影踏み (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
3.43
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本棚登録 : 2943
レビュー : 307
  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396333294

作品紹介・あらすじ

深夜の稲村家。女は夫に火を放とうとしている。忍び込みのプロ・真壁修一は侵入した夫婦の寝室で殺意を感じた-。直後に逮捕された真壁は、二年後、刑務所を出所してすぐ、稲村家の秘密を調べ始めた。だが、夫婦は離婚、事件は何も起こっていなかった。思い過ごしだったのか?母に焼き殺された弟の無念を重ね、真壁は女の行方を執拗に追った…。(「消息」より)

感想・レビュー・書評

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  • 泥棒のハードボイルドな感じの本。
    連作短編集なので、1つ1つの物語は完結していくので長さを感じない(短編好きではないので短いコメントです)。
    色んな要素が入っている。警察、反社会的組織、泥棒、特にこの作家には珍しいファンタジー?奇怪的な要素が他の小説と異なるけどスマートに物語に違和感無く溶け込んでいて上手いと思った。
    泥棒の専門用語も面白く思えた。
    主人公はカッコイし、悲しさを覚えてしまう…けど、泥棒でしょ。と現実に考えてしまうと覚めてしまったかな笑

  • オーディオブックで読み放題のオススメになかったらきっと手にしないはずのジャンルでした。
    著者や本作になんの予備知識もないまま聴き始めましたが、かえってそれが良かったです。
    双子の設定も面白いし、それぞれ独立した短編が双子の二人?を軸にしっかり繋がっていてクライマックスまで飽きませんでした。
    泥棒の専門用語が多くて初めて聞く単語が多かった。
    "夜と男に捏ねくり回された"という表現はじめ、女の人の描き方がなんとなく少し不快だった。
    登場人物の誰にも共感出来ないしなんとなく気持ち悪買ったのに、同時にずっとすごくせつない気持ちがあって、それは最後まで続きました。
    これ、シリーズものではないのかな?
    そうであるなら読みたいです。

  • 映画が公開されたらしいが近くに上映館がなく原作で我慢することにする。これまで読んだ著作とはちょっと毛色が変わっており、ノビ師と言われる窃盗犯のいわばピカレスクロマンである、おまけに死んだ弟の人格が宿るというサイコ小説でもあり、ちょっとした人情小説でもあった。これを山崎まさよしがどう演じるかは気になるところであるがDVD化されるまで我慢することになる。しかし人気小説家の映画を上映する映画館が少ないことを嘆きたくなる、下らん少女漫画ばかり上演してるんじゃないよと叫びたい。そして蛇足ながら入院費についてはこういう場合発生地の福祉事務所が行旅病人として負担してくれます、病院事務員なら知らない者はいません。

  • 泥棒目線の短編集なのですが、短編なのに、長編の小説を読んでいるような感じでした。
    始まりは、出所したところから始まります。

    刑務所に入るきっかけになった事件のことが気になり、自分で調べ始めます。

    母親がつけた火で亡くなった双子の弟、啓二の声が耳の中から聞こえて、弟と会話しながら話は進んでいきます。

    主人公の修一が、泥棒なのにたまに刑事に見えてきました。

  • ハードボイルドありミステリーあり、犯罪や泥棒さんの専門用語が激しく飛び交い超盛りだくさんの内容。どのお話も切り口が違って興味を引き付けられるし、残忍な描写も過激になりすぎない程度にほどよく、やはり連続短編はこうでなくっちゃと唸らせる素晴らしい作品!

  • 目次
    ・消息
    ・刻印
    ・抱擁
    ・業火
    ・使徒
    ・遺言
    ・行方

    住人が在宅している家に忍び込んで盗みを働く、忍び込みのプロ・真壁修一の周りで起こる日常の謎系ミステリ。
    犯罪者の日常なので、それなりに危険が付き物なのだけど。

    真壁修一はもう一人、15年前に母に焼き殺された弟・啓二を内面に抱えている。
    一卵性双子の啓二は大学受験に失敗したことから道を誤り、窃盗を重ね、それを嘆いた母が無理心中をしたのだった。
    生きながら焼かれた啓二を心のうちに住まわせ、司法試験を控えた修一は窃盗を生業とするようになった。

    という設定が特殊だが、警察物を書かせると天下一品の横山秀夫のことだから、警察内部のあれこれも、裏社会のあれこれも十分に書き込んであり、結果フェアな推理小説となっている。
    もろもろの事件の犯人は、油断していると「え?この人が?」と思わされ、さすがに上手いなあと感心することしきり。

    しかし、だからこそ、この設定いるかな?と思わないこともない。
    弟がぐれるきっかけになったことも、修一が母を憎む理由も納得は行くけど、必要な設定だったかな…。

  • お金は日本中を回ってきっと自分のところに戻るって、発券番号控えて、なかなか戻ってこなくて、一度手放したものは二度と戻ってこないんだって、ところ。
    ストーリーに関係ないけど、素敵だなって思ってたら、ちょこっと伏線だった。

  • 警察側を書くことが多かった作者が、反対の犯罪者側を描いた作品。
    居住者が在宅中に忍び込む泥棒、「ノビ師」に焦点をあてた。
    サンタクロースは、ある意味ノビ師の技をもっている?(笑)
    作中のノビ師真壁も、クリスマスに、不遇の女の子にプレゼントを届ける。泣ける。

  • 話全体はつながっているが
    1つ1つの事件は直ぐに解決される・・
    いわゆる連作短編集である。

    犯人誰?と思いきや
    意外な犯人にたどり着く。
    しかも、短編なので
    直ぐに謎が解ける。
    と言う意味では読みやすい。

    主人公は泥棒である。
    犯罪者なんだけど
    憎みきれず、
    思わず正義の味方か?と
    勘違いするほど
    男気があって渋く描かれている。

  • とにかく切ない話でした。
    最後はノビカベではなく、真壁修一として久子の元に帰ったと思いたい。

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著者プロフィール

国際商科大学商学部卒業。1979年上毛新聞社に入社。1991年、『ルパンの消息』が第9回サントリーミステリー大賞佳作を受賞。1998年、『陰の季節』で第5回松本清張賞を受賞、小説家デビュー。代表作に『半落ち』『クライマーズ・ハイ』『64』などがある。

「2015年 『漫画でよめる! 語り継がれる戦争の記憶 戦火の約束』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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