百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
3.91
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本棚登録 : 5919
レビュー : 705
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396336080

作品紹介・あらすじ

「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは-。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった…!」恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 冬眠していた私の恋愛願望が目を覚ましてしまった。この世界観、染み込む。胸が締め付けられる。10代のうちに恋愛鍛錬を積んでおかなかったかつての自分に物申したい。
    「声をかけられてダッシュで逃げるのはやめなさい。男の子は熊でも野猿でもないのよ!ほらほら!学園祭のあの子とか!」

    若い時にしか出来ない恋ってあるんだよね、やっぱり。

    「キャベツ畑に彼の声」
    テープ起こしのアルバイト、聞こえてきたのは先生の声?黒いセルフレームの眼鏡、手作り弁当を毎日持参、謎に包まれた先生にますます心惹かれる久里子。BGMは相対性理論の「地獄先生」でいかがでしょうか。

    「なみうちぎわ」
    長い眠りから目覚めたら五年が経っていた。姉は一児の母に、家庭教師先の教え子は高校生になっていた…時の流れに戸惑い、見慣れぬ「男の人」になってしまった小太郎に戸惑い…

    「小梅が通る」
    冴えない外見、地味な性格。同じく、目立たない友人とひっそり教室の空気と化している柚木。しかし彼女には大きな秘密がある。実はその冴えない外見はメイクで作られたものだったのだ…

    「百瀬、こっちを向いて。」
    アンソロジーか何かで既読。

    学校のスターにして、命の恩人。憧れの先輩からあることに協力を求められた僕。それはある少女と親しく装うことだった…ほおずきの花言葉、覚えちゃったよ。

    ああ、こんな恋がしたい!!最近めきめきと存在感を増すHARANIKUにMUNEへの移籍を持ちかけるも、交渉不成立のとある冬の日。

    • まろんさん
      10代なんて、いくら遠い目をしても
      地平線の彼方にうっすら見えるか見えないかになってしまった
      私でもきゅんきゅんする本なので、うら若き乙女の...
      10代なんて、いくら遠い目をしても
      地平線の彼方にうっすら見えるか見えないかになってしまった
      私でもきゅんきゅんする本なので、うら若き乙女のhetarebooksさんの
      恋愛願望が目覚めるのは、まさに自然の摂理!

      ふくらむ想いを畑でむくむく育つキャベツに例えたり
      初恋に時間を飛び越えさせたり、秘密の恋をこんなにみずみずしく描ける中田永一さん。
      こっちの名義の作品ももっと書いて!とついつい思ってしまいます。

      まだ雪が降ったり冷たい風が吹き荒れたりするけれど
      ちょっぴりフライングで冬眠からさめて、素敵な恋をしてくださいね!
      HARANIKUは、寄せてあげてるうちに、MUNENIKUだと錯覚して移籍してくれるかもしれないし(*'-')フフ♪
      2013/01/28
    • hetarebooksさん
      まろんさん

      ありがとうございます!!

      バレンタインも近いことだし・・・自分用チョコばっかり買っていないで男子にもチョコ渡そうかな...
      まろんさん

      ありがとうございます!!

      バレンタインも近いことだし・・・自分用チョコばっかり買っていないで男子にもチョコ渡そうかな。。。♥♡

      HARANIKUに加え、NINOUDEも育ってきましたがこちらにも移籍を提案してみます♪

      みずみずしい♪本当、ぴったりの表現です♥中田永一さん名義なら、夜中に読んでも背筋がゾクゾクじゃなくて、胸がふくふくしてきますし♪
      2013/01/30
  • 真っ白な背景にブルーのタイトルがすうっと浮かぶ表紙のように
    「せつない秘密」という洗礼を受けて動き出す、みずみずしい4つの物語。

    自分を人間レベル2と見積もり、薄暗い電球のように目立たず騒がず
    誰の邪魔にもならないよう生きてきたノボルは、
    崇拝する先輩(推定レベル90!)の恩に報いるために。

