プラチナタウン (祥伝社文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784396336899

作品紹介・あらすじ

出世街道を外された総合商社部長の山崎鉄郎は、やけ酒を呷り泥酔。気がついた時には厖大な負債を抱えた故郷緑原町の町長を引き受けることに。だが、就任してわかったことは、想像以上にひどい実情だった。私腹を肥やそうとする町議会のドンや、田舎ゆえの非常識。そんな困難に挫けず鉄郎が採った財政再建の道は、老人向けテーマパークタウンの誘致だったのだが…。

感想・レビュー・書評

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  • 1.著者;楡氏は、大学院卒業後に写真用品の大企業に入社。在職中に出版した「Cの福音」で作家デビュー、当書はベストセラーとなりました。その後、退社し執筆に専念。「クーデター」を始め、6連作のシリーズはすべてベストセラーとなり、6作合計で当時250万冊を突破したそうです。「再生巨流」はテレビドラマとなり、ATP賞ドラマ部門の優秀賞を受賞。本書の「プラチナタウン」もテレビドラマになりました。氏の著作は、スリラーとハードボイルドとアクションを取り入れた作品群が特徴でした。しかし、『再生巨流』を発表してからは経済小説をメインに執筆しています。
    2.本書;出世の道を外された商社部長の山崎(主人公)は巨額の負債を抱える故郷の町長を引受け、第二の人生を送ります。町は大赤字を抱え込む一方で、公共事業を請負った土木業者と政治家は大儲けという理不尽。そのような状況で、工場誘致を狙って整備した3万坪の土地に定年退職後の人達の住める町作りに挑戦し、成功するという話です。
    3.私の個別感想(気に留めた記述を3点に絞り込み、感想と共に記述);
    (1)第二章より、「生きるか死ぬかのビジネスの最前線でしのぎを削ってきた身からすると、・・・絶対潰れやしない。仕事でヘマをしでかしても刑事罰の対象にさえならなければ、一生涯安定した収入を得られると踏んでいる公務員の発想そのものである」
    ●感想⇒私が学校を卒業した時代には、公務員志望がかなりいました。就職理由は、「倒産しない・収入安定・・・」が多かったと思います。私は民間に就職しました。会社は、社員の頑張りを尻目に景気に左右され、業績は波を打ちました。業績が急激に悪化した時には、ボーナスや昇給に多大な影響を及ぼします。公務員ならではの仕事の厳しさはもちろんあるでしょう。しかし、ボーナスが出ない会社がある反面で、役所では一定水準の支給があり、危機感の欠如に唖然としたものです。
    これに関連した独り言です。私は愛知県の某市に住んでいます。庁舎は、清潔感はあるものの、建屋・トイレ等の設備は陳腐です。近隣の市庁舎に比べ、劣っていると思います。財政はそんなに逼迫していません。環境に重点投資しているのです。充実した公園遊具、公園トイレは毎朝清掃等々、また民間企業と意見交換会を行い、市長参加で良い事を学ぼうという姿勢。こうした市民目線の施策を推進している市政もあるのです。トップの“公僕”という考えが浸透し、民間に匹敵する仕事をしていると思います。知る限りでは、このような市町村は少ないでしょう。応援したいと思います。
    (2)第三章より、「老後をどう過ごすか、人生最後を迎えるまでの介護をどうするかは、何も都会の人間だけの話じゃねえ。万人の共通した問題なんです」
    ●感想⇒推計では、65歳以上の高齢者比率は、2021年29%⇒2065年には38%に上昇するそうです。定年後は自分の時間がタップリあり、現役の時に出来なかった好きな事を存分に出来ます。但し、年金だけでは心細いので、ある程度の蓄えが必要です。若い人にはまだ先の事で、他人事かもしれません。老婆心ながら、自分の夢や愉しみの為に、ある程度の貯蓄をした方が良いと思います。月日の流れは思いの他早く、光陰矢の如しです。また、現役リタイアした方々は身の丈に合った生活を前提にした生甲斐作りですね。
    (3)第四章より、「今回のプロジェクトの基本コンセプトは、生活資金に限りのある高齢者に、いかに安心して豊かな老後を送って頂けるかというところにあるんです。そのためには、施設の運営においては、無駄は絶対に許さない、かと言って質を落とすことなく、どれだけ基本コストを落とすことが出来るか。成否の鍵はその一点にかかっているんです」
    ●感想⇒民間企業出身者ならではの発想です。私は企業で企画部門を担当したことがあります。色々な企画に携わりました。中でも、施設等の箱物作りにはかなり入念な検討をしました。まず、社内からメンバーを選抜し、検討チームを編成します。企画は、建設目的・利用者意見等の多角的な条件を設定し、最適解に向けたシュミレーションを重ね、上程しました。ポイントは、存在意義とLCC(ライフ・サイクル・コスト)だったとと思います。無用の長物は禍根を残します。品質を落とさずに費用対効果を最大にする事は大変難しく、関係者の協力なくしては成功しないでしょう。
    4.まとめ;本書は、山崎(主人公)が活き活きとした老後を送れる町“プラチナタウン”の建設という夢プロジェクトに挑戦し、成功を遂げる話です。これは、民間発想のある山崎だからこそ出来たと思います。高齢者への福祉投資の大きい町は、財政が苦しく、現状維持で四苦八苦しています。所で、新聞によれば、「政府調達の布マスク8,000万枚115億円が余剰、8カ月間の保管費が6億円、厚生省幹部は、『調達に問題があったとは考えていない』とコメント」という記事です。庶民感覚の希薄な人達のやる事には厭きれるばかりです。以前に、役人を民間企業に出向させ勉強させたことがありました。しかし、官庁トップの意識改革が先でしょう。幼児から高齢者の各世代に必要な施策の費用対効果を十分検討し、優先順位付け出来る人材の出現が待たれます。資金は有限です。借金を先送りすれば、子々孫々までの足かせになります。昨今のバラマキで票田作りする政治家には閉口します。(以上)

