- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396335625
作品紹介・あらすじ
二十四時間、いかなる患者も診るという医療方針を掲げる希望会総合病院に、志溢れる産科医・菊池堅一は入職した。しかし現実は甘くなかった。医師不足、過重労働、理不尽な医療訴訟。そして菊池に降りかかった事件。入院患者の分娩中に救急産婦の治療が重なり、新生児に障害を残してしまったのだ…。現役医師が医療崩壊の実態をスリリングに描くサスペンス小説。
感想・レビュー・書評
-
産婦人科の医者が主人公で
医療現場のお話でした
現場の大変さが感じられました
そして追いつめられる主人公
医療小説として楽しめました詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
出産した記憶がまだ新しいうちに、と手に取った一冊。
サスペンスとなっているけれど、ノンフィクションの様な印象。
産婦人科の先生たちは本当に忙しそうで、いつ休んでいるんだろう?と検診や出産時に思っていました。
お産は自然な事ではあるけれど、やはり不安は付きもので、妊娠してから出産までの約10ヶ月間、先生や助産師さん方にお世話になりっぱなしでした。
減少していると言われている産婦人科医。
彼等の頑張りに母親となる女性もその家族も支えられているのだなぁと再認識。 -
現在の産科をとりまく問題について、事実をもとに書かれたフィクションです。
“いかなる患者も診る”という方針を掲げる希望会総合病院に、産婦人科医 菊地堅一は勤め始めます。高い志とは裏腹に現実は、医師不足・24時間の拘束・医療控訴…。そうして、医師も看護士も疲弊していきます。
お産は昔も今も命がけの大仕事です。医療技術の進歩によって、昔は失われていた命も救えるようになってきています。マンパワーさえあれば…。
安心して子供を産み、育てられる世の中にしてほしい。 -
どこの産婦人科でもこの物語のような出来事があったと思う。この物語は2000年代の産婦人科のある総合病院が舞台だけれど今はアクティブバースとか自然派みたいな流れはどのようになっているのか知りたい。
20年後の菊池先生の物語が気になりました。著者の他の作品も読んでみようと思います。 -
産科医の先生が書いた、ドキュメンタリー?な本、一応フィクションらしいけど、実話でしょ?って感じ。めっちゃリアルだった(ガチ)日本のお医者さんの数は、先進国の中で、ほぼ最下位…外科も少ないけど、特に産科医と小児科は悲惨。激務。過酷。これは平成22年に出たやつやから、コロナのことは書いてないけど、医療崩壊でこれからもっとひどくなるんかな?、
産科医が少ない理由は、夜間でも関係なく勤務が必要で必然的に激務になるから、それと訴えられることが他の科より圧倒的に多いからだって。裁判になって優秀なお医者さんも追い込まれていく…。
健診もまともに受けてなかったテキトーなお母さんが救急オペで運ばれて、無事に産めたり、子どものために愛情いっぱいいろんな準備してたお母さんが出産時に容体急変したり…
できるだけ自然に産んでほしい助産師さんとリスクを少しでも減らして確実に産むためにカイザーしたい産科医さん、、いろんな大変さが産科医にはあるんやって思った。 -
産科医が減ってるというのはなんとなく知ってたけど、実際の医療現場がここまで逼迫してるのは驚きだった。自己犠牲の元成り立ってる日本の医療体制がどうか改善してほしい。医療関係者に、頭が下がります
-
ある緊迫の一晩の描写から始まる。
途中は、主人公が医師になってからその晩に繋がるまでの過程が丁寧に描かれる。
読みながら抱く感想は、「医者になんてなるもんじゃないな。特に産婦人科医には」だ。
医師にもっと希望を持たせたい。救いを与えたい。
率直にそう思う。 -
産科の大変さと、エネルギッシュさ。