幸福な生活 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396338916

感想・レビュー・書評

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  • 大物過ぎて メジャー過ぎて逆に手に取りづらい作家や作品 ありますよね。私にとっては、作家だけではなくマルチに活躍する百田尚樹の存在がそれに当たる。温め過ぎたなと意を決し手に取り、やはり出てくるこの言葉。
    「百田尚樹、恐ろしいお方...」

    ブラックユーモア、時にはユーモ...ア..??と鳥肌のみが残るオンリーブラック含めた10ページ前後のショートショート作品集。帯にもある「衝撃の一行」はページをめくってすぐの半ページをその一行の為だけに使用する贅沢仕様。
    更に 詠唱破棄の魔法、わかり易く言えば、かめはめ波を「か」の時点で放つに等しいこのチャージ時間の不足の中、死角から確実に仕留めてくる技量の高さ。それが18連撃と来たものだ。...楽しい。

    如何せんどれもマンチカンの愛狂おしいあんよくらい短い作品なので、着地点を先読みし功を奏する楽しみ方も勿論素敵だが、あえてガチガチに身構えずその瞬間を迎え脳内の衝撃を真正面から受け止めるマゾヒスティックな楽しみ方もこれまた一興かと。

    短編作品はどうしても「物足りない」が付き物で苦手意識があったのだが、この作品を読んでいる時間の充実感はそれは気持ちの良い物でした。
    むむぅ百田尚樹...恐ろしいお方。

  • 「幸福な生活」
    その内容を全く知らず、いつもの古本屋さんで、ただ、百田尚樹さんの本、という理由で手に入れました。

    タイトルから想像して、ほのぼのとした作品?あるいはホロリと泣ける作品?
    なんて、勝手に想像していたらこれが・・・
    ショートショートでした。
    それも、かなりブラックです!!

    本を購入したら、その帯はすぐに取ります。
    理由はただ単に読みにくいから。
    いつも読み終わった後、本棚にしまう前にはずしておいた帯をつけるのですが、その帯に
      衝撃のラスト1行!
      そのページをめくる勇気はありますか?
    と。

    そうなんです!
    この本、19編の短編が収録されているのですが、最後の1行は全て、新たにめくったページに書かれているのです。
    めっくった瞬間、「ド~~~~~ン!!」って。

    最初の「母の記憶」を読んだ時にはページをめくったらそんなことが待っているなんて思ってもみなかったので、気が付けば「怖すぎる~!!」って声に出してました。

    最後の1行は「恐っ!」あり、「ん~~~!」あり、「え〝===!」あり、「・・・・・・」あり、「???」あり、「そうきたか~!」あり、「そうくると思ってたわ~!」あり、「やっぱりな~!」あり。
    楽しめました。

    解説で宮藤官九郎さんが「百田さんは「作風」を持たない作家さんだなと思いました。著者名を隠して幾つか読み比べたら同じ作家だが書いたと気がつくだろうか」と書かれています。
    私もそう思います。

    百田さんの本、今度はどんなふうに裏切ってくれるだろうと楽しみです。

  • ショートショート集。そして題名のイメージとは裏腹で、ブラックな話が多い。クスリ(゚∀゚)とユーモアを感じるものから、かなりのイヤミスまで。

    作者の前回読んだ『輝く夜』とは真逆な短篇集。

    そして、気づいた!
    最後の一行で、見える景色を反転させるんだけど、それは全て会話「」で、次ページを見開いたところにポンっと出てくる趣向だ!

    エンターテイメントな作品集。

  • ラスト一行でひっくり返すショートショート集。
    短いから読みやすいけど、毎回ラスト一行でキメてくるスタイルなので、この量はちょっと飽きるかな。
    でもおもしろいから、イッキに読むよりは2話ずつとか、少しずつ読むのがいいかも。

  • 短編集だったのか…。知らずに読み始めました。百田尚樹は『永遠の0』が最初だったので、期待して読み始めたせいか、初めは拍子抜けしました。こういうものなんだと分かってからは楽しめました。小さい頃に聞いた都市伝説のようなものが多かったですね。クスッと笑ってしまったものもありましたし、1つのお話がすごく短いので飽きる事がなかったです。『最後の一行』の法則に気付いてからは、なんとなくオチの予想がついてしまったのが残念。

  • ずっと持ってて読んでいなかった本
    サクッと読めて、文章もわかりやすく、情景も浮かぶ のに最後の一行でどーん!とゾワっとしたりニヤッとしたり感心したりと 凄いうまいことできている…
    最後の一行が次のページになっているのが素敵な作りだ…

    個人的に好きだったのは「淑女協定」
    何かある何かあるぞ〜って思ってたけど一番嫌な結末じゃーんw
    「賭けられた女」は最後一行で、は!?って意味がわからなくて そのままあとがき読んでたらクドカンさんもわからなかったのねw
    2度目読んで理解した…なるほどね

    全編通して、途中からオチがよめる話もあったけど 面白かった

  • 百田さんの「世にも奇妙な物語」的な短編集。

    最後の一行で驚いたり、怖いオチだったりで、面白い‼︎と読み進めました。
    途中から慣れてしまったのか、話の内容なのか、読んだタイミングなのか、何故か消化試合的に読了。はて?
    何故か最後まで面白い‼︎で、終われませんでした。(・_・;

  • 『永遠の0』や『海賊とよばれた男』の百田さんによる短編集。
    その全ての話が、ラスト1行で“ひっくり返る”という仕掛けつき。

    『影法師』や『風の中のマリア』などのシリアス系でもなく、
    『「黄金のバンタム」を破った男』などの骨太でもありません。

    ホラー、ミステリー、愛憎劇、様々なネタを提供していますが、
    共通しているのは、どこか人を喰ったアイロニーを感じる点でしょうか。

    どちらかというと『夢を売る男』との類似性、でしょうか。

    それにしても、この方の著作を思い返してみると、、
    到底同じ方が書かれた内容とは思えません。。

    本当に多才だなぁ、、と思います。
    次の著作はどんな仕掛けで来るのか、楽しみにしていようと思います。

  • 百田氏の著作は今まで長編しか読んできていなかったので、短編集はどんなもんだろうと思い手に取ってみた。丁度自分の中で「ショートショート」ブームが起こりつつあるので、巧みな構成力を必要とするショートショート、百田氏はどう興奮させてくれるかなと期待しながら読んでみた。
    ページをめくったラスト一行が衝撃のオチ。ぎゃっと叫びそうになったもの多数。どういうことかと読み直してみれば、さりげなく伏線が張られていて、そのひそかな仕掛けの巧さに脱帽。ラストのどんでん返しが予想外のこともあれば、じわじわと結末を匂わせるものもあり。全体的にダークでブラックな作風で、女性が語り手の作品はあっても、男目線だなぁと感じました。俗っぽい展開が多かったので、もっとコミカルなもの、うるっとくるものも読みたかったな。
    完成度にばらつきがあったとはいえ、思わず唸ってしまうほど見事な作品もあり。特に「賭けられた女」は、海外短編の名作、ダールの「南から来た男」を絡めてきて、巧いなあ~と思わされた。
    個人的には百田作品は長編の方が好みだけど、つくづく器用な方だと改めて感じた。是非第二弾のショートショートも出してほしいな。

  • 最後のページ、最後の1行で驚きな展開

    1話1話が短いから、すらすら読める

    2022年5月1日

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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