    • ☆ベルガモット☆さん
      ダイちゃんさん、あけましておめでとうございます!
      新年すぐのいいねをくださりありがとうございます☆
      含蓄のある示唆の富んだ感想を読むだけ...
      ダイちゃんさん、あけましておめでとうございます!
      新年すぐのいいねをくださりありがとうございます☆
      含蓄のある示唆の富んだ感想を読むだけでとても勉強になります。
      お仕事ぶりもかっこいいなあと思いました。
      私が探しきれない素敵な本のご紹介参考になります。
      今年もよろしくお願いいたします。
      2022/01/01
    • ダイちゃんさん
      ベルガモットさん、新年明けましておめでとうございます。いつも、“いいねサイン”頂き、ありがとうございます。ベルガモットさんとは、少し読書分野...
      ベルガモットさん、新年明けましておめでとうございます。いつも、“いいねサイン”頂き、ありがとうございます。ベルガモットさんとは、少し読書分野が違いますが、私は参考にしています。こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。
      2022/01/01
  • プラチナタウン 楡周平

    ●購読動機
    総合商社エリート部長。上司と意見割れして退職します。
    セカンドキャリアが地元東北の町長です。
    同期からの依頼を断れずに、、、。

    さて、この町、大変です。
    夕張のように財政再建が待ったなしなんです。
    どうする?
    この入口に惹かれました。

    ●楡周平さん自身のコメント
    https://pdmagazine.jp/trend/bakanokusuri-17/

    ●厚労省発表 
    2022年時点
    ①要介護者689万人
    ②介護福祉士181万人

    ②は資格保有者であり、従事者ではありません。
    さらに前年比6万人の増加に留まります。
    ①の増加に耐えうる構造となっていないことがわかります。

    ●地方自治そして高齢化問題の向きあいかた。
    ①物語の着眼点
    地方における
    ハード
    1.未利用の公共施設。
    2.未利用の更地。
    ソフト
    3.事業誘致が進まず、就業機会不足。
    4.高齢化による介護需要。

