- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784396337506
感想・レビュー・書評
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山中の洋館での出来事
「訪問者には気をつけろ」と警告があったらしい
急死の映画監督の親友が訪れ
それからもまただれだれが訪れ
まぁいろんなことが起こるのですが
過去に死んだ二人の死の真相もなかなかわからず
どうなるのかと思ったら探偵役なキャラが登場して・・・
終盤は展開が早く感じました
そのせいか中盤まではモヤモヤしてましたが
楽しめました詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
舞台は湖を一望する山中にある洋館。
章が切り替わるごとに“来客を告げるベルが鳴った"から始まり、物語は展開していく。
正直、登場人物みんな怪しい。
お互い探り合っている様子で、終始不穏な雰囲気に包まれており、じわりじわりと恐怖を感じる、サスペンスとミステリー両方の要素を併せ持つような、そんなストーリー。
読了後も謎の不安が残る感じが良かった。 -
殺人事件を解決するだけのいわゆるミステリーではない。
もちろん、真相への謎解きはあるし、意外な事実も隠されていて裏をかかれたけれど、どちらかというと、それでこの後どうなったんだろう?と想像したくなる余韻が良かった。恩田さんの作品は好きだけど、いつもはもっと衝撃的というか。これは割とストレートな感じかなー。私の読み込みが甘いだけ?!
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『訪問者に気を付けろ』洋館に届いた1通の手紙。誰がなんの為に書いたのか。
親友の死の原因を探りに訪れた井上を始め、朝霞家には訪問者が次々と増えていく。これは偶然か仕組まれたのか。過去の事件、現在の事件、予想外の出来事により事態は二転三転する。誰が騙して誰が騙されているのか井上にも読者にも段々わからなくなってくる…
派手さはないが、不穏な空気漂う中での心理戦や老人達との静かに熱い討論は舞台を見ているようで味わい深かった。
あとがきを読んで星新一さんの「ノックの音が」を読みたくなった。 -
読みやすいミステリーで、盛り上がりや驚きはあんまり無いのですが、良い意味で心乱されない感じで、ラクに読めました。本格とはまた違って、まさかこの登場人物が探偵役になるのかと、これくらいのも程よいミステリーでいいですね。
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最後は肩透かしとか言われがちな本作ですが、
本格ミステリー!結末は!?とか思って読むとそうなるんです。
しかしそこはそれ、恩田さんですから、謎解きがメインではないのです。
勿論続きが気になる、どうなるの?はありますが、それ以上にこの雰囲気、描写、そして相変わらずさすがの人物像。登場人物の表情や挙動が目に見えます。
とはいえ、この描写で想像するキャラクターは読み手によって全く違うんでしょうね、、なんて本作をもじってみたり。
大丈夫です、結末云々はさておき、ちゃんと最後までページをめくってしまえる一冊です。
舞台化しても楽しそう。
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趣向としては木曜組曲に非常に似ています。
つい先日亡くなった映画監督の峠昌彦と三年前に亡くなった朝霞千沙子が中核となり枝葉が広がっていく物語構成。
幼少期に昌彦を大変かわいがっていた朝霞家の面々の思い出話を聞いていくと必ず千沙子の話へと逸れていく。なぜだろうか、もしかして二人の死は繋がっていて事故ではなく事件なんじゃないのか。という箇所に井上が気づいてから加速していく。
雷の中に浮かんだ、千沙子に似た影、落下死体、土砂崩れ、訪問者の登場。
加速して、加速して、最終章で一応はネタばらしが行われる。数ある恩田作品の中では放り投げてた結末ものも少なくないがこれはキッチリと畳まれていました。
ただ最後は、どうとでも取れますよね。
文字通りに取ることも出来るし、悪意を持った解釈もまたできる。最後まで読者の想像力をかき立ててくる作品でした。 -
恩田陸さんのミステリーはたぶん初。
面白かった。テンポも良く、情報過多になると探偵役が整理してくれるからスラスラ読めた。 -
恩田陸好きだけど知らなかった作品。図書館で見つけて読み始めたらとまらなくなった。
洋館、道を閉ざされ孤立した人々、過去の事件、訪問者。ミステリ作家といえど、本格、というよりは人の心情に重きを置いてるような印象が最近は多いけど、しっかりミステリで楽しめた。
著者プロフィール
恩田陸の作品





