十日えびす (祥伝社文庫 う 3-2)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396335694

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  • 幼馴染の錺職人・三右衛門の後添えになった八重。
    三男三女の母親となって、5年。
    その夫が、急逝した。

    翌日、長男・芳太郎が、自分が仏壇の世話をすると言い出した。
    継母を追い出し、家賃の不要な家に、一家で住む魂胆だった。
    他の兄妹も、芳太郎に賛成したものだから、八重は、末娘のおみちと、家を出るしかなかった。

    裏店に家移りして、小間物屋を開いた八重の元に、芳太郎夫婦が、相次いで、お金の無心にくる。

    その上、八重の引越した裏店には、毎日、大きな音で布団をたたく、お熊という女丈夫がいて、住民と揉めまくっていた。

    揉め事ばかりの世の中で、他人と折り合いをつけながら、健気に暮らす八重とおみち母娘。

  • 良い、やっぱり何度読んでも良い。季節を6個に上手い掛け言葉だと思うし現代の近所付き合いに肉親のゴタゴタ醜い争いを書いてあった、めちゃくちゃ理解できるから。お熊は出だしから強烈だよ、物言いもだし、存在そのものが、もし自分が当事者になったなら、親分と同じ対応するかな、他人事だからいうのだけれど。でも鶴太郎が亡くなるとは、そのまま同じ世帯になって暮らしていけると思うけど、残念。お熊と八重と近づいて離れてが何度もあった、コロコロ変わるけど、毎日何かしらあるという事なんだろう。醜い争いの後も関係が続く、たしかに

  • 10日くらいはそこに、えびすを感じた。

  • 夫が急逝、仲の良い義理の娘と、新しい家の周りの人々、義理の子供達との苦労だけど、いやだいやだといいつつ前向きに生きているのが、心に響いた!

  • 幼なじみで錺職人だった夫が急死して、家を追い出された後添えの八重。実の親子以上に仲がよいおみちと新しい町に引っ越すが、そこには近所の鼻摘み者の猛女がいた。
    家族内のゴタゴタや近所の揉め事など、まさに『渡る世間は鬼ばかり』のお江戸版。嫌われ者のお熊のモデルは、おそらく何年か前に話題になったあの人だろう。サブタイトルの『花嵐浮世困話(はなにあらしよのなかこんなもの)』ってのが言い当て妙。

  • 図書館で読んでない宇江佐さんの作品を借りる。江戸日本橋が舞台の人情時代長編。後添えの八重は幼馴染だった錺職人の夫が急逝し生さぬ仲の子供達に家を追い出された。実の親子のように仲のいい末娘のおみちと日本橋に引っ越したが、向かいには岡っ引きも手を焼く猛女お熊が住んでいたからたまらない。しかも、この鼻摘まみ者の息子におみちがほの字の様子。やがて、自分たちを追い出した長男夫婦が金の無心に現われる。健気に暮らす母娘を中心に江戸情景・人情豊かに描く作品だが、終盤方向性があやふやになり困惑?名作にならず残念。

  • お熊はなんとも強烈な個性の持ち主だ。こんな隣人なら願い下げと誰しもが思うような人物だが、よく知りあってみると息子鶴太郎思いのまっすぐな気性の持ち主だとわかる。
    引っ越してきたおみちと八重は義理の親子だが、仲むつまじい。けんか腰のお熊とのやりとりがおもしろい。
    親子のいつも周辺はばたばたしているが、2人は「なるようになる」の心意気で生きる。これが人生かも、と思えるような話だった。

  • L
    夫を亡くし夫の娘おみちと新しい生活を始めた八重の暮らし。
    いや、やっぱり痛烈なことも沢山あるけどこれぞ暮らし。何気ない言葉に泣ける。

  • う~ん。。。江戸の情緒あふれる話と思いきや。。。お金お金お金お金。。。ずっとこの話ばっかりな印象。
    描写が池波正太郎さんのようにとても良かっただけに残念。
    主人公の感情の起伏も激しすぎてなんだかな。。。
    最後までたんたんと終わった感じがした。。好きな人は好きなんだろうが。。。

  • 浮き世のあれこれ 困り事 花も嵐もあるもんか…。
    宇江佐さん 見事な副題だぁ!

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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