    これら1.2.3.4.の組み合わせで提示されたのが、地方に健康な高齢者世帯に特化した街づくりを進めること。

    ②街づくりのポイント
    1.施工費を下げること。
    2.運用、維持費を下げること。
    なぜならば、居住希望者の入居負担額を低くするためです。

    ③具体的ない取り組み
    1.土地
    行政が無償で貸与すること。
    2.集合施設として建築。
    3.介護福祉士の居住施設を併設。
    4.健常者、介護必要者、それぞれの施設を隣接すること。
    5.地元商店を、建物近くに移設。モール化したこと。
    買い物負担、移動を減らすこと
    6.地元ゴルフ、公共施設/プール、渓流づり。
    レクリエーションを利用しやすいパッケージ(料金、移動、プログラム)にしたこと。

    ------------
    経済小説として読む面白さはもちろんです。
    さらに、根底となるテーマ地方自治、介護へと思考を飛ばす機会としても興味深い小説となりました。

  • 【感想】
    続編の「和僑」から先に読んだので、まぁまぁネタバレな箇所も多かったが、それを差し引いてもとても面白い1冊だった。
    やはり読んでいて感じるのは商社マンのビジネスセンスと目敏さかな。
    現実的な目線を損なわずに、しっかりとビジネスチャンスを活かすノウハウと嗅覚を持っており、それを実行に移して実現させる能力は読んでいて痛快だった。
    同じビジネスマンとして、やはり商社マンは能力が違うのかも・・・・

    結末が分かっていたから少し興ざめな箇所もあったが、出てくる登場人物のキャラもとても立っていて、台詞ひとつ取っても本当に面白い。
    なんてゆうか、登場人物みんな頭が良すぎる。笑
    月並みな感想だが、自分もこれくらい嗅覚・商才・そしてセンスに溢れた人間になりたいものだ。


    【あらすじ】
    出世街道を外された総合商社部長の山崎鉄郎は、やけ酒を呷り泥酔。
    気がついた時には厖大な負債を抱えた故郷緑原町の町長を引き受けることに。
    だが、就任してわかったことは、想像以上にひどい実情だった。
    私腹を肥やそうとする町議会のドンや、田舎ゆえの非常識。
    そんな困難に挫けず鉄郎が採った財政再建の道は、老人向けテーマパークタウンの誘致だったのだが…。


    【引用】
    p5
    ・最初の一文
    「ラーメンからミサイルまで」とは総合商社のビジネスを表す時に用いられる表現としては、随分手垢がついたものだが、売れるものなら人体・臓器以外はなんでも売る。
    それが総合商社だ。


    p38
    総合商社が世界中に支社、あるいは駐在員事務所を置いているのは、単に新しい商売を拾うためばかりではない。
    生の情報をいち早く掴む。それが利益を上げることに直結しているからだ。

    そう、情報。
    メーカーが力をつけた今の時代においても、商社があらゆるビジネスに介在していられるのは、世界中に張り巡らせた情報ネットワークがあるからに他ならない。


    p84
    「へえ、そうかな。ゼロからのスタートなんてもんは、企業にだってありゃしねえぜ。」
    「どういう意味だ?」
    私は牛島が何を言わんとしているのか、理由が分からずに問い返した。

    「入社して給料もらい始めた時点から、俺たちゃ皆会社に借金抱えてんだよ。その金利は決して安くはない。その借金と金利を支払って余りある稼ぎを生み出したやつが上への階段を昇れる。それがサラリーマンってもんだろ。」
    牛島は、そこで私をじろりと見ると、
    「山崎、受けろよその話。俺たちゃ世界を相手に切った張ったの商売をしてきたんだ。そこで培ったノウハウを生かせば、赤字に転じた地方の町の財政を建て直すくらいのプランは必ず思いつく。地べたを這いつくばって商売を拾ってくんのが商社マンだろ。儲けを産み出すのが俺たちの仕事だろ。赤字でどうしようもない会社を再生させた例なんて、なんぼでもあるじゃねえか。田舎に籠って小さな町しか見てねえやつには、到底思いつかねえネタがきっとあるはずだ。」

