれ、マイルドになっていく。
    全体に暗め。
    文体が、ではなくて、ミステリーの内容が。

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