君は素知らぬ顔で (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
3.78
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  • (6)
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本棚登録 : 511
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396338152

作品紹介・あらすじ

文具メーカーで働く由紀江は耕次と付き合って半年。気分屋の彼は機嫌が悪くなると手がつけられない。耕次の怒りを理不尽に思いながらも言い返せない由紀江。次第に彼の態度はエスカレートしていき…(「今日の占い」より)。とある女優の成長を軸に、様々な時代を生きる人々の心のささくれを丁寧に描いた六編。最後に新鮮な驚きと爽やかな感動が待っている、連作小説の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに好きな時間軸が当たりました涙
    中々こういう風に、最初関係なさそうな人物が度々出てきて、最後に繋がる。っていう本と出会うのはないので、嬉しかったです。
    こういう本は、読み返すと更に面白さが増すので本当に大好きです。

    scene3とscene5はすごく身にしみました。
    なんとなく学校行きたくなくて、学校休んでずっと本を読んで過ごしていました。
    去年は人間関係から逃げて皆勤取れたんだ。とか、皆勤なんて寂しい人間が取るものだ。とか、自分で自分を傷つけてました。
    休んだところで、結局逃げてるには変わりないのに、踏ん切りがつかなくて…。ていう感じですが、scene3のラストで、ちょっと元気がでました。
    ”きっと今は簡単に負けてしまう”
    また明日から頑張ればいいや。って思えました。

    scene5は、一度そういう男性に引っかかってるので、没頭しました。
    今現在も、”俺は仕事が忙しくて疲れてるんだよ。由紀江ぐらい俺のこと癒してくれよ”とかいう人はいますが、心配はしてくれません(笑)
    ある程度の心配はしてほしいなと、ちょっと要求してしまいます。
    彼から、サボりだろ。さっさと学校来い。って言われたら、すぐ用意して行くのに(笑)

  • 6つの話すべてを合わせて一つの作品、という印象が強かった。話が進むにつれて登場人物の繋がりと時間の流れがはっきりしてきて、「Last Scene どこかで誰かに」でなるほど、というかんじ。一つ一つの話も最後は希望が見える終わり方をしていることが多いし、全体としての終わり方も前向きになれるのでいいなと思った。
    「Scene1 斜め四十五度」と、「Last Scene どこかで誰かに」が好き。

  • 「ゆうちゃん」がキーワードな全六話。
    どの話も好きだけれど、印象に残った、これからも使いたいと思うような言葉がふたつ。
    ひとつめは、一話の、ゆうちゃんがストーカーに襲われかけたときに言う「怖かったけど、負けたくなかった」。生きているといろいろ理不尽なことも辛いことも、たくさんあるけど、頑張ろうって思えるひとこと。
    ふたつめは、六話のゆうちゃんの旦那、祐一のひとこと。「他にいいなって思う人ができたとしても、それって彼女を想ってるのとは別の心の中の場所でいいなと思うだけで。彼女のことを好きじゃなくなるなんてことは一生ないんじゃないかと思ったんです」
    今、わたしもそう想うし、そう想っててほしいなって思うので、この本が好きになったひとこと。

  • 「生きていれば、誰かに影響を与える」が解説通り縦に貫かれたテーマ。
    6編の連作。

    連作で、他の物語に関連がある物って、大好きです。ああ、この子はここでつながっていたんだってハッとする瞬間が好き。

    それにしても、明子に物凄くイライラしたなぁ。
    嫌いなタイプなのだろうなσ(^_^;)

