うたうひと (祥伝社文庫)

著者 : 小路幸也
  • 祥伝社 (2010年10月14日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396336134

作品紹介

「百獣の王じゃないか。光栄だ」人気バンドのドラマー、崎谷貫太はその風貌から"笑うライオン"と呼ばれている。ある日人づてに、母親が倒れたことを知った貫太は、十年ぶりに勘当された実家を訪れることに。母親に嫌われていると思っていた貫太だったが、実家で驚くべき光景を目にする-(「笑うライオン」)。誰もが持つその人だけの歌を、温かく紡いだ傑作小説集。

うたうひと (祥伝社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いかにも小路さんの作品って感じの
    音楽をテーマにした
    あったかい短編集。


    逆に言えば
    悪人が誰一人として出てこないところが、
    少し物足りないと感じる人もいるかも。



    泣きのギタリストが涙を流さなかった理由とは…
    「クラプトンの涙」


    アイドルのバックバンドが起こす
    ある奇跡とは?
    「唇に愛を」


    怪我で休養中のドラマーを襲う
    運命のいたずらを描いた
    「笑うライオン」


    売れっ子ピアノマンの原点は
    小さな場末のバーだった…
    「その夜に歌う」


    売れないハワイアンバンドが
    武道館ライブに出ることになった理由とは…
    『明日を笑え』

    など7篇。



    どの話も
    昭和の時代のバンドマンたちの悲哀を感じさせて、
    最後のオチが
    グッとくるものばかり。



    音楽小説だけに
    実在したバンドや
    モデルとなったミュージシャンが
    分かる人には分かる書き方をしていて、


    兜の衣装を着た、
    ホーンセクションバンドは
    明らかに
    「スペクトラム」をイメージしてるんだろうし(笑)

    ある大物外国人バンドの前座を務めたのは
    今は亡きいかりや長介率いる
    「ドリフターズ」だろうし

    それぞれのミュージシャンを
    イメージしながら読むと
    また違った味わいがあります(笑)



    しかし音楽って不思議ですよね。

    何かを切り詰めなきゃならなくなった時には、
    真っ先に切られてしまう運命のもの。


    そんな空気を震わせ
    ただ消えていくものがもたらせてくれる、
    何かしらの余韻。


    それは
    現実を凌駕する情景を見せてくれたり、

    音楽にしか踏み込むことのできない
    心の領域に染み込んできて、

    一歩踏み出す勇気をくれたり、
    人生観をも左右したりする。


    誰もが持つ
    ネガティブな感情を、
    ポジティブに反転させるのが
    音楽の魔法なんだとしたら、

    この小説にもそれは
    確かに息づいてます♪



    行間の隙間からは
    「黒いジャガー」や

    「sing! sing! sing!」、

    「Georgia on my mind」

    が確かに聞こえてきたし、


    音楽がないと見えない景色を
    本を開くことで鮮やかに見せてくれる、
    稀有な音楽小説だと思います。

  • これは誰をモデルにしているのだろうと想像しながら読むのも楽しいのだが、音楽向き合って生きること、人との出会いで生まれ育っていく音楽とミュージシャンの姿を描く文章そのものから得られる喜びは大きい。作者の音楽への愛情と人への優しさが伝わってくる。

  • なんだかすごくいい話を読んだ気がします。音楽にからんだ短編集です。唇に愛をが一番好きですが、他の話も凄くいいです。ドラマ化希望します。

  • 音楽に携わる人の短編小説集 希望がある終わり方の話しが多くて良かった

  • 本気で何かを目指したことのない自分には全て共感できるわけなどないけれど、こんな風だったなぁと思うんだろうなぁ、うん、と思いつつ受け取った。

    自分が好きで長年聴いているバンドも、結局は幼馴染で結成されていることが多いのはこんな理由かな、続いているのもやっぱり同じ理由かな、とかも思ったり。

  • この著者の4冊目ですが、この作家さんは自分は大好きであることを確信しました。

    今回の本は今まで読んだ本と違ってミステリー要素や不思議な出来事は起きませんが心にじんわりくる感覚同じで読んでいて気持ちよくなります。

    この方の作品はこれから全て読んでいこうと思います。

    こんな素敵な文章に出会えるのだから読書は本当に楽しい。

  • 音楽関連の人々が登場する短編集。

  • 音楽に関わるひとたちの

  •  音楽関係者の短編集。

     ドリフターズがバンドで、ビートルズの前座を務めていたとは。

     でもやっぱり短編は苦手だ。

  • 音楽への愛があるから書ける作品だと思う。
    時代によって扱いは違うが、改めて考えてみると演奏家って非常に不安定な職業だと思う。好きじゃないと出来ないし、好きでも出来ないのかも。

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