    「これは商売なんだ。借金を返せるだけの商売をお前が生み出しゃいいんだよ」


    p168
    ・オリンピックについて
    国家レベルの事業でも、規模が大きくなればなるほど、そこから生じる利権という甘い汁を吸おうとする人間が出てくるものだ。
    オリンピックなんて、その典型的な例と言えるだろう。

    誘致のために何十億という公金を使い、派手なプレゼンを繰り広げた上に視察に訪れたIOCの理事を接待する。
    確かに開催地になれば経済的波及効果は計り知れないものがある。しかし問題はその後だ。
    分不相応な施設をぶっ建てたら最後、今度はその維持費に莫大な金が食われていく。数週間の開催期間が終われば、街はまた元の静けさを取り戻す。

    結果潤うのは、立派な施設の建設を請け負った建設業者と、その裏で蠢くウジ虫のような政治家とは名ばかりの斡旋屋ばかり。
    地元の経済にしたって一時は潤うだろうが、これまた祭りが終われば元に戻るだけ。
    いや、一旦甘い蜜の味を知った分ら反動は大きいら、

    真の公共事業とは、一時のカンフル剤であってはならない。
    恒久的に利益を生み、雇用を確保するものでなければならない。
    だからこそ、終身型老人ホームの建設は何が何でも成功させなければならない。

    カマタケ、おまえにはびた一文、銭はやらねえ。


    p229
    「リバースモーゲージってのはさ、いま住んでいる住宅を担保にして、毎月一定額の融資を受けるシステムのことを言うんだ。」
    牛島は言った。
    「早い話は、持ち家を借金のカタにするってわけだ。ただし、大抵の場合借りる方は、金を返済する必要は全くねえ。」

    「問題は、このシステムを利用できるのは、大抵の場合ローンが終わった持ち家、れも一戸建に限られる。マンションはまずダメと見ていい。」
    「マンションを買う際、大抵が目一杯の長期ローンを組んでいるもんだ。最長で35年、それだけの時間が経ちゃ建物の価値はゼロだ。その点、戸建は違う。こっちも上物こ価値は15年もすりゃあゼロになっちまうが、土地は別だ。更地にすりゃすぐに買い手は現れる。つまり、リバースモーゲージによって融資される金額は土地代、査定価格のよくて7割ってとこだ。」

  • 商社から故郷の町長に転じた主人公が、借金まみれの町の財政再建をめざすストーリー。
    本著の帯にあるように、衆院議長を務めた伊吹氏が石破茂氏に「地方創生大臣なら読まなきゃダメだよ」と薦めたという1冊。文庫で500ページ弱の分厚さでしたが、読ませる力があってスムーズに読了しました。
    (調べたらWOWOWでドラマ化されていたようですが、主人公が大泉洋?イメージ合わないなぁ。。)

    さて本著、確かに地方創生を考えるにあたっては重要な1冊だと思います。
    過去、都会に追い付こうと必死に整備したインフラが、結果的には都市への人材流出を招き、各市町村の負債を増やすだけになったという皮肉。
    負債解消の切り札として主人公が打ち出した「老人向けテーマパークタウンの誘致」というのも肯ける話です。
    実現に向けたしがらみが多々あったり、都会と地方で文化の違いがあったり、というのもリアリティを感じる描写でした。
    ただ、同時に感じたのは、著者が提示したこのケースは恵まれた条件下における1事例に過ぎず、全ての地方自治体が同じやり方を取ったら途端にレッドオーシャン化するので、各自治体が「高齢者向けで生きる」「観光客向けで生きる」「発電所で生きる?」等のコアコンピタンスを考えないといけない時代なんだろうなぁと。。

