訪問者 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 1467
感想 : 161
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396337506

作品紹介・あらすじ

冬雷の鳴る屋外で見知らぬ男の死体が発見される。
数日前、館には「訪問者に気を付けろ」という不気味な警告文が届いていた…。

果たして「訪問者」とは誰か?
そして、長く不安な一夜が始まるが、その時、来客を告げるベルが鳴った――。

嵐に閉ざされた山荘を舞台に、至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすいミステリーで、盛り上がりや驚きはあんまり無いのですが、良い意味で心乱されない感じで、ラクに読めました。本格とはまた違って、まさかこの登場人物が探偵役になるのかと、これくらいのも程よいミステリーでいいですね。

  • 最後は肩透かしとか言われがちな本作ですが、
    本格ミステリー!結末は!?とか思って読むとそうなるんです。
    しかしそこはそれ、恩田さんですから、謎解きがメインではないのです。
    勿論続きが気になる、どうなるの?はありますが、それ以上にこの雰囲気、描写、そして相変わらずさすがの人物像。登場人物の表情や挙動が目に見えます。
    とはいえ、この描写で想像するキャラクターは読み手によって全く違うんでしょうね、、なんて本作をもじってみたり。
    大丈夫です、結末云々はさておき、ちゃんと最後までページをめくってしまえる一冊です。
    舞台化しても楽しそう。


  • 趣向としては木曜組曲に非常に似ています。
    つい先日亡くなった映画監督の峠昌彦と三年前に亡くなった朝霞千沙子が中核となり枝葉が広がっていく物語構成。
    幼少期に昌彦を大変かわいがっていた朝霞家の面々の思い出話を聞いていくと必ず千沙子の話へと逸れていく。なぜだろうか、もしかして二人の死は繋がっていて事故ではなく事件なんじゃないのか。という箇所に井上が気づいてから加速していく。
    雷の中に浮かんだ、千沙子に似た影、落下死体、土砂崩れ、訪問者の登場。
    加速して、加速して、最終章で一応はネタばらしが行われる。数ある恩田作品の中では放り投げてた結末ものも少なくないがこれはキッチリと畳まれていました。
    ただ最後は、どうとでも取れますよね。
    文字通りに取ることも出来るし、悪意を持った解釈もまたできる。最後まで読者の想像力をかき立ててくる作品でした。

  • スラスラ読めました!ミステリー好きの人には結末は少し物足りない感がありましが、私的には面白かったので星三つです!

  • 推理小説だけど、推理していくのが記者と偽った弁護士と売れない役者。
    閉鎖された山中の家で年寄りと家政婦、DVに悩まされた母娘。
    どんでん返しに一気読み。

  • クローズドサークルで繰り広げられるミステリー。次々に訪問者がやってきて、誰しもが怪しい。恩田さんの作品は本当に読みやすい。最後の最後まで、ゾクゾクしながら楽しめたが、もう少し、読み手の身に迫る緊張感を味わいたかった。

  • 一気に読める。さすが。推理内容については、もうちょっとこうしたら良かったのでは…?とか思ってしまったけど、ちょっともやっとを残しての終わり方も良かった。

  •  本当に久々の恩田陸。ファンタジーに片足突っ込んだような作家だという認識を持っていて、ミステリである本作でもその雰囲気を纏っている。
     外界から隔絶された洋館で嵐の夜に起こる事件・・・というのは、私は名探偵コナンでしか味わったことが(多分)ないのだけど、アニメを見ていた小学生時代を思い出してワクワクしながら読んだ。読んでいて容易に風景を想像できるのも良く、非常に楽。

     一方で、この人の小説はファンタジーモノや日常系の方がより面白いのかなとも思った。単にミステリというジャンルが苦手なせいかも知れないけど、もっと曖昧な世界に包まれたい。ので、もう少し他の小説も漁ってみようと思う。

  • 作者らしい上質なミステリ。意外性が各所に散りばめられており、先が気になり後半は一気読みしてしまった。やや起伏に乏しく、ラストでの盛り上がりがやや不足気味が残念。

  • 面白い!!
    最近出版されたものではないけど、読んでなかったらしい。
    ちゃんとしたラストだった(笑)
    どっちらとも読めるラスト、
    この終わり方、好きです。

    ※木曜組曲を思い出した。


    (図書館)

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著者プロフィール

1964年、宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞および第2回本屋大賞を受賞。06年『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞を受賞。07年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞を受賞。17年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞。近著に『スキマワラシ』『灰の劇場』『薔薇のなかの蛇』、エッセイに『土曜日は灰色の馬』『日曜日は青い蜥蜴』など作品多数。

「2022年 『月曜日は水玉の犬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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