- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396335212
感想・レビュー・書評
-
伊坂幸太郎さん、ギャングシリーズの第2作目の作品。
前作同様、主人公の4人のギャングが躍動しユーモアたっぷりの知的なやり取りを楽しませてもらえる作品だった。
物語は前作以上に枠を外れた突拍子のない展開で、進めば進むほどストーリーが熱を帯びて融合していく様にまとまりのある話になっていく。そして読後凄い満足感に包まれる。
前作もそうだったが、4人の会話が非常に多い物語。飛び交う会話で物語を進行させていく場面がとても多いと感じる。
そのテンポ、ユーモア、センス、キャラクターの人物像の個性が飛び抜けている。素晴らしすぎる。
誰の台詞か書かなくてもわかる。それぐらい最初からしっかりと練り込んだキャラクターの個性の設定だろうと感じる。
今回は第一章で4人の各々の単独なストーリーを仕立て、そこを繋げて絡めて進んでいくような物語だった。
見事な伏線になって最終的に心地良いと感じる所もあれば、結局なんだったのだろう?と読後に考え直す所もあった。
「幻の女?」「和田倉は?」「良子はどうなったのか?」分からない。
最後の最後でも読者に向けて「手品の種を知ってショウを楽しめるか?」ショウはまだ読者の中で続いている、その先の物語は読者が楽しんで考えてくれ、という事なのか?
もしそうならばそこまでもが伏線なのか?
凄い作家さんだ。
3作目も期待。すでに4人の大暴れに胸が騒いでいる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読です。
この本も、実は先に新書版を買ったのですが、例によって弟に貸したら返ってこなくなったので、文庫版を買いなおし、いつか読もうと置きっぱなしだったのを先日、見つけました。
文庫版には、新書版にはないA Bnnus Trackと解説がついていたので、お得感がありました。
CONTENTSを読んでいるだけで、何だか軽快な音楽とともに車で走り去っていく4人の銀行強盗たちが見えるような、スタイリッシュなカッコよさです。
相変わらずのユーモアとエスプリが効いたとぼけたセリフ回しにクスリと笑えます。
作者あとがきによりますと、第一章は四つの短編(四人の)だったものを、長編の第一章として組み込み、第二章以降は銀行を襲ってからのお話として書き下ろされたそうです。
四つの短編は本格推理の様式で四人がそれぞれ探偵役を務めています。
銀行強盗の話は銀行強盗対、警察ではなく、銀行強盗対、誘拐犯というありきたりでない構図が面白いです。
好きだったセリフをいくつか挙げます。
・「あの人たち本当に、駄目な感じだったから」
久遠の言い方には好感がこもっている。
・「恐怖新聞の勧誘員と言えば、分かってもらえるかもしれません」
・「あの人たちはみんな、日頃、悪いことばっかりしてるから、時々ああやってどうでもいい人助けをしたくなるんだよね」 -
銀行強盗に憧れたのは初めてだ。
この四人組の会話をずっと聞いていたい。
この本は辞書だ。
お人好しなのか、ありがた迷惑なのか。
思わず笑ってしまう。
カジノ、借金、誘拐、裏社会。恐ろしい単語が並ぶ、が、恐ろしいか?
まさに題名どうり。
あとがきにあった。
「嘘もずいぶん混ざっておりますので、その旨、ご了承いただければと思います。」
面白い。なんで人だ。何者なんだ。
今更ながら、私は伊坂幸太郎を知った。
素敵な嘘をつけるようになりたい。
「カジノのことを教えてほしいんだ。火事じゃないよ、カジノだよ。」
-
はい!本当に素敵な4人組です。
なぜ四人組なのか、という理由も面白いし。
もし自分が久遠だったら〜とか考えちゃいます。
いつも、この四つの能...はい!本当に素敵な4人組です。
なぜ四人組なのか、という理由も面白いし。
もし自分が久遠だったら〜とか考えちゃいます。
いつも、この四つの能力が一つだけもらえるならどれがいいかな…?と考えています笑
私は、響野さんか雪子さんがいいなぁ…2022/11/13
-
-
面白くて読み終わりたくなかった。
けれど意外と最後あっけなく、潔く、収束して、他にも回収しきれてない伏線が無かったか?思案するも、とにかく爽やかな気分で読了したのでオールオッケー。笑
個性強めで非凡なキャラクターたちが今回もフル稼働していて、けれどうまくバランスの取れた4人組だなぁと。
毎回辞書引用のようなものがついているのだけれど、そこも捻りがあって面白い。
ひとりひとり人間離れしたような超越した能力を持ち合わせているけれど、中身はすごく人間味のある人たち。
というのがまた愛らしい。
伊坂さんがこのキャラクター達を愛しているのがひしひし伝わってくるのもまた良き。
-
前回に引き続き、今作もかなりおもしろかった!! 『海には逃がしたのと同じだけのよい魚がいる。』のショートストーリーもすごく良かった!!
話しのテンポもいいし、広辞苑の内容もクスッと笑わせてくれますね(^^)
確か続きが出てたから次も読んでみたい!! -
何故が再読笑 この作品は本当に面白い。4人のメンバーのパワーバランスがバラバラなようで、誰かが欠けてもきっと成り立たないと思える絶妙さ。この作品でずるいのは田中の存在笑。ちょっと無理があったり、それさえ裏がとれれば!ってとこに田中の影ありってことで、さながら007のQっといったところか。是非とも田中のスピンオフを読んでみたいものです。
-
ギャングシリーズ第二弾。
本作も相変わらず、ギャング4人のユニークな言動の数々と見事な活躍っぷりが痛快!
そして、巻末のボーナストラックも人情味のある優しい話で心が温まった。 -
「地球を回したって、何も出てこないよ」
天才強盗4人組、再び!それだけでも嬉しいのに単なる続編にせず、4人×4つの事件が1つの誘拐事件に繋がる凝った構成は見事。
悪者との頭脳戦もなかなかに小粋。著者の4人への愛を感じてニヤリ。 -
陽気なギャングが地球を回すを読んだあとに読んだほうが良い。
主人公たちが登場する時の高揚感は前作を読んでいないと味わえない。
響野キターーーーー!!と心の中で叫んでしまった。
最初は短編で単独の話が続くが、やっぱり主人公達のやりとりがこの本の面白い所だと思う。
こういう友達がほしいなぁと思ってしまうが、細い路地に追い込まれて始末されそうになるような計画に巻き込まれるのはイヤだ。
摺った財布から犯人(?)を追うところも、どんな人なんだろうとワクワクする。
響野×久遠のやり取り最高。 -
ロマンはどこだ?
『世界を回す』に引けをとらず、笑かしてくれる。個人的にはこちらの『日常と襲撃』の方が好きかも。ほんと、久遠と響野の会話が楽しくてしょうがない。