水の城―いまだ落城せず 新装版 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396334246

感想・レビュー・書評

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  • 「のぼうの城」を読んで、いろんな方の感想に「こちらの方がおもしろい」と
    書かれていたので、興味を持って読んでみました。

    確かに……。
    こっちの方が読んでいておもしろいかも。
    ことさらに長親のことを人望厚い人柄に書いてるわけでもないのに、
    なんだか「いい人」な感じが伝わってくる。
    わざとらしい「長親さまの頼みだ、聞いてやらないわけにはいかねえ!」
    みたいなセリフもないのがいいし。

    こちらの長親は「小柄」と書かれていて、のぼうにはでくのぼうだけに
    大きい人、と書かれてる。
    ずいぶん両極端だけど、本当はどっちだったのかな?

  • 設定が類似してるもで、もしやと思ったがやはり「のぼうの城」と同じテーマでした。
    「のぼうの城」は非常に楽しく読ませてもらいましたが、順序からいうと、「水の城」が先なんですね。

    しかし描き方がかなり異なるのと、もともとの史実に魅力あるせいで、こちらはこちらで楽しく読了。

    「のぼう」ではかなりドラマチックに、良くも悪くも「映画的」に描かれているのに対し、こちらは人間模様やリアリティを重視していて、
    要するに、どちらも なかなかの逸品でした。

  • 忍城が落ちなかった本当の理由がどうだったかは分からないけど、
    なるほど…そういう事もあったのかもなぁ…と思える1冊でした。
    主人公のほんわかした人柄が好印象です^^
    三成好きとしては、三成が気の毒になってきちゃう所もありますが、この戦の話なら仕方ないか…^^;
    小説の1番最後の文が、個人的にとてもグッと印象に残る文でした。
    どんな文かは、読んでみて下さいませ^^

  • 「なぜ、こんな城が!」五万余の軍勢を率いる石田三成は、蓮沼に浮かぶ小城を前に歯がみした。天正十八年(一五九〇)、太閤秀吉が関東の雄・小田原北条家に怒涛のごとく襲いかかった。百を超す支城が次々と陥落する中、なぜか三成が攻略する武蔵・忍城だけが落ちないのだ。足軽・百姓合わせてたった三千人弱の兵力にもかかわらず…。戦国史上類を見ない大攻防戦。

  • 秀吉の小田原攻めの際、圧倒的な兵力差で攻め立てられながらも、最後まで落城しなかった忍城の物語。
    映画にもなった『のぼうの城』が有名ではあるが、こちらも負けず劣らず大変に面白い。
    成田長親や領民が生き生きと描かれている。甲斐姫と真田幸村との因縁は大変興味深く、波乱万丈な甲斐姫の人生に想いを馳せました。

  • 「のぼうの城」とモチーフを同じにする物語。こちらのほうが先なんですね。

    風野真知雄さんは初見の作家さん(だと思います。)
    言いまわし等で少し気になるところもありましたが、わりと面白く読み終えました。
    城代となった成田長親が主人公ではあるものの、それ以外の、引いては百姓出身の清右衛門などにもスポットライトをあているところが、物語の奥行きを感じさせてくれて良かったです。

  • 同じ忍城を舞台とした『のぼうの城』とは異なる面白さに読む速度が上がった。史実を下敷きにした時代小説は、ある程度は自由にキャラ設定ができるものの、成田長親の描き方がこれ程違うことに戸惑いもあった。解説で《歴史観はおろか、ほとんど歴史の知識もないくせに、恥ずかしげもなく時代小説を書き出したけれど……》を、得意げに引用した解説者と、時代小説を書き続ける著者ともに不信感を抱いてしまう。願わくば本書だけは史料を調べ上げて執筆されたものと信じたい。

  • キャリアで仕事はできるが人の真似事の多い三成に対しのらりくらりと掴み所がないが部下とのコミュニケーションは大事にする長親。対照的な2人が面白い。要所での城主の妻お菊の判断力は重要なシーン。欲を言えば何故そういう決断に至ったかを詳しく知りたかった。

  • のぼうの城が面白かった人には物足りないし、面白いと思えなかった人にはよいかも?
    読み比べてみるのも一興。

  • 「我ら、餓死よりも戦死を望む者」

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著者プロフィール

かぜの・まちお
1951年生まれ。’93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞してデビュー。主な著書には『わるじい慈剣帖』(双葉文庫)、『姫は、三十一』(角川文庫)『大名やくざ』(幻冬舎時代小説文庫)、『占い同心 鬼堂民斎』(祥伝社文庫)などの文庫書下ろしシリーズのほか、単行本に『卜伝飄々』などがある。『妻は、くノ一』は市川染五郎の主演でテレビドラマ化され人気を博した。2015年、『耳袋秘帖』シリーズ(文春文庫)で第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA)で第21回中山義秀文学賞を受賞した。「この時代小説がすごい! 2016年版」(宝島社)では文庫書下ろし部門作家別ランキング1位。絶大な実力と人気の時代小説家。本作は「潜入 味見方同心」シリーズの完結作。



「2023年 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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