    大人を信じられない小学生だった小太郎は、
    信じたい思いが嵩じて犯してしまった過ちの重さを5年間噛みしめながら。

    テープおこしのバイトに励む女子高生久里子は、
    思いもよらない場所で耳に飛び込んできた、気になる先生の声をきっかけに。

    地味で控え目な内面にそぐわぬ美貌のせいで男子に付き纏われ、女子には疎まれて
    「みんなあなたの顔が好きなだけで、あなた自身には誰も興味がないんだから」
    と投げつけられた言葉の呪いにがんじがらめにされた柚木は、
    静かに普通に生きるためのやむにやまれぬ方便として。

    さまざまな経緯で抱えることとなった秘密に翻弄されながら
    少しずつ水面に顔を出し、今まで視界にも入っていなかった空を見上げ始めるような
    少年少女たちが、ひたすらいとおしい。

    家庭教師をする女子高生と、そのナマイキな生徒の小学生という関係を
    事故で5年間眠り続け、時を止めた眠り姫と
    病室で密かに彼女にキスをして一足飛びに時を飛び越え、姫の目覚めを待つ17歳の王子、
    というシチュエーションに変えてしまう中田さんならではの魔法も

    少女の胸の中でふくらむ想いをキャベツ畑でまるまると太っていくキャベツになぞらえて
    言葉にして出荷しなければ、と手紙をしたためさせるセンスも、とても素敵で

    この本を薦めてくださったブクログ仲間さん、本当にありがとう♪
    と感謝せずにはいられない1冊でした。

    • koshoujiさん
      こんにちは。
      まろんさんのレビューを読んで、この本の存在を知り読みたくなったのです。
      とても良い内容でした。
      どこまでも広がるブクログ...
      こんにちは。
      まろんさんのレビューを読んで、この本の存在を知り読みたくなったのです。
      とても良い内容でした。
      どこまでも広がるブクログの輪ですね。
      うれしいかぎりです。
      2012/09/30
    • まろんさん
      koshoujiさん、こんにちは!
      私の拙いレビューをきっかけにこの本を読んでくださったなんて、うれしいです♪
      乙一さんとは知らなかった中田...
      koshoujiさん、こんにちは!
      私の拙いレビューをきっかけにこの本を読んでくださったなんて、うれしいです♪
      乙一さんとは知らなかった中田永一さん、
      追いかけていきたい作家さんです。
      koshoujiさんもおっしゃる通り、ブクログの輪☆のおかげで
      私も今まで知らなかった作家さんと巡り会えて、本当に感謝感謝の毎日です。
      koshoujiさんおすすめの本も楽しみにしていますので
      どんどんレビューを書いてくださいね!
      2012/10/02
  • 誰かを好きになる程、苦しい。
    この感情を知ってしまった事を後悔するほどに。
    それでも、一緒にいたい 言葉を交わしたいと思ってしまう。そういう瑞々しい描写が魅力の物語。

    好きなのか、それとも何か別の感情と勘違いしてるのかも…と揺れ動く気持ちもすごく共感できる。

    明るく元気なやつばかりじゃない。
    恋愛も素敵で楽しいことばかりじゃない。
    そんなところがお気に入りの本。

    百瀬、こっちを向いて
    小梅が通る が好き。

  • 普段あまり短編集読まないけど、一気読み。
    ひらがなが多くて読みづらさはかなりあった。最初はわざとなのかな〜と思ったけど、どのお話もひらがな多め。この人がこうゆう書き方なのかな?
    -小梅が通る-
    イライラしながら読んだ。人間はみんな外見で態度を変えるだろ…と思いながら。「顔が好きなだけであなた自身を好きになる人はいない」って…顔が好きって十分好きって事だと思うけどな。あなた自身の"自身"が何を表したいのか理解出来なかった。友達が言うセリフにしてはおかしく感じた。

    • KEVINさん
      分かります。小梅が通る、イラッときますよね。
      分かります。小梅が通る、イラッときますよね。
      2020/01/09
    • ぴーまんさん
      血圧上がるくらいだいぶイライラしました!笑
      血圧上がるくらいだいぶイライラしました!笑
      2020/01/10
  • 著者の中田永一さんは覆面作家なのです。それが誰なのかは、もう知っている方はたくさんおられるのでしょうが、せっかく違う名で小説を書かれているのだから、この本棚では明かさないでおきましょうか。

