ワルツ―アンソロジー (祥伝社文庫)

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  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396331740

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  • 田辺聖子、石田衣良、姫野カオルコ、小泉喜美子、連城三紀彦、横森理香、田中小実昌、森奈津子、

    有吉玉青、吉行淳之介の10名の作家によるアンソロジー作品。

    テーマは「シニカルな笑いとペーソスを隠し味にした大人のためのショート・ストーリー集」だという。

    編者の結城氏の言葉を借りるなら「爆笑や大笑いといったスラップスティックではなく、微笑、苦笑、

    失笑、嘲笑、哄笑。あるいは忍び笑い、照れ笑い、薄ら笑い、作り笑いをさせられるシニカルな作品。

    すぐれたユーモア感覚を有する同好の読者に進呈したい。」そんな本なのだそうだ。

    すぐれたユーモア感覚を有する読者へ、と言われるとなんだか試されているようで、はたまた挑発されて

    いるようでムムッと思うのだが、全10作を読み終えてみると、その言葉の意味がわからないでもない。

    いや、むしろそうなのかもしれない。一見、笑いの要素などないように見える物語でも、行間を読み込む

    と「ああ、なるほど」、「そういうことねぇ」と思わずニヤリとしてしまったり、鼻で嗤うごとく本当に「フッ」

    と小馬鹿にするわけでもないけど、鼻で嗤ってしまうような登場人物がいたりと、飽きることはない。

    石田衣良と姫野カオルコ以外の8名は初見の作家であり作品であったが、どれも読みやすく、

    すんなりとそれぞれが作り出した作品の世界観に入っていくことができた。

    石田衣良の「フリフリ」は短編集『スローグッバイ』に収められている作品で一読済みであったが、

    改めて読んでみてもいい作品だなと素直に思うし、姫野カオルコの「ゴルフ死ね死ね団」なんかは

    ドタバタコメディそのもので深く考えることなく笑える。

    他で印象に残ったのは、田辺聖子の「紐」、小泉喜美子の「コメディアン」あたり。両作とも「笑い」と

    いう意味では違う笑いを醸し出しているが、これで思わずニヤリとしてしまうのは、自分に優れた

    ユーモア感覚があると自負していいということなのだろうか。

    十人十色が楽しめるこのアンソロジー作品は、「大人感覚」があるかないかを調べるリトマス試験紙の

    ようなものかも知れない。

  • シュールなアンソロジーです。

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著者プロフィール

1928年、大阪市生まれ。樟蔭女子専門学校卒業。64年『感傷旅行』で芥川賞、87年『花衣ぬぐやまつわる……』で女流文学賞、93年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞を受賞。『むかし・あけぼの』『ジョゼと虎と魚たち』『田辺聖子の小倉百人一首』など著作多数。

「2017年 『私の大阪八景』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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