- Amazon.co.jp ・本 (502ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396336394
作品紹介・あらすじ
最愛の叔母が急逝した。映画雑誌の編集者である朝美は、遺品整理で訪れた叔母の部屋で古びた日記帳を見つける。そこには80年代、高校生だった叔母の青春が描かれていた。読み進めていくうちに、朝美は叔母のある男の子への想いを知る。独身を貫き、「恋ならしている」そう言い続けた叔母の生涯を懸けた恋とは。涙なしには読めない、感動の純愛ミステリー。
感想・レビュー・書評
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「For You」五十嵐貴久さん
怖い作品/リカで著名な五十嵐さんの初めての恋愛小説です。
初恋/刹那さ ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
1980代ノスタルジー ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
心穏やかさ ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
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1.こんな気持ちになりたいならば、、、
難しく考えたくない、すとんと小説の世界に入りたい、ドロドロな雰囲気はちょっと、、、優しい気持ちになりたい。
そんな場合には、ぴったりかもです。
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2.1980年代にタイムスリップ
1980年前後、そう、山口百恵さんが紅白に出ていた年代。
スマホもなく、公衆電話。
そして、LINEもないから文通の時代。
そんな時代の高校生たちの恋愛事情。
グループ交際がもどかしく、また、奥ゆかしくも思える光景に出会えます。
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3.2010年現代
4大卒業し、編集者と勤務する女性。
育ての叔母の急逝にともない、遺品整理へ。
遺品から、叔母が高校生当時につけていた日記をみつける。
1980代の叔母が過ごした高校時代の甘く、刹那い日誌から見えてきたものとは?
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4.過去と現在がリンクを始めて、、、
2.3.の物語が、小説後半でリンクしはじめます。
小説だからこそ、描ける世界。
小説だからこそ、楽しめる世界。
「For You」
読み終えて、ほっとできる作品でした。
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面白かった
おじさん世代としては、80年代の物語が共感するとこ多い(笑)
ストーリとしては、
育ての親であった叔母の冬子が急逝。生涯独身だった冬子。
映画雑誌の編集者の朝美は、そんな冬子の遺品整理で叔母の部屋に訪れます。そこで見つけた日記帳。
そこには、冬子が高校時代だった80年代の青春が描かれていました。
一方、朝美は、韓国の映画の映画スターフィル・ウォンの来日に伴い、インタビューをとることに。
マスコミ嫌いの韓流スターのインタビューをどうとるか、東奔西走しています。
冬子の80年代の日記の物語
朝美の現代の物語
それが章ごとに交互に語られていきます。
80年代の物語
そうそう、そういう時代だったよなって思うところ多々あります。
今の人たちにはちょっとここは理解できないかも(笑)そんな中、冬子が想いを寄せていた藤城との関係はどうなる?
現代の物語
自身の私生活に決して答えないというフィル・ウォン
そんなフィル・ウォンから朝美は他社を出し抜けるような価値ある情報を聞き出すことができるのか?
そして、当然のごとく発生するアクシデント。
どうなるどうなる?
そんなストーリは、最後一つにまとまります。
ちょっと強引だけど、話の展開から、なんとなくそんな方向かなっと思っていました。
こんな結末よいと思います。
ラストがとてもさわやか!
お勧め -
ウエディングプランナーを読んで本棚に仕舞おうかと思い、フォーユーが目に入るが内容を思い出せないと、気になりました。やはり読み返す事にしましたが、初の恋愛小説だったんだと、冬子さんと朝子の同時進行で、どちらも息の抜けないとても面白い出来事でした。韓流スターが出てきて、まさか兄弟だったとは、藤城がどういう理由で姿を消したのか分かってから展開が速くなったが、一途な恋が実ったんだと理解出来た。高校生の思い出だけで終わらずに、その想いを持ち続けて、自分なら気持ちを伝えられない時点で諦めるし、それが膨らんで愛になる
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’21年8月22日、読了。五十嵐貴久さんの作品、確か初、です。「リカ」は、辛くて途中で読むのを止めてしまったし。
この手の恋愛小説を読むのは、何年振りだろう…ちょっと記憶に無いくらい、久々でした。
そもそも、恋愛小説とは思ってなくて読み始めたのですが…まあ、楽しんで読みました。ちょっと、恥ずかしいけど。ハハハ…。
こういうのも、たまには良いかも。新鮮でした。
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今の時間と、日記に書かれた過去の時間
それらがどう結びついてくるのか全然想像できなかったけど、最後まで読んで、なるほど、と思いました。
高校生の頃からずっと想いあっていた2人がその後も想い合うなんてどのくらいの確率だろうかと思いました、、
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やっぱ、五十嵐君は読ませるよなぁ。
参ったな。
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いい話かもしれないが、ラストのまとめ方は強引だな〜
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美しく異性から人気もあったのに独身を貫いた叔母が急逝。遺品整理で朝美が見つけたのは古びた日記帳だった…
読み始めてすぐ、伏線に気づいてしまったので展開に驚きはなかったけど80年代の高校生の恋模様は純情で良いですね。ユーミン、山下達郎、山口百恵…母ならリアルタイムでこの時代を知っているし、懐かしく感じるのかな。
タイトルはなんでこれにしたのかな…
設定上、ウォン・ビンさんで脳内変換して読んでました。 -
主人公は雑誌編集者。その彼女の最愛の叔母が急逝した。
遺品整理をしているうちに叔母の日記を発見する。そこには高校生、大学生だった頃の叔母の青春が書かれていた。けしてもてなかったわけではないのに独身を貫いた叔母・・・
日々の自分の仕事の合間を見つけては、日記を読み進めていく主人公。叔母のことがだんだんと分かるようになる。叔母と自分の関係も・・・そして感動のラストが!!
涙は出なかったが、魂が震えた。まさしく純愛。ミステリーの部分もあり。傑作です。