- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396337186
作品紹介・あらすじ
逆恨みから闇討ちを受け、果たし合いまで申し込まれた岩倉源太夫。秘剣・蹴殺しで敵を倒し、その技を弟子たちに見せたのだが…。その教えぶりを碁敵の和尚は、獺祭のようだと評した(「獺祭」より)。緑美しき南国・園瀬を舞台に、軍鶏侍・源太夫が、侍として峻烈に生き、剣の師として弟子たちの成長に悩み、温かく見守る姿を描いた傑作時代小説。待望の第二弾。
感想・レビュー・書評
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「軍鶏侍」シリーズの第2弾
南国の園瀬藩(架空)を舞台にした剣豪小説、いや人間ドラマかな
人付き合いを苦手とし、剣に軍鶏にのめり込む四十を超えた主人公源太夫
弟子を育て、まっとうにまっすぐに人と関わっていく
表紙の絵がまさに獺祭でしょうか
あまりにも有名な銘酒「獺祭」
でもその意味を知る人は少ない
私もこの本で初めて知りましrた
園瀬藩の穏やかな自然の風情を描いた文章が、あまりに美しく気に入ったので切り取って紹介しましょう。
「穂が出る前の稲はまだ十分に柔らかく、風の動きによって、緑の葉表と青白い葉裏が交互にそれを見せていた。揺れが滑らかに移動するので、まるで堤防に向けて波が次々と、際限もなく打ち寄せて来るように錯覚してしまうのである。」
なんて美しい、そして知ってますよその情景
稲の葉裏の青白さ、風で緑と交互になる様
その情景がこんなに見事に表現されてるなんて、
ぐっとくるぜよ!(^o^)
今回も短いお話幾つかで構成された読みやすい本
今回は、弟子と係るお話が多数で、ほんとうの意味での秘剣「蹴殺し」についても謎が明かされます詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
剣客時代短編小説。主人公は軍鶏の強さと美しさに魅せられた道場主。人生訓が詰まった作品。 剣の道だけでなく人の道をそれとなく教えてくれる仄かにアタタカミを感じる事ができる作品。シリーズのようなので第一作目も読んでみたい。
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「軍鶏侍」では、藩主の側室で長男「一亀」はサラッと数行しかでてこないが、4作目の番外編となる「遊び奉行」の主人公。「軍鶏侍」ででてくる地名の「うそヶ淵」が続編の「獺祭」と繋がる。デビュー作で既に連作、番外まで構成して描いている。・・。
「強い軍鶏は美しい。美しい軍鶏は強い。」と繰り返し出てくる言葉は生き方の表現か。
また、葉室麟やこの野口卓のように物語の中で季節や土地の豊さを瞼に浮かぶように描ける作家はすばらしい。
「広大な水田の稲が風に揺れ、まるで海原の波のように感じられた。稲の葉の表面は光沢のある濃い緑をしているが、葉裏はいくぶん白く、そしてすこし青味がかっている。風の動きによって緑の葉表と青白い葉裏が交互にそれを見せ、揺れが滑らかに移動するので、まるで堤防に向けて波が次々と際限もなく打ち寄せて来るように錯覚してしまう。なおも見続けると、船に乗った自分が、海原を突き進んで行くような気になる。」 -
面白さ前作より加速!
