大山まいり 取次屋栄三(9) (祥伝社文庫)

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  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396338428

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  • 大山まいり ― 取次屋栄三シリーズの9作目
    2013.05発行。字の大きさは…小。
    大山まいり、松の双葉、ほおべた、菊の宴の4話。

    手習いの師匠と剣術道場の師範を兼ねる、秋月栄三郎の笑顔に接すると…。
    人と人を繋ぐ取次の依頼を人情味たっぷりに…。

    陣馬七郎は、お豊に「この先、この七郎と松の双葉となってもらいたいと……」
    落ち葉となっても松の双葉は離れぬものだ。
    七郎は、お豊とそうありたいと願ったのだ。
    そしてお豊は、言葉にならず、ただしっかりと首を縦に振って……。

    【大山まいり】
    田辺屋宗右衛門は、お咲、秋月栄三郎、新兵衛、又平、お染の6人で大山詣での購を組み大山へ向かうと、途中でおきんと道づれになる。おきんは、懐に50両を持って亡夫・柳吉がおきんと一緒になる前に、出来た娘に届けるために藤沢へ行くと…。

    【松の双葉】
    廻国修業から戻って来た陣馬七郎は、気楽流・岸裏伝兵衛門下にあって、新兵衛と、竜虎と謳われた天才剣士であった。旗本三千石永井勘解由の奥向きに仕えるお豊と一緒になるために、戻って来たのであるが。そこには、お豊がかつて遊女として…。

    【ほおべた】
    栄三郎の初恋は、近くの町道場で剣術を始めた頃に、母親から小遣い銭を貰ってうどん屋に何度も行ったところに…。そこに手伝いに来る、おかねの桃色の頬っぺたとはきはきした物言いが、若き頃の汗にまみれた思い出の中に今も残っている…。

    【菊の宴】
    浪人・相川伊十郎は、元は金奉行配下の同心であったが、上司に濡れ衣を着せられて、同心を辞めさせられる。そして妻と娘・菊栄と別れたが、栄三郎の働きで神道無念流箱上道場の師範代となっている。伊十郎と別れた妻が再婚した先が無役の御家人で…。

  • 栄三先生は誰でも魅了する。

  • 気分爽快時代小説の第9巻
    ロマンスもあり(笑)もあり
    最高の小説ですが、時代を少しずつ登場人物に年を取らせている
    長い物語を見ているようで感情移入がハンパない
    しかも読後感が最高に良い
    読むべし!

  • 取次屋栄三の9作目。同じ岡本さとるの狭竜蔵シリーズとかぶるようなキャラ造詣であるが、栄三のほうが話しに幅がある分、面白い。武家と町の者たちの間をつなぐという設定だけに幅広の話が展開されるし、子供がらみの話も多いように思う。親子の話には、単純だか涙腺を刺激される。

  • 第九弾
    短編四話
    過去の途上人物を含め、結構面白い人情話
    陣馬七郎の悲恋の成就等

  • 取次屋栄三シリーズ第9弾。大山参りに行くなど短編4本。いずれも今までにあったような似たような展開と顛末。特に顛末はピリッとしたものやキレを感じず中途半端な印象。全体に浅さとマンネリを感じる話ばかりでシリーズとして進展してる良い部分も少しはあるが停滞感は否めない。好みもあるけど、色々と飾り立て持ち上げた文章に回りくどい展開は持ち味でもあるが欠点にもなるのでは。ナレーション付きTV時代劇風な小説みたいで自分には読み辛く辟易する部分もある。初期の頃のシンプルで情のある感じは良かっただけに残念。

  • L 取次屋栄三9

    なんだかなぁ、面白いですか、コレ。大げさな語りもこれでもかと今までの登場人物総動員も胸焼け気味なんですけど。町人と武家との取次を生業としてたけどもうほとんどが、タダの人のいいお節介な腕のたつみんなに愛される男の話になってるし。
    剣客シリーズよりも取次屋シリーズの方が設定もキャラも断然面白いと思っていたけど、こちらも大きな目的はないわけで。善悪がハッキリしてるのも王道でいいのか…。でもやっぱり古臭いよなぁ。憂いや情緒も薄っぺらい。

    次巻がすぐ出たから読むと思うけど脱落間近。

  • 201306/都合良く展開するけど、登場人物像に味があり安定して楽しく読めるシリーズ。

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著者プロフィール

一九六一年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九十周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に「浪華騒擾記」が入選。その後フリーとなり、「水戸黄門」「必殺仕事人」などのテレビ時代劇の脚本を手がける。二〇一〇年、『取次屋栄三』で小説家デビュー。他に「若鷹武芸帖」「八丁堀強妻物語」「仕立屋お竜」などのシリーズがある。

「2023年 『明日の夕餉 居酒屋お夏 春夏秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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