今回はさすがの錬蔵もうかつには手出しができない
悪党を相手にすることとなります。
相手は旗本の二男ゆえに下手に手を出すと
大変な目にあるから。
敵もそれを知っているらしく
我が物顔で悪の限りを尽くしますが…
錬蔵はある「つて」を有効活用します。
実はこの悪党は本当は才能のある
有能そのものの男でした。
しかし二男というその境遇が
彼の才能を生かす場を阻害してしまったのです。
その行き場のない怒りは社会への反旗へと
向かっていったのです。
でも、たった一人、その男を慕う
愛する女性がいました。
悪党はその女をしがらみから救うために
金を惜しまなかったのです。
そして、他の悪党たちの慰み者にも
させませんでした。
それを知っていたからか
錬蔵は今までの巻とは違って
彼の命まではとらなかったのです。
その才能があればどこでも本当は
やっていける男だから…