プラチナタウン (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
3.79
  • (46)
  • (128)
  • (76)
  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 709
レビュー : 111
  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396336899

作品紹介・あらすじ

出世街道を外された総合商社部長の山崎鉄郎は、やけ酒を呷り泥酔。気がついた時には厖大な負債を抱えた故郷緑原町の町長を引き受けることに。だが、就任してわかったことは、想像以上にひどい実情だった。私腹を肥やそうとする町議会のドンや、田舎ゆえの非常識。そんな困難に挫けず鉄郎が採った財政再建の道は、老人向けテーマパークタウンの誘致だったのだが…。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ゆくゆくは地元に貢献したい。そんな気持ちにさせる。

  • 大泉洋さん主演でWOWOWでドラマ化されている本作。誰の書評かは全く思い出せないかレビューが面白そうでkindleに積ん読。
    三菱商事がモデルと思われる財閥系商社で出世に行き詰まり「かけた」主人公がど田舎の町長となり大商社ならではの起死回生の一手がことごとくうまくいく。
    大商社で部長までなるがその後のキャリアに悩むというのが出版から10年経った今のほうがよりリアリティがあるだろうなと思った。
    ちなみに舞台は宮城のど田舎という設定だが、震災もあったのでこのまま四井商事が施設を造っていたら大損失だなといらぬ心配をしてしまう。2012年放映のドラマは北海道の架空の街だったらしい。さすが!

  • もう少しピンチがあってもいいんじゃないかと思った。

  • 主人公は商社で順調にキャリアを積んでいたのだけど、とあるキッカケから退職し、生まれ育った地元の町長となる。
    町長として赴任した街は、とんでもない財政難に陥っており、その建て直しのために超巨大介護施設を作ろうとするのがこの物語の核。

    ただしこの小説には起伏がない。大きな山もなければ谷も無い。
    ただただ順調に物事が進んでいく。

    個人的には、地方の複雑な人間関係とか、事業を邪魔しようと躍起になる勢力が描写されるのかなと思ったけど、そういっためんどくさいことはほとんど起こらない。
    役場には協力的で有能な同僚がいるし、街には眠っている資産が沢山あり、もともと所属していた商社はすんなりと介護事業に協力する。

    500ページもの大作なのに、物語はただただ順調に進んでいく。
    だから、ドロドロとしためんどくさいものを期待したいすると拍子抜けするかも…w

    あくまでこの小説は「仕事小説」に振り切っており、物語の主眼は財政難に陥った地方自治体とか、商社の仕事の進め方とか、そういった現実的なものの描写に終始する。
    読書の醍醐味である、普段知ることのない世界を知ることができたという意味では、十分楽しめたし、財政と福祉の問題について考えさせられた。

  • 田舎者の保守的でまず否定から入るところマジで腹立つ。これだけ腹が立つのも著者の描くキャラが立っているからだと思う。全体としてはこれから高齢化社会を迎える日本に一筋の光明が見えてくるようなそんな話。

  • 作品が平成20年に刊行されたもの。当時は高齢化社会を通り越して高齢社会になって、そろそろ超高齢社会だぞって時代。そして地方自治の在り方が問われていた時代。

    そこに、高齢者向けの街を地方に作ってはどうだと一つのアイデアを投じたような作品。

    面白かった。
    現実そううまくはいかないだろうけど、面白かった。

    でも…街づくりにあたっての描写も細かく、相当に練られた作品ではあったと思うけど…。確かにビジネス的なアイデアはおもしろいけど、人物描写、人間関係の描写があっさりしてる気がした。

    もっと語れる部分はあっただろうし、現実はもっと複雑。
    人間同士の利権をめぐる争い、価値観の相違による弊害はもっとあるはず。家族との描写や家族自身の描写もちょっと中途半端感は否めず。中盤以降家族の存在が一切消えて、最後まで出てこなかったんですけど。人物描写よりはビジネスモデルとしてのアイデアを見せたかったんだろうね。

    超高齢社会の日本と地方自治というテーマはかなり根深い問題があるし、だからこそもっと色んな角度からいろんな人の視点から描けたんじゃないかな。そういう描写が少なかったからこそ、「事はそう簡単に進まないだろー」という感が最後まで拭えなかった。それはあれば最高に面白い本だったし文句なし星5つ。

    もっと長編ですればいいのに!

