失恋延長戦 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396338572

感想・レビュー・書評

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  • さすが山本幸久さんの作品です。

    学園モノかなぁ、ちょっと合わないかもと思って読み進めたのですが、徐々にのめり込んでしまい、寝不足気味になりました。。。

    ストーリーがダラダラと続くのではなく、パッ、パッと変わって行くので、テンポ良く読めます。個性的な登場人物もそれぞれに表と裏があり、その辺りも人間味があったりして。

    一風変わった作品のような気がしますが、非常に楽しく読む事が出来ました!!

  • 長編小説かと思ったら、短編集?だったことに驚き。
    エピソードは1つずつ独立していた。
    どうしてそうなってるのか、や、
    その後、どうなったのかを知りたいような気がして
    ちょっとそこが物足りない気もした。
    が、最後のベンジャミンの話は泣けます。
    こんな風に思ってもらえるなんて幸せ。
    ホントに会話が出来てたんだなと思います。

  • ベンジャミンと真弓子、この一匹と一人の絆が本当に素敵だった。

    失恋物語だけど心温まるラスト。ベンジャミンのおかげ!

  • 犬らしくない犬・ベンジャミンと、飼い主である
    女子高生らしくない女子高生・真弓子の物語。

    真弓子が実際に女子高生らしくないかは不明だが
    傍目には熱量に乏しい言動&シニカルな内面は
    まあ、イワユル「女子高生」らしくはないのか。
    少なくとも自己評価としては。

    幇間のようなベンジャミンのセリフに、最初は
    戸惑った(「へへへ。へへ。」に衝撃を受けた)が
    少し読み進んだだけですっかり魅了されてしまった。
    ベンジャミン、可愛いよベンジャミン。

    終盤のトイレや、病院からアパートへ向かう途中での
    彼の行動にびっくりして、最終章の展開は予想すら
    していなかったのに、彼の語りが始まった瞬間に
    現在がどういう状況なのか&これからどんな事が
    起こるのかが嫌ってくらい想像できてしまい辛かった。

    「女子高生らしい女子高生なんてわからないけど
    十分に女子高生だった真弓子」と「犬らしくない犬
    どころか、最高のパートナーだったベンジャミン」の
    なんとも優しい物語、だったなぁ。


    書下ろしの「敗者復活戦」も良かった。

    "誰かが思った自分”や”自分が思った相手”の
    印象なんて(自分が思う自分、も含めて)結局は
    全部間違っているし、全部本当でもあるんだよな
    と、いつも思わせてくれる彼の作品が大好きだ。

  • 高校で放送部に入った米村真弓子。同級生の大河原くんに光を持つものの、一向に相手にされる気配はない。そんななか、真弓子に地元のラジオ放送局のアシスタントアナウンサーの声がかかる。しかし、ある日の放送を聴いた大河原は真弓子に対してさっぱり冷たくなってしまう…。

    山本幸久なので、ドラマ展開としては申し分ないし、すんなりと人生が進むと思いきや、真弓子の人生は予想外の方向へ進んでしまい、そこで新たなドラマが始まっていくわけで。

    とはいえ、いつもの山本幸久らしからぬ前のめりな展開に、主人公真弓子をはじめ、あまりビジュアルが思い浮かばない、ちょっと浮ついたキャラクター設定に戸惑ってしまう。いつもなら俳優のあの人かな?なんて自分の中で配役を作って読むのだが、今回は殆ど浮かばなかった。ただ一人(?)柴犬のベンジャミンを除いては。

    まあそうなのよね、青春と失恋をテーマにしながら、これは動物小説なのだと思うのだ。それ以外の人の描写があえてほとんどなされていないのだから。

    いつもの山本幸久の「良かったー」という読後感は、無いわけではないが、あまり期待せずに軽く読み始めたほうが良い小説であろう。

    でまあ、いつもの蛇足小説つき。んー、いらんなあ。ワタシなら真弓子主人公で、電話で連絡を取り合う仲とかにするかなあ。視点がそっち?となるので。

  • sg

    あまあまな恋愛話ではない。

  • 何度読んでも好きだなー、この話。真弓子のなんとなく薄らぼんやりした「青春」が。片思い、同級生との友情(?)年下の可愛い恋敵、ちょっと自慢出来そうなDJ活動って並べるとイケてる女子みたいなのに、どれもこれもイマイチパッとしない辺りがすごくいい。子供の頃からずっとそばにいた、犬らしくない犬のベンジャミンとのやりとりが、とっても好き。だから何度読んでもベンジャミン語りは泣くから。・゜・(ノД`)・゜・。ベンジャミン、でも君は犬だったからこそ、真弓子の一番の味方だったんだよ? こんな風に思われたら、やっぱり泣くなあ。

  • タイトルからして恋愛小説だと思っていた。表紙の絵とか山本幸久だからということで青春小説の類だと思っていた。どちらも間違ってはいなかった。

    が、

    正解ではない、この作品の核心は主人公一人と一匹の友情物語である。他の登場人物たちが出てくる場面はテケトーに流してもいいし、実際流せるように描いている。でも、ベンジャミンのシーンだけはちょっと集中して読んで欲しい。それだけで、この作品の核心に触れて心がちょっとグラつくくらい感動できると思う。