    この小説は、「百瀬、こっちを向いて。」「なみうちぎわ」「キャベツ畑に彼の声」「小梅が通る」の4編の(初)恋が描かれています。
    これらのタイトルから、まるで透き通るような瑞々しい旋律が聴こえてくるようです。
    どの物語も教室の片隅で存在を消しているような少年少女たちの恋の行方。彼らはどんなときでも、けっして主人公になれない存在だと自分たちは十分分かっています。
    誰にも気づかれることなく生まれた恋。パウダーシュガーのような、あまくてキラキラした淡い恋は綺麗です。
    たとえ騙し、だまされた先に現れた恋だとしても。
    たとえ試し、ためされた命をかけた恋だとしても。
    たとえ彼の声が耳元をくすぐる秘密をダシにした恋だとしても。
    たとえ自分を偽った先に待っていた恋だとしても。

    他人から見れば、ちょっとずるいんじゃないのとか、そんなの恋じゃなくて同情とか疑似だとか、いろんな言われようがあるかもしれないけれど、まっすぐな汚れのない気持ちだけで成就する恋が、この世に存在するのは限りなく不可能に近いのじゃないのでしょうか。
    混沌とした漆黒の闇に抱かれているから、地上から眺める星はあんなにも輝いているのでしょう。
    恋とはそんなものだと思うのです。

    「百瀬、こっちを向いて。」
    女子なら最初からピンときていた人もいたと思いますよ。
    誰が一番演技がうまかったのか。
    わたしは分かってましたよ(笑)男ってのは騙しているつもりで、けっきょく騙されているのだ(笑)

    一番好きなのは、「キャベツ畑に彼の声」
    声フェチの私には、遠くから眺めることしか出来なかった憧れの人の声が、イヤホンから耳元へ流れ込むのはぐっときます。
    速攻恋におちます‥‥。

  • 胸の真ん中が苦しくなる!

    二作目の「吉祥寺の朝日奈くん」を先に読んで以来、大ファンになってしまった中田永一の処女作。ひねりの効いた「吉祥寺の~」よりは、割とストレートな印象だ。作者が物語の中の女の子のように、仮面を被っている感はある。

    十代の男の子や女の子の瑞々しさが、素直に心に染み渡る。暖かい気持ちになる。こんな恋愛がしたかったな……(遠い目で)
    今の私にもこの小説の素晴らしさを感じることができるということは、まだまだ私の心の一番大切な部分は毒されていないということなのだ。

  • 爽やかな恋愛短編集。
    甘酸っぱいお話ばかりで 若いっていいな~と思った。
    「小梅が通る 」が一番よかった。

  • クラスにいるあまり目立たない女の子たちの恋心と青春の話。
    4つの短編で構成されていて、どの女の子も少し地味ではあるけれど、可愛くてすごくもどかしくて、読んでいてつい応援したくなった。
    題名にもなっている「百瀬、こっちを向いて」も甘酸っぱくて素敵だけれど、「小梅が通る」が一番好き

  • 切なくて甘くなくて淡い恋愛小説で、短編4作品です。どの作品にも恋愛を遠くにおいた主人公が登場し、最後まで甘いシーンは出てきません。それと、最後に意外な事実があったりします。心がキューンとなったり温かくなるお話です。どの作品も良いです。

  • 浮気相手の美少女との恋人のふりを頼まれた人間レベル二の相原、十六歳から五年間昏睡状態だった姫子と元家庭教師先男児の成長、テープおこしの内職で男性教師が覆面作家であることに気付いた女生徒。トラウマからブスメイクをしている、素顔を見られて妹と偽る柚木と寛太の話にひりひりした。きれいにくすんだほの甘さ。

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著者プロフィール

1978年福岡県生まれ、2008年『百瀬、こっちを向いて。』でデビュー。他の著書に『吉祥寺の朝日奈くん』『くちびるに歌を』『私は存在が空気』。別名義での作品も多数。

「2017年 『僕は小説が書けない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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