消された過去 悪漢刑事 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396336363

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  • 悪漢刑事シリーズ第6作。
    悪漢刑事対弁護士国会議員。
    弁舌巧みな国会議員細嶋は少年時代に凌辱殺人を犯した過去を持ちながらも少年法を利用して過去を消し、不良としてやんちゃしていたという部分を利用しながら人気を集めていたが…。

  • 悪漢刑事シリーズ。
    シリーズ最悪の鬼畜議員を悪デカパワーで懲らしめる。
    前作は規模が大きくなりすぎて社会派路線になりかけたが,軌道修正。
    巨乳局アナは新宿鮫のヒロイン並みに空気っぽくなる。
    悪デカは悪ぶっている割には,ノーベル平和賞級の聖人化。

  • 「悪漢刑事」シリーズの第6弾。

    少年時代に非行歴のあることを逆手にとってテレビに出演しているタレント弁護士の細島祐太朗が国会議員に初当選しました。佐脇は細島の後援会の護衛をしますが、そこで細島は、悪漢刑事として名高い佐脇の批判演説をおこないます。

    ちょうど同じ頃、女子高生の環希が佐脇に相談を持ちかけてきます。バイト先の上司から環希がセクハラを受けたことを知った環希の恋人の拓海は、上司のところに押しかけ相手にけがをさせてしまったというのです。そして環希たちは細島の事務所に依頼に行ったのですが、けんもほろろの扱いを受けたのだと言います。環希の話を聞いた佐脇は細島のもとを訪れるが、細島は拓海たちを不良少年と決めつけ、佐脇の話を聞こうともしません。

    すっかり気分を害した佐脇は、なじみの店へ女を買いに行きます。そこで彼の相手を務めたのは、「エル」と名乗る女でした。エルは田舎の店ではちょっと見かけないほどの美貌とすばらしい身体を持っていましたが、何やら人に話せない事情がある様子を見せます。

    その後、佐脇が細島の少年時代の非行歴を調べると、なんと細島はかつて梅津靖という名前で、少女2人を仲間とともに凌辱し、そのうち1人の乳房や性器をナイフで切り裂くという、猟奇的な殺人を犯していたことが明らかになります。そしてこの事件こそ、佐脇が刑事になって最初に出会った事件だったのです。

    他方で佐脇は、生活安全課の篠井由美子とともに、暴行事件を起こした横山美知佳という少女の世話をすることになります。美知佳は「クリンゴン」というハンドル・ネームを使っており、ネット上で「神」とあがめられています。佐脇は、高校時代の師で現在は保護司として非行少年たちのために働いている笠間啓助に、美知佳の世話を依頼しようと考えます。笠間の家を訪れた佐脇は、笠間がかつて梅津靖の師であったことを知ります。ところがちょうどそのとき、細島も笠間の家に来ていました。細島は、笠間が自分の過去を知っていることを気にしており、笠間をどうにかして籠絡しようとしますが、反対に笠間は、細島の人間性に不審を強める結果になります。やむなく細島は笠間を殺害し、しかもその罪を佐脇にかぶせようとします。

    細島は国会議員の立場を利用して県警に圧力をかけ、佐脇を追いつめます。逆境の中で佐脇は捜査を進め、風俗嬢のエルが、細島による猟奇殺人事件の被害者・西脇弥生であることを突き止めます。細島は、恐怖に震える弥生の処女を奪ったときの興奮が忘れられず、彼女に風俗の仕事をさせながら今でも彼女を性奴隷として奉仕させていたのです。

    一方で佐脇は、現実の世界と最小限の関わりしか持とうとしない美知佳の心に寄り添う努力を根気よく続けていきます。そのかいあって美知佳も佐脇に心を許すようになり、彼女から求められて2人は身体を重ねることになります。ところが美知佳は、細島のパソコンをハッキングして、彼が犯した猟奇殺人の写真をネット上に流出させます。しかも彼女は、佐脇を追って弥生の家を訪れ、そこでかつての細島が猟奇殺人の犯人であることを知ってしまいます。自分の過去が美知佳にバレたことを知った細島は、彼女をレイプします。美知佳は抵抗し、細島の指に噛みついて骨折させますが、細島はさらに逆上し、美知佳を山の中に連れ込んで彼女を恐怖に突き落とし、凌辱・殺害しようとします。細島は美知佳を脅迫して車を運転させ、山の中へ向かいます。しかし、美知佳が細島に果敢に抵抗する姿を目にした弥生が、細島と戦うことを決意し、美知佳が細島にさらわれたことを佐脇に連絡します。

    けっこうえげつない話。どうやら美知佳は、磯部ひかると並ぶヒロインの一角になりそうです。

  • 12/30-12/30

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著者プロフィール

男女二人からなる合作作家。官能からサスペンス・警察小説・ノワールまで幅広いジャンルで活躍。著書多数。好評近著で「内閣裏官房」シリーズ、「悪漢記者」シリーズなどがある。

「2023年 『降格警視3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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