自らが編み出した秘剣「蹴殺し」を断腸の思いで弟子の前で繰り出し、
「秘剣唾棄すべき」
と言い放つ軍鶏侍、岩倉源太夫。
再度、泣ける。 -
軍鶏侍シリーズ第2弾。
軍鶏好きの剣豪・岩倉源太夫が人品・剣の腕前ともに完璧すぎて、なんか物足りない。
下僕・権助の人物像の方ががいろいろと奥が深そうで、面白そう -
L 軍鶏侍2
蹴殺しを弟子2人に見せる源太夫。
弟子2人は蹴殺しを見ようと練習に励む。
正造の絵の才能が認められ江戸へ。
秋山精十郎を父とする娘が江戸から源太夫の元へ。
安定した道場師となって弟子の成長を見守る源太夫。の、暮らしぶり。 -
軍鶏侍シリーズ2作目。
シリーズ化という事で「秘剣蹴殺し」をメインに据えたヒリヒリする作品は少し抑え目に園瀬藩の日常に目を据えた感じ。
新たなレギュラーとなるキャラクターも増えて今後が楽しみ。
表題作「獺祭」よりも秋山清十郎との過去が語られ、恐らく今後も遺恨を残すであろう「青田風」が良かったな。 -
剣の達人岩倉源太夫のシリーズ2作目。
主人公の造形がますますくっきりしてきた。
存在感のある物知りの下男。
門下の若者への指導、軍鶏好きの商人との交流など、楽しんで読める。
人生訓がちりばめられている。 -
主人公像がいまひとつ浮かばないが
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1作目に続き、
何処かで読んだ事があるかも?と思わせる内容。
ただ、源太夫の人柄、考え方(心の持ち様)が良く出た内容で満足。 -
評判が良いので読みましたが・・・。
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つ、ついに秘剣蹴殺しが明らかになる。最初の蹴殺しでは、技の全体像が解らなかった。しかし、二度目には秘剣蹴殺しが詳しく解説される。なるほど、なるほど。読んだ者にしか解らぬ謎。前作では主人公岩倉源太夫の人物像を固める記述が多く、『剣客商売』と酷似した設定(武芸者の親子で、親父が隠居し、若い女性を娶り、勧善懲悪の辺り)が目立ったが、今回はオリジナリティが増して来たようだ。しかし、人情路線なのか武芸路線なのか判然とはしていない。面白いことは確か。
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念願の道場も大賑わいで、弟子と共に剣の道に励む岩倉源太夫。しかしその心の内には、強くなることで争いを避け、己の秘剣さえ封印したいという思惑があった・・・。
軍鶏侍シリーズ待望の第二弾。源太夫の魅力だけでなく、彼をとりまく人間模様も実に味があります。みなさんの愛蔵シリーズになること間違いなし。 -
軍鶏侍・源太夫シリーズの第二弾。
自宅に開いた剣の道場の弟子たちとのエピソードを丁寧に描く筆致に魅せられ一気読みでした。 源太夫の人柄と剣の腕前ゆえに、道場は賑わいを見せ、幼い剣士たちから高弟まで、色々な表情を読ませてもらえるのが嬉しかったです。
ただ、第一弾で見せた、老僕・権助の前身は一体何者??と思わせる多方面にわたる豊富な知識の披露の場面が少なかったのが非常に残念。源太夫の身を心から心配し、気づくと傍にいた、というよな彼の立ち位置の描写は楽しかったけど…。
また、源太夫が引き取った“長男”が今回はほとんど出てこない。元々、かなり無理のある設定では…と思っていたので、出てこないのはトラブルがないゆえ、と妙にほっとしたり、作者自身がもてあましておられるのでは?と深読みしてしまったり、今度新作が出るみたいだから、そこで何か騒動が起こるのでは?と暗くなったり・・・。
秘剣・蹴殺しの場面は、源太夫の高弟2人の緊張感が伝わって、まさに手に汗握る展開。
私、闘いとか殺陣のシーンは、実はあまり好きではないのだけど、ここは興味深く読むことができました。
第一弾の勢いが少し失速したかな、という第二弾ではありましたが、これは大きな展開を見せる前の番外編的扱いなのかな。(でも、そうだったら、逆にもうちょっと権助が出てきてもよかったのに。)
新作を待ちたいと思います。 -
盛岡のさわや書店フェザン店さんのツイッターアカウントが強く薦めていらした一冊。かなりいい。
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内容(「BOOK」データベースより)
逆恨みから闇討ちを受け、果たし合いまで申し込まれた岩倉源太夫。秘剣・蹴殺しで敵を倒し、その技を弟子たちに見せたのだが…。その教えぶりを碁敵の和尚は、獺祭のようだと評した(「獺祭」より)。緑美しき南国・園瀬を舞台に、軍鶏侍・源太夫が、侍として峻烈に生き、剣の師として弟子たちの成長に悩み、温かく見守る姿を描いた傑作時代小説。待望の第二弾。 -
202 10/29-10/30
秀逸である。