    でも本当にアイデアは面白かった。

  • 楡さん三部作の第一部

    類に漏れず面白かった。
    大企業からの左遷や、しがらみだらけの市政など、第2部に比べれば、かなり政治色の強い本編だったが、そこを毒づきながら乗り越えていく主人公はカッコよかった。

    ただ、黒狸役のカマタケが、ずっと厄介な存在で、最後になんかしてくるかをヒヤヒヤしていた。

    主人公というより、周りの人とのコミュニケーションでどんどんプランが拡大+ブラッシュアップされてく姿も良かった。

    過疎化が進み死にかけてる地方を再生するというテーマも素晴らしい。こんな大きなテーマを扱える人間になりたいとワクワクした。

  • 単純に面白かった!

    ややコミカルなところもありながら、過疎化、老人問題、介護問題、公共事業、地方政治問題をしっかり折込んで、かつ、ビジネスを作り出しているところに脱帽!!
    それらの問題に対する楡さんからの解決提案といっても過言ではない物語です。

    ストーリとしては、一流商社のトップ部長だった山崎が左遷されそうになり、半端やけになって引き受けたのが莫大な負債を抱える故郷の町の町長。就任して、その町の財政再建のため、彼の出したアイデアが老人向けテーマパーク(老人ホーム)。
    果たしてそのアイデアが実現できるか(って当然実現するんですが)、その困難に立ち向かう主人公の物語です。
    困難さがどれだけのものかと思っていたのですが、思っていたほどでもなかったのが残念。とりわけ、私腹を肥やそうと画策する町議会のドン(かまたけ)との対決があっさりでした。老人ホーム誘致の情報漏えいの犯人も語られませんでしたし、どれだけ、邪魔するのかと思いきや商社の女性にぴしゃり言われてその後なにもなかったし...このへん、もっとひと悶着あって、それを解決できたらもっと盛り上がったのにと思いました。
    なので、★はひとつマイナス(笑)

    エンターテイメント性はさておき、本作で解決策として語られる、老人介護プラン、老人テーマパークについてはどこかの自治体がやってもおかしくない内容です。さまざまな前提条件があるとはいえ、いつ実現してもおかしくない内容。今後の高齢化社会のひとつの解になりうるものだと思います。一方で、今後自分が直面するであろう将来の問題について考えさせれれます。本アイデアではある程度裕福な方のみが救われるプランになっており、結局はリタイヤするまでにはしっかりお金をためないとね。っと思うしだいです。

    本作、WowWowでドラマ化されたんですね。DVDも出ているようです。

    お勧め

  • 財政が破綻寸前の町を立て直すべく町長に就任した主人公が、放置された土地に高齢者のコミュニティをつくる。ついの住み処を心配する人は多いが、その不安に答えるべく、サービスを展開できるモデルを作っていく。とてもおもしろい。
    こんな理想郷があったらいいのに。老後の安全安心、地方の財政建て直しの二つが解決できる…かもしれない。

  • WOWOWのドラマで観ました。やっぱり男は夢を持っててなんぼ。

全111件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

楡 周平(にれ しゅうへい)
1957年生まれの作家。慶應義塾大学大学院修了。綿密な取材と圧倒的なスケールの作品で読者を魅了し続けている。米国企業在職中の1996年に発表した初の国際謀略小説『Cの福音』がベストセラーに。翌年から作家業に専念し、同作は「朝倉恭介」という人気シリーズになった。
主な著書にドラマ化された『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京』(「有川崇」シリーズ)に『プラチナタウン』(「山崎鉄郎」シリーズ)、『再生巨流』、『ドッグファイト』、『和僑』、『レイク・クローバー』など。

プラチナタウン (祥伝社文庫)のその他の作品

楡周平の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

プラチナタウン (祥伝社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする