陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 14747
レビュー : 955
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396335212

作品紹介・あらすじ

嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、精確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリは殴打される中年男に遭遇-天才強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。しかも、華麗な銀行襲撃の裏に「社長令嬢誘拐」がなぜか連鎖する。知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス!文庫化記念ボーナス短編付き。

感想・レビュー・書評

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  • やっぱりシリーズ物は読めば読むほど好きになる。

  • 文庫版を買って正解だ。第一章の初出は小説NONで、成瀬たちギャングのそれぞれの日常を描き、第二章の壮大な伏線になっている。第二章は新書版書き下ろしで、銀行襲撃時に居合わせたドラッグストア経営者の令嬢が気になるというだけで、裏社会の連中と対決することになるのだが、この漫画的展開は嫌いではない。そして映画公式ガイドブックに収録のボーナストラックありと、満足な一冊。次はデビュー作をよみたいな。

  • 一作目が良いと続編への期待度は上がる。
    その意味で満足できなかったので☆3つだけど、『…地球を回す』を読んでなくて何の期待もせずに読んだらもっと高評価になったと思う。
    決してつまらないということではない。

    作者が途中で改心したように、やっぱり彼らは個人行動よりも寄ってたかってた方が魅力的なので、最初の短編×4はちょっと消化不良だった。
    でも、そこが伏線となってるのは、伊坂さんらしいし、回収されない伏線もどきもあったりして、作者対読者の騙し合いみたいな感じで読んだ。

    個人的には成瀬の仕事っぷりが垣間見れて嬉しかった。

  • 陽気なギャングシリーズ第2弾!
    今度のロマンは人助けだ。
    誘拐された社長令嬢を助け出せ!
    個性派4人にはありきたりな日常は物足りない。
    コミカルな会話とテンポ良い展開が気持ち良い伊坂ワールドを満喫できる物語。

    嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女
    の四人の天才たち。
    その天才強盗4人組が巻き込まれたバラバラな事件。
    これが「社長令嬢誘拐事件」に連鎖していく。

    序章は、ギャング4人にまつわる4人の視点で始まる。
    前作と異なり、戸惑いながら読み進める。
    ここでのキーワードや伏線が後につながってくる。
    だまし絵的な展開にニヤリとさせてくれる。

    社長令嬢の誘拐が、なんと、さらに別の誘拐に展開。
    ドラッグストアのワンマン社長とカジノのドンの対決のドサクサに紛れて、
    令嬢を助け出す。

    教訓のような訓示のような、あるいは、罠なのか?
    「巨人に昇れば、巨人より遠くが見える」
    「ガラスの家に住む者は、石を投げてはいけない」
    「卵を割らなければ、オムレツを作ることはできない」
    「毛を刈った羊には、神も風をやわらげる」

    クライマックスは、カジノに乗り込んだところ。
    響野と久遠をダシに強盗計画を垂れ込んだ成瀬が憎いくらい楽しい。

    司令塔・まとめ役な成瀬がいるからこそ計画遂行できるんだけれど、
    響野という、とぼけ役がいるから、まとまるんだ。
    4人の持ち味を出し合った展開が気持ち良い。
    鬼怒川は、今頃、あの国でゆっくりしてるのかな?

  • 面白かった!どちらかと言うと前作の方が好きだけど相変わらずキャラクターが良かった。成瀬さんの日常が見られて楽しかったー。響野さんと久遠の会話が好き。

  • 地球を回す同様に面白い!
    とにかく「楽しむ」にはもってこいの一冊だと思います。

  • 「陽気なギャングが地球を回す」の続編。
    陽気というか、暢気ですね。

    響野と久遠の会話が面白い!響野をバカにしてるんだけど、好ましく思ってる雰囲気も伝わるから不思議。

    再読なのですが、以前読んだ時は話の繋がりがぎこちなくて、伏線の回収もしきれてなかった気がしてイマイチ、と思っていたのですが、全然そんなことなかったです。
    一気に読み過ぎて自分が話についていけてなかっただけでした(´∀`;)
    前作にも劣らず楽しかったです!