  • 主人公の心の動きが一々共感できて、面白くて、かわいい。場面の描写というよりも、次から次へ色々なことがおこる展開がすごくいい。なんか主人公が踏んだり蹴ったりな感じが残る部分は、文庫版で追録された短編で、しっかり解決。 著者にはこういう恋愛小説ももっと書いてほしい。

  • 青春小説は嫌い。
    青春だねっていわれたときに楽しかったことが思い出せないから。
    そもそも青春時代も青春小説って嫌いだったけど、この本はなんでもかんでもうまく話じゃなくて、うまくいかないことばっかりだったから楽しめた。
    LOVEorLIKEに載ってた短編も載せて欲しかった。あれ大好き。

  • 片思い真っ只中の女子高生、真弓子。
    同級生で同じ部活の大河原君に片思い。
    そんな彼には後輩の彼女ができる。
    切ない思いは青春の匂い。
    愛犬のベンジャミンとの掛け合いも面白い。
    勝手にライバル視された同級生の藤枝との変な関係もまた楽しい。
    ただの恋愛ものでないところが、良かった。

    2016.3.15

  • 面白かったけど
    色々ぶっとんでた
    犬がよかった
    ちょっとじーんとくる(犬のくだりが)

    好きになった男の子か理由なくすきとか
    彼女がいても東京にいっちゃってもすきとあ
    長い失恋ってのがちょうわかる

    変なイタい親友もおもしろい

    先輩(主人公)がすきな可愛い戦士カワインダーな後輩の先輩がすきな(性的にではなく)気持ちとか

    たいしたオトコじゃなかった大河原くんとか

    丁寧でおもしろい

  • 延長戦に終わりを告げる。

    以前、単行本タイトルを見て、自分とはジャンルが違うとスルー。
    文庫になったと知り、やっはり読んでみようと思ったとき、なぜだろう?本屋さんで出会うことなくすれ違い。

    ようやく延長戦が終わり、勝敗は読み手の心地よい敗戦。

    みな、いつかは身も心も消えゆく定め。
    なれば、決意は一つなのは間違いない。
    伝えられないのは、どうしてなのだろう?
    追いかけ続ける気持ちがあるなら…

    大切に愛しく想われるのは、最高の宝物。
    見つけられたら、それは運命と言える。

    必ずいつか見つかる。。。

  • 最後の最後でタイトルの本当の意味を知る。主人公は恋も行き方も不器用な真弓子だが、失恋の延長戦(=片想い)を戦っていたのは彼女だけではないことをが分かった瞬間、せつなくほろ苦く微笑ましい気持ちになった。
    文庫本のみの特別書き下ろし作品「敗者復活戦」が、だめ押しの如くたまらなくいい。イヤな奴と思ってた蔦岡の秘められた想いが綴られたこの短篇で星5つ。

  • 最後がなー

    ほんとの気持ちを人に伝えないと、誤解をうむ

    ベンジャミンがいてくれたことによって、真弓子はどれだけ救われていたのだろう

  • 不器用な女の子の切ない片思い,そして,それを温かく見守る柴犬のベンジャミン.とても爽やかな青春ラブストーリー.ベンジャミンの一言,泣いちゃいました.何を言ったのかは,読んでからのお楽しみ.

  • せつない青春。
    なんとなく自分の若かった頃を思い出す。
    恋がよく描かれている。。

  • タイトルのごとく私があまり得意ではない「恋愛もの」です。
    もっとも「恋愛ものは苦手だ」などと言いながら、結構多いんですけど。
    買うか買わないか悩んだのですが「山本さんだから」と思い購入。正解でした。

    片思いの女子高生が主人公。でも良い出来の小説の常として周りの登場人物が良いです。主人公を勝手にライバル視する藤枝のキャラもなかなか素敵ですが、何と言っても秀逸なのは柴犬のベンジャミンでした。

    文庫化に当たり書き下ろされた後日談の短編『敗者復活戦』も爽やかで。

  • 久しぶりに青春エンターテイメント!というものを読んだ。すかっとして、気持ちがいい。で、泣いた。気分がいい。失恋かあ、片思いして失恋かあ、なかなか、大人になると、そういうことってない。犬と暮らすこと、話していること、なんだか思い出した。

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著者プロフィール

山本幸久
一九六六年、東京都生まれ。中央大学文学部卒業。編集プロダクション勤務などを経て、二〇〇三年『笑う招き猫』で第十六回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。ユーモア溢れる筆致と、魅力的な登場人物が読者の共感を呼び、幅広い世代から支持されている。主な著作に『ある日、アヒルバス』『店長がいっぱい』『大江戸あにまる』『花屋さんが言うことには』『人形姫』などがある。

「2023年 『あたしとママのファイトな日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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