十津川警部「初恋」 (祥伝社文庫 に 1-21)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396333041

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  • 今回は十津川警部の初恋の女性が関わっている事件という事で、十津川警部の過去の一端に触れる事が出来る物語。初恋相手の事で珍しく思い悩む十津川警部は必見。初恋相手が旅館を営む事になる以前の過去が知れる「江ノ電の中の目撃者(EF63形機関車の証言)」は未読なので、機会があれば読んでみたい。

  • ○明かされる十津川の初恋と淡い思い出となる殺人事件
    捜査一課の十津川に弁護士・崎田が訪ね、十津川の初恋相手である原口夕子が亡くなり遺産を分けたい、という申し出があった。困惑する十津川だったが、翌日崎田が死体で見つかる。
    死を疑問に感じた十津川と亀井は高山へ向かい、原口夕子の経営する旅館に向かうが、夕子は生きていて娘の由紀が病死したと聞かされ、戸惑う。夕子も失踪していて何か仕組まれていると感じた十津川だったが、突然十津川にあった電話が夕子からのものだと気づき、これは何かあると考え…

    十津川の甘い初恋は、大学三年のとき、湘南の海である。ヨット部の合宿で泊まった民家の娘が夕子だった。そんな夕子を以前も助けたことがあったが、今回も助けを求められたということなのか。
    亀井もところどころで自らの初恋を暴露するが、十津川は自分の初恋に対する亡霊を振り切ったり振り切れなかったりする様子が、なかなか人間味あふれるのである。
    そんな夕子に対しては、コンサルタントで県議の三枝がどうも黒幕となって由紀を殺したのではないか?そんな疑念が生まれてくるところから、十津川はアリバイや動機を綿密にかつ大胆に崩しに行き、解決へと導く。
    初恋の相手をこんな形で、とは十津川の本意であったかどうかは定かではないが。

  • 「江ノ電の中の目撃者」(EF63形機関車の証言)の後、高山で旅館を経営しているという初恋の相手。

    最初は本人が殺されたという話があり、それを知らせた人が殺される。
    実際は娘が亡くなっていたが、殺人事件になっていない。

    延々と翻弄され、最後に手紙で終わる。
    十津川警部の迷いが、そのまま話の展開の迷いになっているようで、
    閉じていない話題がいくつかある。

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著者プロフィール

一九三〇(昭和五)年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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