  • 世の中では“勧善懲悪もの”が流行っているらしい。でも私は思うんだけど、絶対的な正義ってホントにあるのかな。絶対的な悪ってホントにそう言いきれるのかな。白黒があいまいな世の中だからこそ、せめてフィクションの中では白黒はっきりさせたい、っていう人々の願望が表れているのかもしれないけど、それは結果的に、正義と悪は表裏一体だということを証明しているようなもの。私たちの生きる世は、そんなに単純明快じゃない。

    私の根底にそういう心理があるからこそ、伊坂幸太郎作品に深く魅了されてしまうのかもしれません。4人組の強盗団の“続編”を読み、その思いを新たにしました。彼らは強盗をはたらくれっきとした犯罪者であるけれど、自分たちの信じる価値観に基づいて、時に人助けに奔走したりする。そんな彼らを悪と言いきれるだろうか。とはいえ、正義だと言ってしまっていいのだろうか。白黒はっきりしないモヤモヤは、決して不快ではなく、むしろそれこそ人間らしいあり方じゃないかと清々しさすら感じさせてくれる不思議な存在です。

    第一章で4人が別々に出会う4つの出来事がそれぞれ短編の形で語られ、第二章からは再び4人がそろって強盗を行うシーンから物語が加速していきます。第一章の4本の短編はいわゆる“スピンオフ”的な性格のものかと思ったら、第二章から動き出すメインの事件とさりげなく、時に直接的にかかわってくるから面白い。「あぁ、あの人」とか「ここでこうつながるのね」とか、伏線の張り方とその回収の仕方がさすが伊坂作品だなと思わずにはいられない展開に目を見張り、引き込まれていきました。さらに、すっかり忘れていた伏線さえ回収されていて、その繊細さに驚かされたり。

    成瀬の賢さには感心するばかりですが、それもこれも、響野と久遠という愛すべき直情的なキャラクターが身近にいるからこそ、その性格が生かされているようにも思います。そして、雪子が彼らに与えるスパイス。絶妙なバランスで構成される4人組は、だからこそ彼らのルールにのっとった鮮やかな強盗が完遂できるんだろうなと、これまた感心するほどです。

    “A Bonus Track”の「海には、逃がしたのと同じだけのよい魚がいる。」では、響野の妻、祥子の人柄がうかがえるエピソードが。本編ではサブキャラクター的な位置づけですが、彼女の存在もまた、ストーリーに欠かせない存在。すべての登場人物が絶妙なバランスをとりながら日常を回している。そのことに気付いたとき、白黒はっきりしない世界の中で、自分もまた世の中のバランスを保つための一本の軸なのかもしれないと思い、ささやかな栄誉を感じたりする次第です。

  • 『陽気なギャングが地球を回す』の2作目。
    ギャング4人組の連作短編が寄り合わさりながら2章、3章へ。今回は前回の失敗を踏まえた銀行強盗をしたはずが、誘拐事件を解決することになり…

    響野さんのセリフと全員の苦笑&総ツッコミが好きすぎて、好きな文を引用しようとすると大変なことになるので自重するくらい好き。がっつり驚きの伏線は少なめだけれど、物語がトントンと転がっていく様は読んでいて気持ちよい。

  • 相変わらずの、安定の、おもしろさ。
    ギャングなのだから悪い人たちなのだけれども、それぞれにおもしろい特技があって、団結して良いこともやってしまう。
    憎めない、愛しいキャラクターをずっと見ていたくなる。
    軽快なかけあいも、広辞苑から引用、改変した文章もまたおもしろい。
    これはアニメにしてもおもしろいかもしれない。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業後、SEとして働くきながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。
2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。
上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されてきている。

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