日本の地下人脈―戦後をつくった陰の男たち (祥伝社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396333683

作品紹介・あらすじ

満洲を支配した革新官僚岸信介は人心掌握術を学ぶ。上海で軍需物資を確保し、巨万の富を得た特務機関長児玉誉士夫は金をばらまく術を知る。A級戦犯をからくも免れた彼らは、いかにして黒幕として君臨し得たのか?戦後の政財界を牛耳るに至った「地下人脈」の全貌を明らかにするとともに、今につながる日本の暗部を衝く、戦慄のルポルタージュ復刊。

感想・レビュー・書評

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  •  解説の大下英治によれば、いわゆる“トップ屋”には、梶山季之、岩川、大下と続く広島大学出身者の系譜があるという。タイトルこそ仰々しいが、上海・満洲や元特務機関に連なる多くの人々への取材を重ねた労作。いまとなっては相当に貴重な証言も含まれている。

     現在はこうした〈人脈〉への視線もそれなりに真剣な考察の対象となっているが、おそらく発表当時は、いわゆる「裏面史」として取り扱われていたのではないか。2000年代のインテリジェンス研究の進展は松本清張の著作を再発見したが、清張テクストの同時代的な位相はむしろこうした“トップ屋”たちのそれとよく似ていたものだったのではないか?

     それにしても、引き揚げ者への思いであったり、時代に翻弄された元特務機関員の無念さを伝える言葉であったりと、人間を見つめるまなざしの誠実さがとても印象に残る。週刊誌メディアの言説傾向が、じつはわりと属人的なものである可能性に気付かせてくれた。岩川が仕切る“トップ屋”と、惨めという他にな現在の週刊誌記事との質的な差異はどこにあるか、いちど考えるべき問題ではあるだろう。

  • 中曽根、田中、岸、満州人脈、上海人脈。
    戦後も今も、そのような人脈はいき続けている。

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