恋愛検定 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396340407

感想・レビュー・書評

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  • 恋愛力って確かに個人差があるけど、それが資格になるっておもしろい。
    7人それぞれ癖がある人物で、恋愛経験もいろいろ。
    イラッとするような人も、自分に重ねてしまうような人もいて。
    人のことならわかるのに自分のことだとわからないっていうのは誰でもそうなんだろな。
    わかりやすいハッピーエンドばかりではないのがリアルでよかった。

  • 恋愛の神様が突然現れ、恋愛検定を受ける事になる人達のお話

    7人の受験者と解説を収録
    ・自称恋多き女 四級
    ・シンデレラ願望男 三級
    ・友達止まりの女 二級
    ・慎重すぎる男 準一級
    ・恋愛がメンドーな女 一級
    ・昔の恋を引き摺っている女 マイスター
    ・現状維持に縋りつく女 四級
    解説「『恋愛検定』の傾向と対策」ゆうきゆう


    恋愛検定の概要
    神様は急に現れ、受験者以外の時は止まる
    恋愛の神様による恋愛検定は一般的に知られているらしい
    資格を持っていると、プレゼンテーション能力などが社会的に一定の評価されたものと思われるらしい
    周囲の人の恋愛状況についての考察を述べさせられ、その回答内容によって受験の級を言い渡される
    恋愛相手は既に会っている人かこれから会う人両方の可能性がある
    恋愛関係の成否が合格に直結しているのではなく、あくまで恋愛に対する行動による評価


    私自身を顧みた場合、受験者それぞれに共感するところがある
    周囲の見えなさは自称恋多き女
    次に付き合う相手には譲れない条件があるところはシンデレラ願望男
    距離の詰め方は友達止まりの女
    自分の観察の自信のなさは慎重すぎる男
    自ら積極的に動くほどでもないと思っているあたりは恋愛がメンドーな女
    環境が変わることに決断できない事やサンクコストを惜しむ気持ちは現状維持に縋りつく女
    昔の恋を引き摺っている女だけは自分と共通点がない

    もし自分が受験資格を与えられたとしたら
    多分、周囲の恋愛関係なんてさっぱりわからないので四級を受験する事になりそう
    そして、今更恋愛とか億劫過ぎて、受験期間何もしないまま終わりそうかな
    そもそも、作中のエピソードから察するに、受験中の対象者が本当にふさわしい相手なのかは疑問
    新垣はダメじゃないかなぁ……
    あと、現状維持に縋りつく女のように、想定していたのと異なる相手の方がいい場合もあるしね

    相手の恋愛観を知るには車について聞くといいとの事だけど
    私にとって車は便利な移動手段や荷物運搬の道具としての認識が強い
    今でこそなければかなり不便な環境だけれども、昔住んでいた場所のままだったらずっと車は所持していないと思う
    もしくは、交通の便の良いところに引越したら車を手放すと思う
    見た目にはこだわらず、利便性と運用コストを考えるあたり、私の恋愛観に近いのかどうか……

    面白かったのは、更新するときには危険な恋愛の避け方の映像を見るとか、運転免許と同じかよというツッコミを入れたくなる


    全体の物語として、現代では積極的に恋愛をする人が減っているというのに上手く着目した小説だと思った

    解説でゆうきゆうが真面目に文章書いているのが却ってウケる

  • 恋愛の話かなと思いページをめくると
    突如 神様の出現
    楽しく不意を突かれた。
    神様が恋愛検定するんだと 面白くなって
    おかげで 一気に読了

  • 人間の不可解な感情が理解できない神様が恋愛の神様となって少しのアドバイスと後押しで合否を決めるが、神様も役所みたいに組織されているとの事なので、適度に干渉せず告白に導かせていく、気づかせる話。
    不合格になった人は自分の気持ちを正直に言わなかった人、積極に欠けていた人でそれで不幸という訳ではないので安心して読める内容だった。

    若い子向けの小説。

  • どの人物も、今の若い人たちにありがちな恋愛タイプなのだろうと思った。
    解説には心理学的な分析もあって、コメディ小説+恋愛マニュアル本という感じ。

  • おもしろかった!お酒好きな恋愛の神様。良いこと言うなあ。「過去ばっかり見てないで、今の幸せに目を向けてごらんよ」印象に残りました。自分で行動起こさないと何も始まらない。自分だったら4級も合格できないだろうな。

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著者プロフィール

一九六五年東京都生まれ。大妻女子大学卒業後、会社員、フリーライターを経て、二〇〇三年『死日記』で「作家への道!」優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『県庁の星』『嫌な女』『ハタラクオトメ』『頼むから、ほっといてくれ』『残された人が編む物語』『息をつめて』など。

「2023年 『じゃない方の渡辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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