そして名探偵は生まれた (祥伝社文庫 う 2-3)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 915
レビュー : 109
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396334765

感想・レビュー・書評

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  • 4本の中編本


    『生存者一名』目当てだったのですが、最初の『そして名探偵は生まれた』が一番好きだったのでした。

    この、探偵とワトソンの関係。大好きなのです
    完全無欠の探偵だったり、冷血探偵だったり、優しいだけが取り柄の探偵だったり、とにかくカッコイイ探偵だったり……。
    好きな探偵は色々なのですが、それぞれの探偵とワトソンの関係も、探偵の人物像を感じる手掛かりなのですよね

    図らずも助手になってしまったワトソン、どこまでも着いて行きたいワトソン、自分が助手だと気付いていないワトソン……と、ワトソンも色々いるのですが
    探偵に憧れ、清廉潔白でクールな探偵にこそ着いて行きたい!と願うワトソンの気持ちもとっても分かるのです
    探偵とワトソンの理想のスタイルを再認識したお話だったのでした。


    目当てとしていた『生存者一名』なのですが
    「例の目撃描写」があった時点で「……ああ、これ、そうなっちゃうヤツなのですよね」
    と、気付いてしまう人は多いのではないでしょうか

    そのつもりで読んでいると、「おや?……どうなっちゃうんだろう?」と一筋縄では行かない感じ。
    流石歌野晶午。
    その二段構えが解ける頃にはもう読み終わる所に来ていて、単なるクローズドサークルではなかったのですね

    その『生存者一名』よりも好きなのが『館という名の楽園で』だったのです

    この、館の俯瞰図を見た途端にニヤニヤしたくなる感じ。大好きなのです。
    これ、思うのですよね?見た瞬間、思うのですよね??
    トリック云々よりも、館の主やそのお友達が、いいなぁ……と思えてしまったのです。

    鳴海さん達もこんな風に同窓会?したりしてたらいいな……とか。
    まあ、この同窓会は困るのですけどね。

  • 2017/05/05
    四つの短〜中編集
    タイトルから、「子供が生まれてその子が名探偵になる密室者だな!スパンが20年とかの!」と的外れの予想をしていました。

    そして名探偵は生まれた
    理想に強く惹かれる人って、独特な脆さ危なさがありますよね。

    生存者、一名
    サバイバル小説(?)としてもフツーに楽しんでしまった。男って弱いです笑。

    館という名の楽園で
    真ん中が回転すると思ってました。

    夏の雪、冬のサンバ
    さりげない描写、ヒントはあったんですね。

  • 短編集は物語に入り込む前に終わってしまうことが多いのであまり好きではなかったが、こちらはそれぞれの設定が変わっていて飽きずに読める。最後の最後に騙されることが多く、一種のミステリとして楽しめる。

  • 数年前に『葉桜の~』を読み面白かったので購入。
    読み始めて短編集(中篇?)だと気付いた。短編などの場合、先が読めてしまうことが多いが、これはそんなことなく楽しんで最後まで読むことが出来た。それぞれが独立した話で、どれも面白かった。

    特に4話目は作者の狙いにきれいに引っかかってしまい、読み終えたときに「やられた!」と一人で叫んでた。笑

  • 雪の山荘,孤島などの密室小説を集めた短篇集。歌野晶午の作品は,本格ミステリらしい本格ミステリが多く,好きな作家の一人である。
    「そして名探偵は生まれた」では,関わった事件について書いた小説によって損害賠償を請求されたことがあり,関わった事件について語ることすらしなくなった卑屈な探偵役が登場する。なんともひねくれた作品。真相を解明するのではなく,犯人をゆすろうとし,ワトソン役に殺されるという真相。ワトソン役が,名探偵になろうと誓うラストシーンが「そして名探偵は生まれた」というタイトルと相まって印象に残る。
    「生存者,一名」は爆発テロを行った新興宗教団体のメンバーが無人島で希少な食料をめぐって殺し合いを行うという作品。最後に生き残った1名は誰かという,生き残る人物を当てる,一風変わったミステリで,生き残ったのは登場人物のうち,一人の子どもというオチ。新本格系ではちょくちょくあるようなトリックだが,妙に印象に残る作品である。
    「館という名の楽園で」は,息子に先立たれた夫婦がトリックを使うために館を建てて,推理ゲームを開催するという作品。こちらも,寂しい雰囲気の作品で,妙に心に残る。
    「夏の雪,冬のサンバ」は,キノシタという人物が,日系ペルー人の「アルベルト・キノシタ」であるということを隠した叙述トリックの作品。これは比較的軽いトリックの作品。
    いずれも歌野晶午らしい作品揃いだが,できはそこそこという感じ。評価は★3かな。

