- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396336974
感想・レビュー・書評
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千の倉より ー 取次屋栄三シリーズの4作目
2011.07発行。字の大きさは…小。
浮世絵の女、宝のありか、千の倉より、お咲と三人の盗賊の4話。
手習いの師匠と剣術道場の師範を兼ねる、気楽流の印可を受けた剣客・秋月栄三郎は、内弟子・雨森又平、剣友・松田新兵衛、田辺屋宗右衛門とで取次屋に来る依頼を人情味たっぷりに…。
此度は、「千の倉より」の千吉の生い立ちを読んでいて涙が出て来た。千吉は、8才で父を亡くし、世話をしてくれる丹波屋茂左衛門に商売を仕込まれたが、2年後に茂左衛門が亡くなると息子・茂太郎に追い出される。それから丹波屋で知り合った人達の助けを借りて6才の妹・おはるを面倒見ながら…。
【浮世絵の女】
秋月栄三郎の剣の師匠・岸裏伝兵衛は、昵懇の剣術家・竹山国蔵の若き弟子・笠間忠也が気にかかる。国蔵から頼まれて、栄三郎に忠也の事を調べるように…。忠也は、竹山道場の帰りに寄った絵師・鈴川清信の描いた浮世絵に魅せられて、毎日通いだすが…。
【宝のありか】
盗賊・弦巻一味が隠した金が入っている地下室の錠を開けるために、新兵衛が間借りしているお種の娘・おみねと錠前師の庄吉夫婦がかどわかされた。庄吉がかたくなに錠を開けないので、娘の母親・お種を攫ってきて…、そこに旅から帰って来た新兵衛が…。
【千の倉より】
南町奉行所非常掛方与力・鮫島文蔵には、子がなく養子を迎えるにあたり。養子は、町場に通じた者が良いと考え。南町奉行・根岸肥前守の紹介で栄三郎に取次を頼む。栄三郎は、手習いの講義を覗き見に来る千吉に目を付けると…、
【お咲と三人の盗賊】
根岸肥前守は、江戸へ出て来た盗賊うず潮の桂次を捕まえるため、田辺屋宗右衛門の娘・お咲を盗賊の孫娘として大番屋に捕まっている九尾(きゅぅび)のお紺に近づける。お咲は、栄三郎らに助けられお紺と共に大番屋を脱出する。そして、桂次の隠れ家へ…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
岸裏先生にも甘い話が?
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令和の世になり、史上最高に読後感が良い時代小説がこの取次屋シリーズです
短編にキレのある『小説』の視点からも逸品ですね -
第四弾
四話構成に変化なし、
市井に係わる問題だが、武家も絡む分内容が変化に富む -
[千の倉より]取次屋栄三の第4巻、ますます栄三とその回りの人々の魅力に参ってます。
お咲の新兵衛への想いは実りそうですが、まだまだ先が長いような・・
師匠の岸裏伝兵衛も又しかり。 -
L 取次屋栄三4
浮世絵の女…ありがちな武家の嫡子の絵好き。
宝のありか…新兵衛が主役
千の倉より…千吉が猛烈にいい子ども 晴れやか
お咲と三人の盗賊…いつもの面々のお芝居。テレビドラマの痛快時代劇だぁ! -
取次屋栄三の4作目。このシリーズは登場人物の目線が人情味にあふれ暖かい。読んでいて気持ちがよくなる話が多い。本作もこの特徴は踏襲されている。中でもタイトルになっている第3話の「千の倉より」は秀逸。こんな話をこれからも読みたいものである。