  • *とある女優の成長を軸に、様々な時代を生きる人々の心のささくれを丁寧に描いた六編。最後に新鮮な驚きと爽やかな感動が待っている、連作小説の傑作*
    テーマは「自分の存在が誰かに影響を与えるということ」ですが、どこにでもいるような男女の、どこにでもありそうな出来事なだけに、無理なく入り込めるし、逆に反発したり。物語が本当にリアルなので、登場人物の追体験をしている気分になります。そこが一番の魅力。「ゆうちゃん」の成長を絡めた構成も新鮮だし、見る人や角度にによって感じ方が違う面白さも十二分に味わえる。その上、連作なので、所々で前作の登場人物のその後が垣間見えて二倍楽しめる。「どこかで誰かに」でパズルのピースが合わさったら、もう一度最初から読み返したくなります。二度読みの楽しさも満載です。

    • しのさん
      こんばんは(#^^#)
      コメントはじめましてです( *´艸`)
      この作品大・大・大好きです。
      飛鳥井さんを大好きになったきっかけの作品...
      こんばんは(#^^#)
      コメントはじめましてです( *´艸`)
      この作品大・大・大好きです。
      飛鳥井さんを大好きになったきっかけの作品でした。
      本当に素晴らしい連作短編集でしたよね。
      読まれてるのが、とっても嬉しくって突然のコメントごめんなさいね(;'∀')
      2017/03/16
  • 最近ミステリー系の小説を読むことが多かったので、久しぶりにほんわかする話を読んだ気がします。
    まぁこの短編のなかにはほんわか系じゃない話もあったんですが、全体的には読んだら幸せになれる話でした(全体的にというより、全体を通してと言ったほうが良いかも)。

    連作短編集ということでタイハピ的な感じでした。
    ひとつひとつ別の人の物語だけど、いろんなところで人物間のリンクがあって、全編を通して「ゆうちゃん」が描かれています。
    「ゆうちゃん」の成長とともに時間軸が進んでいくという感じですね。
    私はやっぱり最初と最後の話が好きですね。
    「斜め四十五度」に出てくる先輩は私的に1番好きなキャラクターだったので(勝手に『潔く柔く』の梶間くんをイメージしました)、その後も何回か出てきて嬉しかったです。

    私もどこかで誰かに影響を与えてるんでしょうかね。
    私は周りのいろんな人から影響を受けてると自分でも思います。
    「ゆうちゃん」みたいに不特定多数の人に影響を与えるようにはならなくていいから、周りの人たちに良い影響を与えられてたらなと思います。

  • 飛鳥井さんのこういう話、結構好き!
    最後のゆうちゃんに気付いた時は小さなぞわぞわを感じられて満足でした!

  • 「ゆうちゃん」が最初に出てきたときはなんじゃこりゃ?と思っていたが、最後につながっていくのね。
    彼女の成長と同じように多くの人が成長していったり自分の人生を見つめなおしたりしていく話。
    どうしたって誰かは誰かの人生に影響を与えずに生きてはいかれないということを感じた。
    逃げちゃ駄目だ。

    ずっと「ゆうちゃん」は私には前田敦子の顔だった。何でだろ?

  • 飛鳥井さんの短編集だけど、話が実は繋がってるってのがすごく好きで、ただの短編集と違って続きがあるから他の人物の動きとかが分かってすごく楽しい。
    今回もそんな感じで色んな人が子役だった女の子が女優になって成長していく中、その子に色んな人が色んな影響を受け、最後はその女優さんの旦那さんの話で、最後に色々繋がってくるのが楽しかったです。

  • 登場人物たちの関係図を書き出したくなるくらい、ひとつの物語の主人公が別な物語の脇役になっていて、物語のその後を想像させてくれる。飛鳥井さんの書くちょっとほろ苦い恋愛がすきです。

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著者プロフィール

飛鳥井 千砂(あすかい ちさ)
1979年生まれの小説家。北海道生まれ、愛知県稲沢市育ち、神奈川県在住。
2005年『はるがいったら』で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2011年刊行の文庫『タイニー・タイニー・ハッピー』が20万部のベストセラーとなる。他の代表作に『アシンメトリー』『君は素知らぬ顔で』『UNTITLED』『鏡よ、鏡』『女の子は、明日も。』『そのバケツでは水がくめない』など。

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