  • そして名探偵は生まれた
    生存者、一名
    館という名の楽園で
    夏の雪、冬のサンバ
    中編3つ、短編1つ。
    ①は愚痴の多い名探偵が事件解決のお礼に招かれた山荘でオーナー兼社長が殺された。山荘内、密室。もちろんそれだけではない。
    ②は宗教教団によるテロを起こした犯人達が海外逃亡準備が整うまで孤島に隠れることになったが…。教団に裏切られた犯人達の心情、そして一人一人と人数が減っていく。犯人というより生き残るのは誰だ!
    もちろんそれだけではない。
    ③推理小説好きが頑張って、夢である館を建てた。大学時代の仲間を集めて推理ごっこをすることになったが…。館にまつわる甲冑の話がトリックに絡んで来るため、これを解かないと。
    もちろんそれだけではない。
    ④アパート内で殺人が発生する。住人は1名の日本人以外は全て外国人、さらに外では雪が降っていた。短編ではあるが、話もトリックも申し分ない。
    兎に角、作者はフェアであるため、読む側としては充分に条件が揃っているのに解けない…、しかも話しが面白く、次が気になり読んでしまう。何と抜群な作家だろうか。

  • 【そして名探偵は生まれた】最後の3ページに驚く。しかしそれより前にも衝撃の出来事が…。一体何段構えなんだ!?と驚かずにはいられません。【生存者、一名】最後の最後のまで読めそうで読めない結末。世間での報道と現実との対比が面白い。【館という名の楽園で】直前の生存者一名で人がどんどん死んでいったのでこちらは安心して読めました。館の主人が語る話とリアル謎解きとの関係、ゲームだからこそできるほのぼの感。ラストは途中でなんとなーく読めましたが1番好きなお話です。【夏の雪、冬のサンバ】犯人までわかるかはさておき、よく考えればトリックは気付けそうなのに…まさかあれも伏線だったなんて。ただ他の3作品のインパクトが強すぎたので少し物足りなく感じました。
    なんだかんだ言って気に入った一冊です。
    「葉桜の季節に君を想うということ」も読んでみたいと思います。

  • 短編集だったので少しがっかり。
    4編とも面白く、もう一度読み返したら別の楽しみ方ができそう。

    「生存者、一名」も面白かったが「館という名の楽園で」が一番ストレスなく読めた。

    解説も面白い。

  • 表題作含め4つの密室を扱ったミステリー短編集。
    それぞれ、なるほど、と思わせるストーリー展開。おもしろいがただそれだけ。高校生のときに読めばそれなりに興味深かったかもしれないが、この歳で読むとなんだか現実離れした劇画のような作品で私には合わなかった。
    若い頃、推理小説にはまったときは、クイズを解く感覚で謎解きに興味があったが今はストーリーの意外な展開を楽しめる小説がお気に入り。
    4作品の中で一番よかった作品は「生存者、一名」。無人島が舞台。置き去りにされた男女はどうなるのか?一般社会から隔離された無人島で男女の間で起こることと言えば・・・。桐野夏子の「東京島」でもそうだが、無人島を扱った作品は好きだな。

  • 14.04.20
    まさかの中・短編集だった。面白かった。なるほどな〜って感じ。最初と最後を綺麗に落とすなあ。
    「そして名探偵は生まれた」…ラストで!?(◎_◎)ってなった。
    「生存者、一名」…だいたい想像通りだけど鳥肌。こわい。
    「館という名の楽園で」…館ミステリーの大定番としてわかりやすいけど、館ができた背景とかそっちのほうがいい話だと思う。
    「夏の雪、冬のサンバ」…うまくフェイクをまぜるな〜。こいつ?じゃあこいつ?って考えるんだけど、結局犯人は…っていう。

    『葉桜の咲く頃に〜』っていうタイトルだけは有名で知ってたけど、初めて読んだ作家。他の作品読み漁りたくなった。

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著者プロフィール

1988年9月、『長い家の殺人』でデビュー。

「2017年 『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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