    ストーリー展開としては、思いのほか一本調子。
    障害も無いことはないのですが、もっと地域ならではの大変さに直面するんだと思ってました。
    町議会のドンがした昭和っぽいハラスメントに対して、商社の若手が思いっきり昭和な返し方をするくだりはどうなんだろうか。。いっそSNSなりライブ配信なり、と思ったのですが、これは敢えてなのかしら。

    あと、終章で都市からの人口流入が始まったくだりで、地元の飲食店の味が「ソフィスティケイトされて来た」というくだりはどうなのかなぁと思いました。
    単純に都会と同じものを出すというのは、地元の文化が消えるだけなんじゃないか。
    ついでに、主人公の奥様の扱いがほぼ空気…。

    と、諸々言ってしまいましたが、基本的には安心して読めて面白いビジネス?(自治体?)小説です。続編らしきものもあるようなので、読んでみようかと思います。

  • 建築系の学科の友達に勧められて読んだ一冊。
    都市計画を専攻している子だったから、小説としての面白さはそこまで期待していなかっただけに、面白さにびっくり。
    画期的なアイディアのまちづくりに引きこまれる。
    難しい言葉もちょいちょい出てきたけど、その辺は少し読み飛ばしながら楽しんで読めた。
    人にも勧めたい本。

  • 出世の望みが絶たれた大手総合商社の部長職にあった主人公は故郷の同級生から頼まれた町長就任をうっかり引き受けることに。しかし故郷の町は巨額の負債を抱え過疎化も進み、さらに立場を利用して私腹を肥やすやっかいな町会議員もおり、一筋縄ではいかない様子。でも町民からは痛みのない改革を求められ、にっちもさっちも行かなくなったところで、今までにない高齢者向けの施設を作りそれを起死回生策として、古巣の商社と作り上げていく奮闘記。
    展開にスピード感があり、話自体にも現実味がある。主人公の右腕となる人物が誰しもが思うネガティヴな疑問を常に投げかけるのも読者視点で良い。奮闘記としてはアイデアを思いつき実際に着工が始まるまでを描いたもので、それ以降の施設のお披露目までは端折られており、またトラブルなども描かれておらず大円団な感じで終わっているのが物足りないが、読後感は良い。

  • 商社マンから町長に、町を盛り上げるために奮闘する主人公。発想がすごいなぁと、ルーティンワークな私からしたら目から鱗です。
    プラチナタウンはその後もうまくいくんでしょうか。奥さんのことはあまり書かれていませんが、いい奥さんですね。

  • ひょんな出来事から、大手総合商社を 辞職して、田舎町の 町長に就任した 主人公。

    地方の 過疎化や、日本の 高齢者問題を 解決するヒントが、この物語には あるように思う。

    個人的には、物語 結末に、辞職の原因となった 上司との、その後の因縁を 期待したが…
    … それについては、「もう、どうでもよい事」としか 書かれてなくて、少々がっかり した。

  • ビジネス小説はヒヤヒヤドキドキして面白い。
    山あり谷ありがあっていいし、会話ややり取りもなかなかコミカルで良かった。

  • 誰にでも切実な問題となる老後の人生をどこで送るかを考えさせられる作品。
    ネタとしても内容としても面白かったが、平板で盛り上がりに欠ける感じは否めない。これが例えば池井戸潤ならプロジェクトがほぼアウトというピンチに追い込まれ、読書は「この後どうなるんだろう」とハラハラするが、この作品はそういう大きな起伏もなく割とサラ〜っとめでたく終わる。
    ネタと発想は良かっただけに残念。

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著者プロフィール

1957年生まれ。米国系企業に勤務中の96年、30万部を超えるベストセラーになった『Cの福音』で衝撃のデビューを飾る。翌年から作家業に専念、日本の地方創生の在り方を描き、政財界に多大な影響を及ぼした『プラチナタウン』をはじめ、経済小説、法廷ミステリーなど、綿密な取材に基づく作品で読者を魅了し続ける。著書に『介護退職』『国士』『和僑』『食王』(以上、祥伝社刊)他多数。

「2023年 『日本ゲートウェイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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