扉は閉ざされたまま: 長編本格推理 (祥伝社文庫 い 17-1)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396334062

感想・レビュー・書評

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  • 動機が不明瞭なまま進む倒叙ミステリー
    なんでこの行動を起こしたか?
    扉を開けさせないよう仕向ける意図は?
    推理は理詰めでやり取りがスマート
    面白い!

    日常生活なら、応答がなかってもドアを破壊してまで開けようとしないわな?修理費かかるし
    最近ミステリー脳になってきたので、目からうろこ

    暴かれる動機で犯人を憎めなくなる
    …が人を殺めるのはよくないです


  • 倒叙ミステリーの最高傑作と何かで読んだので探し求めて購読。

    確かに面白いし、ドキドキハラハラもするのだが、どちらかというと心理戦で崩され暴かれ追い込まれといったような畳み込まれるような窮屈さが全開になるほどではなかった。
    その心理戦も倫理というテーマが主にあり、その倫理観を崩すか崩さないかの駆け引きがメインで、犯罪そのもの罪そのものはあって無いような軽さを感じてしまった。動機に至っても倫理観からくるものであり、伏見本人が頑なで厳格な様を貫く為の比較対象としての犯行だと感じる。ある意味では自慰行為に近い。

    もっと深層的なものを探してしまっていたため深みを感じられなかった。

  • いやー、倒叙ミステリーおもしろいです。
    同窓生との色恋沙汰や、豪邸でお酒を楽しむ雰囲気、それになんといっても伏見と優佳の関係生がおもしろい。優佳が優秀な名探偵役すぎて、犯人と名探偵の掛け合いにハラハラ、ワクワク。そして動機。なぜ扉を開けさせたくないのかの推理については作中でしっかり明言されていたので予測できましたが、ではなぜそれをさせたくないのか?は全く想像もつかない動機でした。この動機がまた…なんともいえない世界観を創り出してくれました。

    つい最近見た動画にアンチサイコパスの特徴というのがあり、その特徴というのが・正義のためなら手段を選ばない・自分の行動に後悔しない・常に他人のために行動する(敏感に他人の欲望に反応)と他にもありましたが、まさしくこの犯人だなぁと(全然関係ありませんが)これも一種のサイコパスなのかと興味深かったです。
    あとがきにもありましたが、自分の正義(美学)を押し付けられて殺されるなんてたまったもんじゃないです。 

  • 扉を開ける/開けないの舌戦がたまらない! 駆け引きと企みを解き明かす推理がスゴイ。倒叙ミステリーの傑作!

    同窓会で集まった仲間達の一人が、ひそかに殺人を実行する。犯人は発見を遅らせるべく、扉を閉ざされたままの状態になるよう尽力するが、鋭利な頭脳をもつ女性と静かで熱いが始まる。

    面白いっ!がっつり倒叙ものを読んだ満足感が最高。読み物としても筋が整っていて綺麗で、登場人物の色恋の関係性で盛り上げていく展開も見事。素晴らしい。

    なんといっても、少しずつ真相に迫ってくる緊張感がたまらんすね。倒叙ものの一番の見どころ。
    優佳が怖いのなんのって!頭の良い女性は大好きですが、切れ味鋭すぎて、さすがに身震いしました… 犯人役、他の登場人物も人間性の魅力たっぷりで頭脳明晰に描かれており満点です。

    殺人の動機も意識が高くていいですね。若干現実性に疑問がありますが、人の罪悪の基準は人それぞれだし、優秀な人ほど陥りそうな価値観です。扉が開かれた後のストーリーがめっちゃ気になるので、速攻続編を読むことにしました。

    倒叙もの独特の駆け引きが最高の作品、ミステリー好きには超おすすめです!

  • オーディオブックだったけれど、登場人物はそれほど多くないし部屋割り複雑じゃないし、聴くのに特に問題がなかったので良かった。
    大学の卒業以来、初めて開かれた同窓会で事件が起こるのだけれど、倒叙ミステリなので、探偵役は誰なのか、どのように明かされて行くのか、そもそもどう着地するのか、一体なぜこんなことをしたのか…など、先が気になって一気に進みたくなってしまう内容でした。
    シリーズものの一作目なのは読み終えてから知りました。倒叙3部作の1作目でもあるらしい。
    これは他のもの読まねばですね。

  • 思いもかけず、半日程度で読み終えてしまった。
    久々の倒叙ミステリー。
    じりじりする犯人目線での追い込まれて行く感じ、詰んだ時の崩れ落ちるかの様な脱力感。
    探偵との頭脳戦、存分に楽しめました。(この探偵は怖過ぎですが・・・)
    続編も有るみたいですので、また本屋さんへ行かねば、ですね。



  • 最初に犯人がわかった状態で進む密室殺人の話
    面白かった〜
    ネタバレになりそうで書けないけど、犯人の意図もなるほどそういうことか!っていう伏線回収。
    小さいことまでひとつひとつ回収されて気持ちよかった。

    こういうの読んでると密室殺人って現実に成り立つんじゃないの!?っていうくらい完璧なやり方だった!…と思った笑

  • 倒叙ミステリーって面白い!新たな発見でした。
    同窓会で集まった個性豊かな登場人物たちのやりとり、お酒や食事を楽しむシーンが印象的でした。
    伏見と優佳の頭脳戦が見どころで、特に、しばらく黙り込んだ優佳が発言し始めるときは、一体何を言い出すのだろうとドキドキでした。

  • 中盤辺りでもしかして遺体は発見されないパターン?って冗談半分で思ってたら、本当に発見されなかった(笑)
    殺人事件なのに遺体が発見される前に真相解明したうえに物語が終わるとか斬新すぎてかなり好き。

    扉が高価だからぶち破るのも抵抗がある。窓を割るとセキュリティ会社が飛んで来て近所迷惑等、考え方が果てしなくリアル寄りなのも逆におもしろい。

    ただ、犯行動機が微妙。

    ☆3.4

  • 友人が本当に大変な状況と心配するなら、あれこれ議論なんかせず、どんなことをしてでも部屋に入るかなぁ頭で考えるより行動するのが普通かな?
    それより冷静装ってよう話すなぁ~伏見
    このミステリーがすごいというか、、、理屈くさっ

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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